非営利団体だからこそのSNS活用法。本来業務に費やす時間を作りながらPR領域を拡大!

191106-mondasan3

アフリカのケニアとウガンダを中心に、エイズ孤児の支援を行なっている「エイズ孤児支援 NGO PLAS(プラス)」。2018年にCanva無料版を使い始め、翌2019年にCanva Proプランが利用できる非営利団体プログラムを申請。Canvaを活用しているからこそ出来るSNSでのPR展開とは?

門田 瑠衣子(Monda Ruiko)

1981年熊本県生まれ。2006年、武蔵野女子大学人間関係学部卒。明治学院大学大学院国際学修士課程修了。フィリピンの孤児院や国際協力NGOでのボランティアを経験し、2005年の大学院在学中にケニア共和国で現地NGOでボランティア活動に参加。同年、それをきっかけにエイズ孤児支援NGO・PLASの立ち上げに携わり、同団体事務局長を経て、現在代表理事を務める。特定非営利活動法人国際協力NGOセンター(JANIC)理事。3児の母でもある。

Canvaの第一印象はインターフェイスが使いやすく便利

― NGO PLASでは、どんな活動をしているのですか?

ケニアとウガンダでエイズで親を失ってしまったエイズ孤児の支援をしており、「経済的に自立出来るようになる」「将来のことを考えることが出来るようになる」の2つの視点でプログラムを提供しています。父親をエイズでなくしてしまい、HIVに感染した母親が1人で子どもを育てている家庭が多いため、仕事と育児の両立が大変で仕事に就くことが難しかったり、内定をもらってもHIV感染が原因で取り消しされることがあります。そもそも求人自体もほとんどない地域なので、自分たちでビジネスを始めて自立していくことが必要で。そのため、農業やカフェなどのスモールビジネスを始めるためのノウハウや初期投資を提供し、そこから2〜3年かけて自立して運営出来るようなサポートを行なっています。

191108-NGOPLAS活動

一方、子どもたちは無料で学校に通えるようにはなっているんですけど、進級テストを受けるためにはお金が必要で。途中で中退してしまったり、同じ学年を繰り返したり、最終学年までいけない子が多いのが課題です。「子ども」を支援するには、「子どもを育てる親」を支援することがすごく大切です。親がしっかり自活できるようになることで自信に繋がり、子どもと良いコミュニケーションが取れるようになり、教育費や医療費について母親が自分で考え、自立していくことができるようになります。

191106-plas1

― Canvaを知ったきっかけを教えてください。

Canvaの存在はTwitterの投稿で知りました。「便利そうだな〜」と思ったので、すぐに使い始めました。初めて触ったときに感じた印象は、インターフェイスが使いやすくて便利。当時はベーシックなプランだったんですけど、それでも全然使える機能が多くて。個人メールでとりあえず登録して触ってみて、良いツールだと感じたので団体として正式に使い始めました。

あと、データをクラウド上で簡単に管理出来るのがすごく良くて。PowerPointやillustratorで作ったデータを共有するとなると、Dropbox、メール、チャットなど何かしらのワンクッションが必要になってきます。でもCanvaなら、ログインすれば共有しているメンバーなら誰でも見えるようになっているし、それがすごく便利だな〜って思います。あと、パソコンはもちろん、スマートフォンなどのデバイスからもアクセス出来るのも良いですね。

191106-plas2

リサイズ機能で簡単に最適画像を作成

― どんなデザインを作っていますか?

主に作成しているのはSNS用の画像で、基本的に「WordPress用のアイキャッチ」「Facebook」「Instagramフィード」「Instagramのストーリー」の4つを作っています。Canva Proが使えるようになってからは、ベースとなるデザインを1つ作れば、簡単に他のサイズに自動転換出来る※のでめちゃくちゃ効率的です。リサイズ機能が使えるようになったことで、Instagramにも力を入れるようになりました。例えば現地レポートの投稿では、どんな内容のレポートか分かるよう1枚目にタイトルを入れた画像があり、スワイプした2枚目以降は写真のみを複数枚投稿しています。Instagramのフィード投稿にはリンクが貼れないので、プロフィールのURLからホームページに飛んでもらえるよう誘導しています。ストーリー用の画像も同じデザインをリサイズし、フィード投稿後のお知らせとして活用しています。

FacebookもTwitterも、WordPressのページをシェアしたらサムネイル画像が表示されるよう設定しているのですが、Facebookの投稿にはあえて画像をつけています。というのも、URL投稿と画像投稿を比べた時に、画像投稿のインプレッションが1.2〜1.5倍良かったんです。

※Canva Proのリサイズ機能では、すでに作成したデザインから他のデザインサイズに自動変換することが出来ます。「サイズを変更」で元データのサイズを変更、「コピーとサイズ変更」で元データは残しつつ、新たなデザインサイズを自動で作成することができます。複数サイズに同時作成も可能です。

191106-plas_4sns

また、クラウドファンディング開催時には、日数や金額がどんどん変化していくので、毎日のように数字を書き換えてSNSで発信していました。テンプレートを作っておけば、金額や数字の変更であれば誰で簡単に更新できてしまいます。また、「シェア祭り」というクラウドファンディングのPR企画では、著名な方々から応援コメントと写真をもらって一人一人デザインに反映し、特定のハッシュタグ「#PLASがんばれ」をつけてTwitterやFacebookで投稿しました。その影響もあり、1日で寄付が53万円ほど集まりました。

191106-plas_cf

クラウドファンディング開催時には、オンラインとオフラインのさまざまなデザインをCanvaで作成

191106-charityauction

2019年8月には、スポーツ選手、芸能人、漫画家など、多くの著名な方のご協力で「PLASチャリティオークション」を開催。オークションアイテムを紹介するデザインをテンプレート化し、ハッシュタグ#PLASチャリオクをつけて1人ずつ投稿。

チラシやPOPはもちろん、事業報告書もCanvaで作成

― 印刷物などの活用もあれば教えてください。

募集系のチラシもCanvaで作成しています。先日、大学に特別講師で呼ばれたときには、インターン生募集のチラシを作って配布しました。あと、LINEのアカウントも開設したので、友だち登録を促すPOPを作ってラミネート加工し、イベントブースで設置しました。 さらに今年は、寄付者の方やご協力いただいている企業さんへ提出する年次報告書もCanvaで作ってみようと思っています。これまではデザイナーに作ってもらったり、スタッフがPowerPointで無理やり作っていたのですが、今ちょうど、使えそうなテンプレート候補をを選んでいて、各ページの担当割り振りをしています。PLASを支援してくれている方ってネットリテラシーが高い方が多く、PDFでの受け取りを希望する方が多いんです。なので、9割ぐらいの方にはPDFでお渡しして、1割の方には印刷したものを郵送しています。

191106-plas-paper

Canvaで作成したクラウドファンディングの募集チラシ

多様化するSNSの運営も頻度を落とすことなく更新

― 非営利団体プログラムに切り替え後、変わったことはありますか?

Canvaに登録して1年経ったくらいに、Twitterで非営利団体プログラムの存在を知り申請しました。デザインを簡単にリサイズできる機能が圧倒的に便利ですね!1つのデザインから簡単にリサイズ展開が出来るようになったので、活用するSNSの幅が広がり、Instagramのストーリーズも投稿するようになりました。

これだけ情報のプラットフォームが増えた時代では、団体の認知をどうあげていくかを考えたとき、ホームページだけに情報を集約させるのがそろそろ無理なのかなって感じていて。それぞれが、持っているプラットフォームの中で流れてきた情報を目にしていて、その中から「これだったら信頼できる」というアカウントをフォローしたり、そこから行動することが増えているのかなと感じていて。例えば、PLASで開催したクラウドファンディングでも、75%の寄付がSNSから流れてきているんです。団体のホームページを見て寄付するのではなく、流れてきた投稿から見つけてくれている。Canvaを活用して各媒体に合った出し方を簡単に出来るようになったので、SNSの更新頻度が上がり、その反応が出てきていると思います。

191106-ngoplas_iphone.JPG

Instagramへの投稿は、スマホで画像をダウンロードして投稿

効率化で得られた時間を本質的な活動に充てていく

― 非営利団体がCanvaを使うことでどういう効果がありますか?

私は、本来業務にできる限り集中できる環境を作るのが、すごく大切だと思っていて。PLASでいえば、「エイズ孤児をどう支援していくか」「どんなプログラムが良いのか」「どうやって効率的に寄付を集めていくのか」などが本来業務になります。Canvaは特別な能力がなくても誰でも使えるので、これまでデザイナーにやってもらわなきゃいけなかったことが、ちょっとしたことであれば誰でも出来る。だからこそ、Canvaを活用して業務の効率化や合理化を行い、その時間をより本質的な活動に充てていくべきなのかなと思います。

191106-interview4

ー 今後のCanvaの活用方法を教えてください。

PLASとして、今やっている活動を少しでも多くの子どもたちや家庭に届けていきたいと思っています。そんな私たちの活動は、寄付してくださっている方たちに支えられています。すでに寄付していただいている方には、活動の情報をデザインで分かりやすく提供しながらコミュニケーションを取っていく。そして、新しくPLASを応援したいと思ってくれる方々をどう増やしていくか。その中でCanvaのクリエイティブの力がすごく役に立っていくかなと思っています。

特定非営利活動法人 エイズ孤児支援 NGO PLAS

https://www.plas-aids.org/

デザイン作成の切り札