消費者の視線を釘付けにしよう!広告デザインのヒント30選&ケーススタディ

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私たちが新しい製品を作り続ける限り、その宣伝をする広告も併せて作られていきます。このコラムでは、製品やサービスが持つ魅力をしっかりと消費者に伝えられる、素敵な広告デザインの30個のヒントをご紹介していきます。このヒントを活かすことで、消費者の注目を独占してしまうような素敵な広告をあなたも作成できるでしょう。

「私が作った商品です。……という機能を持っているので、ぜひ購入して下さい」といった宣伝をするのは時代遅れです。最近の広告は、より独創性に富んでいて、消費者もより相続力があふれる宣伝や広告を見ることに期待しています。さて、ここで問題が1つ。消費者が持つ、広告への期待感にどのように応えれば良いでしょうか?

消費者の期待に応えるためのケーススタディとして、素晴らしい出来栄えの広告を30点ほど集めてみました。参考となる広告と共に、そこから得られるアイデアの着眼点とデザインのヒントをご紹介していきます。

あなたがまだ習得していない広告のテクニックを知りたい場合、実際にあなたが広告を作成している場合にも役立つ、30点の素晴らしい広告とそのヒントを順に見ていきましょう。

01. シンプルにする

私たち、ウェブデザイナーの多くが広告を作成する時、製品やその機能、その製品を消費者が購入すべきポイントを、誇張して描いてしまいがちです。大げさな表現をしてしまうと、広告の「価値」を間違いなく下げてしまうか、よりシンプルなデザインの他の広告に消費者の関心が移ってしまいます。

下に表示されている、Legoの広告を参照してみましょう。このLegoの広告は、1つの画像とアイデアにのみ焦点を当てることで、ブランドや製品の本質的な特徴を表現しています。コピーはなく、簡単で分かりやすいメッセージが画像で表現されていますね。この広告は「想像力」という複雑な概念を最もシンプルな形で表現しているのです。

よりシンプルで一般的なアイデアを、もっとシンプルな方法を用いて取り入れることは、効果的な広告を作成できるだけではなく、幅広い消費者に製品をアピールできる大きなチャンスとなります。この広告の直接的なターゲット層は、幼い頃にLegoで遊んだことがあり、なおかつ、Legoのブロックでさまざまな物の形を造ったことのある想像力が豊かな人たちです。言うまでもなく、子供の頃にLegoで遊んだ大人は多くいるので、本当に巨大なターゲット市場です。そのため、広告に盛り込むメッセージとデザインをシンプルに作り上げることが、製品に見合った素敵な広告を作る最良の方法になっているのです。

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Image: Lego by Blattner Brunner

02.Call To Actionを盛り込む

Call To Action(行動喚起:消費者などに行動を促すものを指す)は、プロモーションデザイン、特に広告で多く使用されます。あなたがまだCall To Actionに馴染みがないかもしれないので、少し説明しますね。Call To Actionとは、消費者の行動を促す、もしくは消費者の行動を促進するためのコピーの1つです。「今すぐ購入!」「在庫限り!」といったCall To Actionであれば、あなたも耳にしたことがあるでしょう。

しっかりと広告のアイデアを構築し、巧みな手法を用いてCall To Actionを広告に盛り込んだのであれば、特に効果が得られるでしょう。参考として、Monarto Zooの広告に使用されている多目的のCall To Actionを見てみましょう。この広告では、単純に消費者が動物園に遊びに来るように促しているだけでなく、横断歩道のイメージが何を意味しているのかも説明されています(注*この場合、同音異義語のzebra=シマウマとzebra (zone)=横断歩道をかけている。)。

このCall To Actionは、目の付け所の良いグラフィック要素とコンセプトにより成り立っていて、シンプルでいて直接的。さらに、それらがこの広告デザインの中心になっています。他の多くの広告は、Call To Actionのヒエラルキー(階層)を下げてしまっていることがあります。その結果、小さく表示されていたり、サブリミナル効果を狙ったりしたかのようなCall To Actionを盛り込んだ広告になっているのです。しかし、あなたが打ち出したいCall To Actionが広告の主要なメッセージの1つだとしたら、大きく、大胆に、またデザインの最前面に押し出すことを恐れないようにしましょう。

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Image: Monarto Zoo by Showpony Advertising

03.ニッチなデザインにしてみる

他のデザインと同様に、あなたは特定の消費者グループをターゲットにしたデザインを作成しているのです。ターゲットとなる消費者グループを、あなたの広告で表現してしまいましょう。そうすることで、彼らに直接話しかけているサインを送ることができるのです。ターゲット層に直接的に話しかけることが良いとはいえ、ターゲットとなる市場が非常に大きい場合はどうしたら良いのでしょうか?

たとえば、カミソリのメーカーのWilkinson Swordのターゲット市場は非常に大規模です。3枚にわたる広告キャンペーンを使用して、Wilkinson Swordはさまざまな消費者に自社製品をアピールできるように凝った広告デザインを作り上げています。いろいろな顔の特徴や髪型の人をデザイン全体に表示することで、この広告が非常に幅広い消費者を製品のターゲットにしていることを表現しているのです。

1つではなく3つの広告キャンペーンを用いることで、Wilkinson Swordは確かで巧みなコンセプトをフルに活用しています。市場ターゲットの観点から見ると、この広告でさまざまな顔や髪型のジャンルを表現することで、さらに幅広い市場へと商品展開を図っています。手短に言うと、Wilkinson Swordは特定のグループの消費者だけではなく、カリソリユーザー全体に自社製品をアピールしているのです。

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Image: Wilkinson Sword by JWT, London, United Kingdom

04. 視覚的メタファーを使用する

アドバゲーム(広告とゲームからの造語で、マーケティングの新しい手法のこと)の強力な手法の1つに、視覚的メタファー(隠喩)があります。文字で書かれたメタファーと同じように、視覚的メタファーは、他の(しばしば無関係な)コンセプトと比較することで、1つのコンセプトを表現します。この説明では混乱してしまいますか?では、参考例としてElter Drugsの広告を見てみましょう。

この広告は、洗っていないアーティチョークを手りゅう弾として見立てることで、食品由来の疾病について消費者に警告しています。視覚的メタファーを使用することで、Elter Drugsは、デリケートな表現を用いることなく、食品の安全性とElter Drugsが展開する、胃腸と抗生物質療法の分野に関する強いメッセージを表現しています。

あなたが視覚的メタファーをデザインに盛り込みたいと考えているのであれば、消費者がその広告を見た瞬間にあなたが意図するメタファーを理解できると言い切れるようになるまでデザインを作り込みましょう。デザインを作り込むことに時間を掛けることは、あなたのデザインを見た誰かに「全く意味が分からない」と言われるよりも大して辛くはないはずです。巧妙で粋でありつつ、はっきりと明確な視覚的メタファーを作り上げられるまで作業を続けましょう。視覚的メタファーを作ることは簡単だと思いますか?実のところ、あまり簡単ではありません。それに見合った価値があると思いますか?――ほとんどの場合、苦労を重ねる価値はあります。

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Image: Elter Drugs by AW Nazca Saatchi & Saatchi, Caracas, Venezuela

5.隠れた視覚的な関連性を見つける

必ず成功する絶妙な広告を作成する方法は、製品やサービスにまつわる隠れた視覚的な関連性を見つけることです。無理を言っているように聞こえるでしょうが、視覚的な関連性を見つけ、それを巧く活かした参考例を見てみましょう。

これはオンラインのマッチングサービスを手がけるParship.comの広告で、ジッパーで男性と女性を意味するピクトグラム(視覚記号の1つのこと)が結ばれていくことを表現しています。この広告をよく見てみると、デザイナーは男性と女性(ここでは、お手洗いでよく見られるピクトグラム)を表現する記号と、2つのものを結びつけるというアイデア(ここではジッパー)を表現するビジュアル要素に着目し、そこからアイデアを引き出しているようです。

隠された視覚的な関連性を見つけることは、ユニークな方法であなたの製品やサービスを宣伝することにつながります。まず、あなたが広告を通じて伝えたいメッセージを表現しているような形、線や輪郭を見つけ出しましょう。その上で、あなたが意図するメッセージとメッセージを視覚的に表現する方法をまとめましょう。

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Image: Parship by Euro Rscg Vienna

06.象徴的な図とアイデアを利用する

多くの人がよく知っている分野、人、アイデア、オブジェクトやコンセプトには、ある一定のアイコン(象徴となるモノや人)があるものです。新しい意味を作り出すために、アドバタイザー(広告主)は、彼らの広告でこのような象徴的な要素を大きく取り上げることがあります。

たとえばSamsungの広告では、「ひまわり」を描いた有名な画家のVincent Van Goghを表現しています。色、Van Goghらしさ、絵の具、パイプやヒマワリといった要素を盛り込み、消費者が瞬時に意味を理解できるように多くの象徴的で視覚的なヒントを表現しています。さらに、消費者がVan Goghを瞬時に認識できるようにするために「For self-portraits. Not selfies.(セルフィーではなく、自画像)」と書かれた広告のタグラインのメッセージを強調しています。Van Goghを知っている人は、彼が熱心に肖像画を描き続けた画家だという事実も知っていますからね。

象徴的な人やコンセプトを用いて、新しくて面白い独特の感性をデザインに取り入れることで、このデザインは消費者間での「内輪ネタ」を作り出すだけではなく、製品に文化的なエッセンスを少し加えることもできます。そのため、文化的な表現をして話題作りをしてみましょう。象徴的なアイデアやコンセプトを使用したり、それに新しい意味や解釈を加えたりすることに恐れずに挑戦してみましょう。

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Image: Samsung by Leo Burnett Switzerland

07.意図的にスケールを使用する

デザインの基本要素の1つにスケール(縮尺)があります。特定のオブジェクトのサイズを拡大・縮小することにより、さまざまな効果を自然に作り出すことができます。そのため、スケールを用いることは、広告作成の分野でも重要なテクニックです。

文房具メーカーのStaedtlerの広告を見てみましょう。この広告でStaedtlerは、スケールの機能をフルに活用しています。まず、鉛筆がかなり拡大されていますね。デザインの中心部にある鉛筆の芯には緻密に削り出された大聖堂があります。一方で、非常に小さく表示されているテキストがあるので、消費者にこの広告をよりじっくりと見るように促しているだけではなく「big things starting small(大きな物事も小さな積み重ねから成っている)」というメッセージを強調しているのです。

そのため、あなたのデザインにスケールを用いて遊び心を加えてみることは、強いメッセージを作り出すだけではなく、素晴らしい見た目も作り出すことができるのです。アイテムを拡大することでドラマを作り出したり、デザインの詳細に焦点を絞ったり。反対に、他のデザイン要素を縮小し、より入り組んでいて精巧に見えるデザインにしても良いでしょう。

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Staedtler by Leo Burnett

08.誇張表現を恐れない

理に適った使い方をしたのであれば、誇張は広告にとって素晴らしいツールになります。製品の趣旨から踏み外さないように慎重に何かを暗示し、広告に面白さとインパクトを盛り込みつつ、それでいて消費者に誤解を与えない方法が1つあります。それは、デザインにちょっとした誇大表現を取り入れることです。

Raidの虫よけスプレーの広告では、ロシア人作曲家のRimsky-Korsakovの「The Bumblebee of Flight of Bumblebee(熊蜂の飛行)」の音符をこの虫よけスプレーが「駆除した」と表現しています。そのため、Raidは音楽的な解釈も含めた「虫」と名のつく全ての虫を1匹残らず駆除できるほど強力だということを暗示しています。もちろん、この表現は滑稽で明らかに事実ではないと分かります。そのため、面白く風刺的な表現をした広告ですが、消費者の目を欺いている訳でも誤解を招く表現にもなっていません。

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Image: Raid by Draft FCB

09.ほんの少しシュールさを醸し出す

あなたが伝えたいメッセージを完璧な状態にするために、奇妙で非現実的で不可能な印象を広告に作り込むために、恐れることなく画像に少し手を加えてみましょう。

このIkeaの組み立てサービスの広告は、「不可能だ」と有名な3Dの三角形のイラストである「ペンローズの三角形」からインスピレーションを得ています。Ikeaは、自社の製品に対する消費者のイメージを巧みに汲み取り、ペンローズの三角形の理論を利用することで「難しさ」や「複雑さ」といったコンセプトを表現しています。そうすることで、難しいと消費者からの評判が芳しくない自社のフラットパック(平箱梱包)家具の組み立てを自虐的に表現しているのです。

ペンローズの三角形の代表的な形と同様、このデザインの見た目も素敵ですね。また、非常に巧みな方法でIkeaのメッセージを映し出しています。巧みな方法とは、シンプルであるものの不可能で非現実的、かつ独特なデザインの切り口を、ごく普通の日常空間を切り取るようなカジュアルな方法を用いて表現していることです。

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Image: Ikea by DDB Tribal

10. 多くは語らず、見せること

多くのデザイン専門学校では「show, don’t tell(多くは語らず、見せること)」という原則を教えています。これは、イラストや画像で表現できるのであれば、その説明を一切しないということ。広告に関してもこの原則は例外ではありません。

Curtis Teaの広告では、製品の説明をするのではなく、嗅覚や味覚といった感覚を視覚化しています。シンプルに「オレンジとチョコレートの風味を堪能できる紅茶です」といったコピーを載せることもできたはずです。しかし、そのようなコピーを載せる代わりに、オレンジをティーポットに見立てることで、この紅茶のフレーバーが何なのかを表現しています。

あなたが自社の広告をデザインしている場合、おそらく、自社製品に非常によく似た他の企業/ブランドの製品の広告が、既に数多く世間に出回っていると念頭に置いていることでしょう。さらにそれらの広告には、同じようなフレーズが掲載されているということも。他の企業と同じような広告を作成しないためにも、言葉で製品を表現するのを止めてみましょう。より鮮明に消費者の記憶に残る広告を作るためにも、製品の特長やアイデアを表現するチャンスを活かしましょう。

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Image: Curtis by Catzwolf

11.インタラクティブな広告にする

消費者にとって意味があるように広告はデザインされるものです。その考え方を活かして、消費者を広告の意味づくりのプロセスに参加させましょう。その際には、あなたの広告を見る消費者が広告とどのようなインタラクティブ(やりとり)ができるのかを考えてみましょう。消費者が広告に何かを追加したり、何らかの方法を用いてより深い意味を引き出したり……いろいろ方法はありますね。

Berrge Tattooの求人募集の広告を参考に見てみましょう。この広告は、求人に応募するためにまずQRコードを輪郭に沿って黒く塗りつぶす必要があるため、この広告を見た人や消費者の関心をすぐに集めることができます。これは、Berrge Tattoが経験不足の応募者をふるいにかけられるだけでなく、Berrge Tattooというブランドの、細部にまで気を配る姿勢を表現することにも一役買っています。インタラクティブな方法で一石二鳥を成し遂げているのです。

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Image: Berrge Tattoo by BÜRO

12.短く・エッジが効いたコピーにする

広告が世間に出回り始めた頃は、製品・機能・どこで入手ができるのかといった説明の集合体、つまり、コピーだけの広告が主流でした。しかし時代は変わり、実際の製品の供給・寿命や広告の鮮度などといったスパンは短くなり、時間という概念もより重要になっています。現在では、短く・エッジの効いたコピーこそが素晴らしいのです。

本当に素晴らしい出来の広告コピーであれば他のデザイナーや消費者から鼻であしらわれることはないでしょう。特に強力なビジュアル要素が添えられている場合、超短文でシンプルな広告コピーが最も効果的になることもあるのです。

Land Roverの広告は、「MORE PULL」のわずか2単語のコピーと非常に強力なビジュアル要素を使用して、消費者の視線を釘づけにし、絶妙でスマートな広告を作成しています。Land Roverは、車が持つ数多くの機能の中から1つの機能にのみデザインの焦点を当て、十分な迫力を表現しているのです。

広告のデザインをする時は、消費者が覚えやすく理解しやすくするために、短く、エッジの効いたコピーにすることが良いと覚えておきましょう。そうすることで、消費者が広告デザイン全体にざっと目を通した時でも、あなたからのメッセージも瞬時に読みとれるようになります。そのためにも、メッセージは分かりやすくしましょう。

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Image: Land Rover by Rees Bradley Hepburn

13.認識しやすい記号を使用する

私たちは日常生活の中でアプリのアイコン、ボタン、道路標識、絵文字といった何千もの記号を使用したり目にしたりしています。そのため、記号を使用することで素早くデザインの意味づけが可能になるのです(どのような言語でも同じことが言えます!)。

ここではCapacitateの広告を参照してみましょう。この広告では、地図上で事業所を表示する際に使用される位置情報の記号をベースに、オリジナルのデザインを作り出しています。この記号の意味を紐解いていくにつれ、強いビジュアル効果も併せて作り上げられていきます。それだけではなく、オンラインマップやその技術を活用する現代テクノロジーに精通した専門家がいる市場にアピールすることにも役立つのです。

力強く、消費者が瞬時に理解でき、また、あらゆる状況や目的に対応するメッセージを作成するために、広告に記号を使用してみましょう。この広告のように、下部が尖った円といったシンプルな形を見るだけで、瞬く間に位置や場所に関する情報だと私たちも理解できることに驚きますよね。簡単な方法です。記号を積極的に用いてみましょう!

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Image: Capacitate by Koenig & Partners

14.目の錯覚を活用する

あなたの企業/ブランドのメッセージに合っているのであれば、目の錯覚(錯視)を使用することで、消費者の心を奪うことができ、また、記憶に残る効果を作り出すことができます。特に錯視を利用したデザインの多くは、デザインを凝視する必要があります。内容を消費者にしっかりと見てもらうことこそ、広告の最高の目標ですからね。

にきび治療ブランドのOxyの広告は、「広告の中の製品の画像を20秒間凝視してください」と記載しています。20秒間製品を凝視していると、その周囲にある薄い赤色の点が消えていくように見えることから、にきび治療の効果を広告で再現しているのです。この広告の優れた点は、この魔法のような現象を見るために、消費者は製品を20秒間凝視しなければならないこと。そのため、にきびを模した赤色の点が消える、厳密には錯視が引き起こす魔法とブランドとの関連性を強く表現しているのです。

錯視についていろいろと調べ、あなたの広告媒体やメッセージに使用できそうなものを見つけてみましょう。その上で、消費者の心を奪うような魅力的な錯視のデザインを作り上げてみましょう。そうすることで、あなたのメッセージを強調することができるはずです。

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Image: Oxy by Ogilvy

15.意図的な色を使用する

全てのデザインにおいて「色」は非常に強力なツールです。特に広告ではそれが顕著です。特定の配色にしたり、一場面を色で表現したり、ある感情を心に呼び起こしたり、もしくは色をモチーフとして使用することも可能です。

フランスの歯科医院のCenter Dentaire Paris Loftの広告のシリーズでは、一般的には黄色のオブジェクトを真珠のように光沢のある白色で表現し「We don’t like yellow(黄色じゃイヤだ)」というタグラインを付けています。色をデザインのモチーフにしているのです。この本来の色とは「違った」色を使用することで、消費者にかなりの不快感を与えます。とはいえ、非常に強いメッセージなので、かなりの注目を集めることは言うまでもありません。

色をモチーフとして扱い、デザインに活かしてみましょう。その際は、広告を見た消費者の好奇心をそそったり、不快感を与えたり、単純に目を引きやすくしたり。明確な意図と目的をもって使用する色を選びましょう。

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Image: Parisloft by Michel Lavoie

16ホワイトスペースを機能させる

ホワイトスペースはデザインにおいて非常に便利なツールで、デザインに「一呼吸の落ち着きをいれる」という役割を果たしてくれ、また、デザインをスッキリときれいに整理してくれます。とはいえ、ホワイトスペースは単なる美的感覚を作り出すためのツールではありません。広告の重要なメッセージの意味を作り上げることに役立つ、機能的なツールでもあるのです。

ここでは参考例として、Kit Katの広告を見てみましょう。ホワイトスペースを用いることで、デザインのメインの画像に消費者の関心を向けていますね。この広告でのホワイトスペースは、静けさ・リラックス感といったブレーク(休憩)の概念を表現する役割を果たしています。散らかったようなデザイン要素・ごちゃごちゃとした色づかい・大きく大胆な文字は一切ありません。ホワイトスペースがこの広告のメッセージにふさわしい平和で穏やかな雰囲気を作り出しているのです。

ホワイトスペースを活かすデザインを作成する際、挑戦し始めてから数回はかなり戸惑うことに遭遇するでしょう。色・文字・大きめのデザイン要素などでデザインを構成したいと思ってしまうかもしれません。ですが、そこは我慢して慣れましょう。広告を通じて伝えたいメッセージをホワイトスペースが消費者に向けて語るようにし、その邪魔をしないように無駄な要素がないシンプルなデザインを作ることを心がけましょう。あなたが伝えたいメッセージを消費者に確実に伝えられる、ホワイトスペースを含むデザインを作り出しましょう。時に、より少ないことはより豊かになるものです。

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Image: Kit Kat by JWT

17.動きを作る

製品の良さを十分に引き出すために、スピード、機敏性、動きを表現したいと思いつつ、プリント広告のような2Dの広告媒体でそれをどのように表現するのかよく分らない、と思っていませんか?広告に巧く動きを取り入れている参考例を見てみましょう。

「動き」と「その動きの1コマを切り取った瞬間」の2つを組み合わせたAjaxのウェットティッシュの広告を参照してみましょう。紙コップからこぼれ落ちるピンク色の液体が、ちょうど真ん中あたりでキレイにふき取られたかのように上下で鮮明なコントラストを作り出しています。モーションライン、ハイライト、シャドウを使用することで、この2つの対照的な形を表現し、それぞれの動きを作り出しているのです。

広告に動きを取り入れてみると、2Dの広告媒体といったフラットメディアでもダイナミックなデザインを作成しやすくなり、スピードや動きを表現しやすくなります。そのため、あなたの製品がどれほど俊敏でスピード感があるのかを表現したい場合、形・シェーディング・モーションラインを使用してダイナミックな効果を作り出すと良いでしょう。

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Image: Ajax by Y&R

18.新しい伝え方を考えてみる

特定の製品のマーケティングをしている場合、既に市場に出回っている他の製品と非常によく似たメッセージを使用して宣伝しようとしている可能性が多々あります。そのため、まだ誰も使っていない新しい方法を用いて、メッセージを作り上げて宣伝しましょう。

Extra Gumの広告は、歯に良いチューイングガムという昔からよく見られるメッセージを使用していますが、巧みで斬新な方法を用いて、それを表現しています。影、チューイングガムの並べ方や構図を利用し、Extraは歯に良いチューイングガムというメッセージを打ち出していますが、絶妙で新しい表現をしていますね。――言うまでもなく、ガムとその影とで歯ブラシの形を作り出しています。

既に「使用された」ことのあるアイデアを用いて製品の宣伝をしようとしている場合、他の企業/ブランドが用いた手法を真似することだけは避けましょう。あなたが伝えたい製品のメッセージを表現できる新しい方法を考え、その方法と製品との関連性を見つけ、メッセージの新しい伝え方を作り込んでいきましょう。

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Image: Extra by BBDO Dusseldorf

19.オリジナルのタイプを作成する

私たちは皆「言葉」というものがどれほどの力を持っているのか知っています。ですので、広告においてタイポグラフィも重要です。とはいえ、タイポグラフィはコンピューター上のフォントのみに限定されるわけではないことに注意しましょう。オリジナルのタイプを自らの手で作り上げることで、人間味が溢れる雰囲気をデザインに加えることができます。さらに、他の広告の中であなたの広告をより目立たせる要素になり得るのです。

Nutellaの広告を参考に見てみましょう。この広告は、上手にタイプを表現しています。子供が書いたようなオリジナルのタイプを用いることで、Nutellaというブランドの遊び心を広告に映し出し、消費者の目を引く、とても面白い効果を作り出しています。それだけではなく、コピー自体もとても効果的です。ほんの少しのリバースサイコロジー(意図的に本心と逆のことを言って特定の行動を促進させること)を活用することで、大きな効果を生んでいますね。

あなた独自のタイプを作ってみましょう。手書きであったり、製品を利用して作り上げた文字であったり、他の方法を用いて作った文字であったり。あなた独自の力強い主張を表現したタイプを作ることは、あなたにとっても記憶や個人的な思い入れが残り、非常に有益なものになるでしょう。

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Image: Nutella by Tim Smith

20.遊び心がある広告にする

多くのデザインが消費者の関心を瞬時に集めようとしたり、本物のように見えるデザインで紙の広告であることを消費者に忘れさせようとしていたり……といったことにチャレンジしています。しかし、あなたの広告が紙でできているという事実に焦点を当てた広告を作成するのはどうでしょうか?

アイスクリームのメーカーのKibonの広告を参考に見てみましょう。アイスクリームに関連した2つのテクスチャ(アイスクリームとコーン)を使用することで、非常に巧く紙媒体の広告が持つ利点を活用しています。紙の端を丸めるデザインを盛り込むことで、コーンの形を作っていますね。遊び心があり、シンプルながらも非常に賢さが光るデザインです。この広告デザインを見て、多くのデザイナーがこう思ったはずです。「なぜこのアイデアを思いつかなかったんだ?」と。

フラットメディアに奥行きや密度を与えるようなデザインを盛り込む際は、あなたの広告に消費者の注目が集まることに不安感を持たないようにしましょう。遊び心を存分に発揮し、シンプルかつ楽しい広告を作成しましょう。

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Image: Kibon by Renata El Dib

21.リーディングラインを使用する

あなたが一番最近に見た図形を思い出してください。その図形はどのように配置されていましたか?その図形には線や矢印といったものが特定の方向や特定の物を指していて、それを説明していたのではないでしょうか?――このような手法をリーディングラインと呼びます。

日常生活の中で何かを指し示したり、画像上に矢印を描くことで何を指し示しているのかを第3者に分かりやすくしたり。広告でもリーディングラインを使用することは、注目してもらいたい個所に、消費者の視線を誘導できる素晴らしい方法として活用されています。

参考として、Celcom Broadbandの広告を見てみましょう。この広告には、製品の画像から企業のロゴやタグラインに消費者の注意を向けたり、目線を移動させたりする、強いリーディングラインが盛り込まれています。非常に強力なリーディングラインを作り出すために、シャープなコントラストとヒエラルキーを使用していますね。デザインの下部には要素が積み重なっているので、まず消費者の視線は広告デザインの下に集まります。次第にデザインの中央で真っ直ぐに上へと伸びているリーディングラインに沿って、製品の画像があるデザイン上部へと視線が移ります。その後、デザイン全体を見るように視線が移動していくのです。

消費者に100%の確率で、あなたのデザインの重要な要素の全てに目を通してほしいのであれば、A点からB点へと消費者の視線を誘導するリーディングラインや図形を用いると良いでしょう。

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Image: Celcom by M&C Saatchi

22.消費者の感情的な反応を作り出す

消費者の特定の感情に訴えかけられるように、広告には多くの要素が盛り込まれています。今このコラムを読んでいるあなたも広告を見て笑ったり、悲しく思ったり、微笑んだりしたことがあると思います。デザインの中に、私たちの反応を生み出す数えきれないほど小さな要素が、積み上げられていることに気付くこともなく。消費者の感傷的な感情を引き起こしたり、感情を揺さぶったりするような広告を見てみましょう。そして、どのようにそれらの感情を引き起こすのかも併せて見ていきましょう。

Unicefの広告は、1人の小さな子供がアパレルショップのマネキンに家族を追い求めているといった消費者の感情に、訴えかける画像を使用しています。この画像が、消費者の感情に訴えかけるメッセージとなっているのです。それだけでなく、手書きのタイプをデザインに盛り込むことで、消費者の感情に訴えかけることをさらに助長しています。明らかに子供が書いたであろう走り書きのような文字と絵を使用することで、このメッセージがUnicefという団体からではなく、子供から消費者の手元に直接的に届いたかのように見えるのです。

あなたのメッセージがどのように消費者の目に映るのか、消費者の感情的な反応を引き起こす効果を高めるためにどのような微調整ができるのか、また消費者から得られるであろう反応を正確に把握する方法について考えてみましょう。幸福感・ユーモア・焦燥感など……どの感情を消費者に訴えかけたいのかに関わらず、画像、メッセージやタイプを使用して、消費者の感情を生み出す方向性でデザインを作り込みましょう。

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Image: Unicef by Lowe Digitel

23.繰り返しとパターンを利用する

デザイン要素などを繰り返して表現することは、デザインの世界では強力なツールとなります。また、広告においては特にそれが顕著です。アイテムや記号といったパターンを作成し、何らかの方法を用いて一部だけそのパターンを壊したり調整したりしてみましょう。そうすることで、広告デザイン内に動きや意味づけを作り込むことができるのです。

文房具メーカーのLuxorの広告を参考に見てみましょう。この広告では、ことわざの「finding a needle in a haystack(無駄骨を折る)」の中から「hay」をパターンとして使用することで巧みに言葉遊びをしています。広告内に1つだけ書かれた「Needle(針)」という単語を黄色で強調することで、消費者の注意を引き、色で意味を作り出しているのです。(注*たくさんのhayの中でたった1つのneedleを見つけることは骨が折れる。しかし、マーカーで色づけしておけば簡単に見つかる、という意味)

パターンは素晴らしい美的な要素であることに間違いはありません。しかし、メッセージを消費者に伝える場合においては、何らかの形で意図的に一部だけを壊したパターンこそが最高のデザイン要素になるのです。デザイン要素を繰り返すことでパターンを作成し、それを何らかの方法で壊したり、間違い探しのようにパターンの一部を違うものに変えてみたり、一部を切り取ってみたり、一部分だけを強調してみたりしましょう。強いメッセージをデザインに作り込むために、パターンにユニークなエッセンスを加えてみましょう。

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Image: Luxor

24.タイプを活かしてクリエイティブにする

あなたが輝かせたいと思っている、巧妙でシャープなコピーがありますか?そのようなコピーがある場合、次のプロセスに進みましょう。しかし、賢さが光るタイポグラフィのデザインにすることを諦めたり、うっかり忘れたりしないように注意しましょう。少し前のチャプターで、手書きの文字を作成するアイデアに触れましたが、グラフィック要素やデジタルタイプの微調整を図ることも、手書きの文字と同様に効果があります。あなたが手書き文字に強いこだわりがなければ……のハナシですが。

ここではTrissの広告を例に挙げてみましょう。さり気ない表現ですが、黄色の背景を削ったかのようなグラフィックが、スクラッチやウィンカード(日本の宝くじのようなもの。スクラッチと同様にコインでカードを削り、その場で当選か否かを知ることができるカード版の宝くじのこと)を消費者に思い出させ、また、絶妙なコピーを使用することでデザインを最高の出来栄えにしています。使用されているタイプは均一で、2つのメッセージを区別するために、書体の太さを少し控えめにするといった微調整が施されています。(注*ここでの「2つのメッセージ」とは、グラフィック効果を除いた”My old car is totally worn out.(古い車がダメになりそうだ)”と、グラフィック部分の”g”と”d”を含めた”My gold card is totally worn out.(ゴールドカードがすり減りそうだ)”を指す)

このデザインはシンプルなグラフィック要素を使用し、また、タイプの調整をすることで、ブランドに直接関連する非常に巧みなメッセージを作り出しています。グラフィックの意味を補うためにタイプを使用する広告を見かけることが多々ありますが、躊躇わずにタイプの意味を補うためにグラフィックを使用してみましょう。

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Image: Triss by King

25.太字を使用して大胆なメッセージを作成する

「壮大なコピーを作成する」ことは、多くの消費者の関心を引き付ける素晴らしい方法です。そのため、広告デザインをしているあなた自身の信念を貫くためにも壮大なコピーを作成する時は、タイプに大きな太字を適用しましょう。

Daihatsuの広告は、太字のタイプ、大胆なコピー、またヒエラルキーを使用することで消費者の関心を引いています。このタイプは、このデザインにおいてヒエラルキーのトップにあるため(書体の大きさと太さのおかげによるもの)、消費者の関心をより引き付けています。つまり、消費者が広告の中でコピーを一番初めに読むということ。コピーの中に作り込まれているメッセージにユーモアがあれば、消費者は画像もじっくりと見てくれます。

あなたが消費者に伝えたい何かがある場合、タイプは大きい太字にし、デザインの一番上に配置しましょう。加えて、他のデザイン要素は少し小さくして、消費者にしっかりと明確にあなたのメッセージが伝わるようにしましょう。

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Image: Daihatsu

26.消費者にデザインの意味を推測させる

ユーモアや巧妙なアプローチを使用した広告を作成する時、不安になり「もし、この意味を消費者が理解してくれなかったらどうしよう?」と思い悩むことはいたって普通のことです。しかし、広告を見る消費者のことを信じ、過度に消費者に情報を与えることを避け、あなたが意図することを消費者に推測させ、デザインの空白に思い巡らせるようにしてみましょう。

ここではHeinz Hot Ketchupの広告を参考に見てみましょう。この広告では、消費者が広告の中にある細かい情報のピースを繋いでいき、どのような出来事がこの画像にリンクしているのかを推理するように促しています。もちろん、製品名やここで何があったのかを明かす前に。多くの広告と同様に、広告の下部に商品のロゴと画像が配置されているので、この商品のロゴと画像を見ることで消費者は製品の特性を活かした冗談だと分かるのです。

「汗をかいてしまうほど辛いソース」というようなコピーや説明的な文章はないことに注視してみましょう。この広告の「メッセージの答えを読み解く」という部分は消費者に完全にゆだねられています。広告とは、うまい冗談を言うことだと考えてみることも良いでしょう。もし、その冗談が巧妙で製品の特長と強い結び付きがあるのであれば、余分な説明は要らないのです。

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Image: Heinz by Shalmor Avnon Amichay / Young & Rubicam

27.ネガティブスペースを活用する

「ネガティブ」という名前の響きにだまされないようにしてください。ネガティブスペースはデザインプロセスにおいて非常にポジティブなものです。ネガティブスペースというものに馴染のない方もいるかと思うので少し説明しますね。ネガティブスペースとは、画像、エリアや形の周囲にあるスペースのことで、デザインの中心との「媒介」になるものを指します。このネガティブスペースは、ロゴデザインやポスターデザインに多く使用されていて、有効に使えることから広告でも広く使用されています。

IBMが自社の広告で、どれほど巧みにネガティブスペースを使用したのかを確認してみましょう。 この広告では、にわとりと女性の顔のイラストを同時に表現し「tasting fresh food(新鮮な食べ物を食べよう)」というメインメッセージを完全に表現しています。

一見、ネガティブスペースを習得するのは難しいように見えます。実際に、初心者にとっては非常に難しいものです。しかし、ブランドやメッセージに関するオブジェクトやコンセプトからさまざまなアイデアを引き出すことで、ネガティブスペースを巧みに活かしたデザインを作ることができます。オブジェクトとコンセプトを形として考えてみましょう。頭に浮かんだオブジェクトとコンセプトの形は何と上手に組み合わせることができるでしょうか?この難しい部分(あなたのデザインを理解するということ)をクリアしたら、このIBMの広告のように、コントラストを活かした配色を施してみましょう。そうすることで、エッジが効いていて明確な効果を作り出せるはずです。

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Image: IBM by Ogilvy

28.消費者の関心を引き、ジッと広告を見させる

「hidden in plain sight(隠れているように見えるけれど、実際には直ぐに見つかるもの)」という言葉を聞いた言葉がありますか?意味を理解するために、消費者が二度見をしてしまうような画像を作成することで、あなたのデザインに「hidden in plain sight」を表現するアイデアを盛り込んでみましょう。

オーラルケアブランドのColgateの広告は、この「hidden in plain sight」のアイデアを活かし、遊び心をデザインに加え、さらに、ブランドの長所を活かしています。まず、下に表示されている3つの画像を見てみましょう。この3つの画像で男性の歯以外に何かおかしな点があることに気が付きましたか?たとえば、一番上の画像の女性には指が6本あります。2番目の画像には誰の手なのか分からない手が男性の肩を抱き寄せていますね。さらに一番下の画像の男性は片耳がありません。

Colgateは、このアイデアを使用することで、汚い歯がどれだけ人の集中力を散漫にさせるのかというベタな指摘をしています。実際のところColgateとしては、この広告を見た消費者に二度見をしてでも、しっかりと理解してほしいというメッセージを伝えようとしています。「hidden in plain sight」を使用し、消費者に広告を二度見させ、何を見逃してしまったのかを彼らに考えてもらえるようなデザインを作ることを考えてみると良いでしょう。

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Image: Colgate by Y&R

29.画像に語らせる

最高の出来のコピーライティングはもちろん効果的です。しかし、強力な見た目のデザイン要素がある場合、タイプをデザインに盛り込む必要性は多々なくなるものです。

柔軟剤のLenorの広告を見てみましょう。シンプルで強力、さらに巧妙なビジュアル要素があるデザインは、コピーを敢えて付け加える必要がないと示していますね。この広告の構図は、消費者がデザインの焦点へ最初に目を向けるように促しています。ここでは、まず消費者の視点は、水に入った部分からテディベアへと変化しているクマに。そして、広告の下部にある製品の画像に目が移動します。このような手法を用いることで、画像自身に製品の特長を語らせているのです。

いろいろな意味で、この手法はミニマリズムの考え方に関連しています。広告の計画を立てている時に「この要素は本当に必要?メッセージの効果を損なうことなく削除することはできる?」と自問自答してみましょう。その答えが「不要。できる」であれば、迷わずに削除しましょう。デザインが壊れてしまうギリギリのラインまでデザイン要素を削除していくと、強力であるにもかかわらず、ゴチャゴチャと散らかった見た目ではない、スッキリとしたデザインができるのです。

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Image: Lenor by Grey

30.タイプに語らせる

タイプが持っている「力」についてこのコラムでも数回触れてきましたが、もう一度、その力について触れておきます。ここでお伝えしたい内容は、「29. 画像に語らせる」の最初に述べたことと真逆のことです。――強力なコピーがある場合、画像を盛り込む必要性は多々なくなるものです。

Seagramの広告は、インパクトがありシンプルで日々の暮らしに焦点を当てたメッセージを作るために、シンプルなタイポグラフィ、強力なコピーとエッジの効いたカラーパレットを使用しています。日々の暮らしに関するメッセージには、メッセージの意味をむやみに強めたり、余計なグラフィックや画像を追加したりする必要はないのです。

ミニマリズムとこのトピックを関連付けるために、もう一度書きます。あなたのデザインに何が必要で何が不要なのかを自問自答し、その答えに応じて、よりシンプルなデザインを作るために不要な要素を削除しましょう。グラフィック、枠線、もしくは端にフリルのついた書体は見栄えの良いものかもしれませんが、これらの要素があなたのメッセージを消費者が理解するために役立つのか、それとも理解の邪魔をしているのか考えてみましょう。

「響きと怒り」などを書いたアメリカ人作家のWilliam Faulknerは、「Kill your darlings(正確には、”In writing you must kill all your darlings.”――作品を書いている時は、一番愛しているものを忘れ去らなければいけない)」という名言を残しています。ここで伝えたいことは、あなたがデザインの特定の要素に縛られている可能性があるということ。例えば、その要素があなたの意図する目的を果たしていない場合や、メッセージの重みを下げてしまっているといった場合。そのような時は迷わずにその要素を削除しましょう。もちろん理論上では簡単ですが、実際に行動に起こすのは難しいです。しかし、これが非常に効果的なのです。

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Image: Seagram by Ogilvy & Mather

まとめ

広告を作成するためのルール、テクニック、方法、アプローチは多岐に渡り、それらの習得や活用をすることに終わりはありません。

デザインに関するルールを熟知し、その上でそれを活用することは、視覚的に魅力的で効果的な広告を作成することに間違いなく役立ちます。広告の有効性と呼ばれるものの多くは、クリエイティブな考え方や「勇気をもち、誰よりも最初に、他人とは違ったことをする」ことにつながるのです。

あなたの製品を見てみましょう。あなたのブランドも見てみましょう。そして、それをいつもとは違った角度から捉えてみましょう。その製品にはどのような新しい見方や捉え方がありましたか?どのような方法を用いて宣伝することができるでしょうか?視覚的メタファーがうまく機能するか、もしくは象徴的なイメージを使用した方が良いのか、それとも記号を使うのか?はたまた、そのうちの2つを併用すると良いでしょうか。

あなたのコンセプトを明確にできたら、デザイン作業に取りかかりましょう。どのような技術的な手法を用いて、そのデザインに妥当性や信憑性を加えることができるでしょうか?ドラマティックなスケーリングや目立つカラーパレットを使用することが良いかもしれませんね。うまく機能するようにさまざまな手法を織り交ぜ、インスピレーションを求めてみましょう。その後は、デザインをめいっぱい楽しんでください。