Paper Goat Postは、様々なイベントの中で自社製品を扱うことにより、ソーシャルメディアなどのコミュニティを通じてビジネスを成長させるための戦略を立てることに成功してきました。
結婚式の招待状でもなければ、どんな招待状もオンラインで送られる時代です。心の通ったコミュニケーションはチャットでも可能になり、贈り物はAmazonから直に届けられるようになりました。こうなると、紙媒体を用いるビジネスは時代遅れのように思えますが、その展望は明るいようです。
それは、大切な人からの手書きの手紙がはるばる、どこからか届くということ、綺麗に包装された贈り物をできるだけ丁寧に開くということ、郵便受けに素晴らしい招待状が入っているときの感動。そういったものが失われたわけではないからです。
Paper Goat Postの共同設立者(更に双子の姉妹)であるMeganとCedarは、「言うなれば”原始メール”に秘められた良さを通じて『一緒であること』を感じさせること、そして祝いのために集まることや何かを送ることの創意工夫を知ってもらうこと」こそ、同社のミッションなのだとしています。
弊社の理念は製品やサービス、ブランドそのものによって広がり、弊社のローカルなコミュニティをより素晴らしいものになっていくのです。
実際のところ、彼女たちの理念と事業計画は、コミュニティを作る上で、そしてそれを通じて事業を成長させる上で、非常に重要な点を抑えています。時代遅れにも思えるマーケティング手法と現代のマーケティング手法が出会い、彼女たちはオフラインだけでなくオンラインでも成功を手にすることができたのです。
MeganとCedarは、自宅の庭での結婚式や豪華なグランドオープンといった様々なイベントに協力し、特別なイベントをどのように飾り付ければ良いかということについて、予期相談役を担ってきました。また、Paper Goat Postスタジオを解放して、パーティやミーティング、何らかのレクチャー開場などにもしたのです。簡単に言えば、およそ素敵なイベントの開催のために必要なもの全てを顧客に提供してきたと言えます。
しかし、ただそういった機会を提供するだけですぐに有名になれたわけではありません。そこには、それなりの秘策があったのです。その中で特に重要だったのが、パーティを開き、友人を作るということでした。以下では、彼女たちが用いていた『他とはちょっと違うコミュニティの形成の仕方』をご紹介しましょう。
Paper Goat Postのようなビジネスは、情熱の賜物であると言えるでしょう。彼女たちにとって重要だったのは、その情熱を共有できる人を見つけることでした。まずは地元のクリエイティブなグループを探し、少しずつ関係性を構築していったのです。
「こちらから相手を迎え入れるというようなことをする必要も無く、地元のコミュニティの中で特にクリエイティブな人たちと繋がることができましたし、同時に彼らが市場における理想的なターゲットであることは間違いありませんでした。こうした関係性を弊社のコミュニティに時間を掛けて少しずつ取り入れていったのです」
こうした関係性もあって、クリエイティブなワークショップのイベントや、同グループ、あるいはその他地元のアーティストたちを対象としたカリグラフィや水彩画、時にはケーキのデコレーションといったような教室開催も行われることとなりました。
こうしたイベントが実現したのは、その他の地元ビジネスとの協力があったからでもあります。
Canvaを使用して、Instagram用のイベント告知デザインを作成しましょう。
クリエイティブなパートナーを持つことで、自社店舗がどういったものを提供できるかということに付加価値が生まれるだけでなく、イベントを一緒にプロモーションしてもらえるようにもなります。これにより、より広いオーディエンスにアピールすることができ、よりニッチ市場での知名度を高めることができるのです。
「私たちは、定期的に地元のクリエイターやメーカー、その他イベントベンダーといった、私たちが素敵だと思える人たちと一緒に色々なことを行っております。そうした関係性は、ときにちょっとした会話から生まれることもありました。こうしたパートナーシップにおけるメリットは、ボトムラインに直接影響を与えるものであり、弊社のお客様も様々な人と繋がりを求めて弊社を利用してくれるようになるのです」
MeganとCedarは、パートナーをできるかぎりプロモーションしていくことにより、こうした関係性は相互にとってメリットになるとしています。
Paper Goat postが取ったクリエイティブなパートナーシップによる更なるリーチを獲得するための戦略に、そのパートナーの製品を期間限定のショップなどで販売するというものもありました。
「期間限定ストアという形で、普段は扱わない商品やサービスを提供することにより、パートナーの商品をまとめて提供する機会を、作ることができました。ロゴやテキストによるパートナーシップのアピールではなく、実際に売られている商品をアピールする方が効果的であるということが分かったのです」
「例えば、Kim Panellaは新進気鋭の地元チョークアーティストで、私たちは彼女の作品を販売したことがありました。他にもMerciBakeryと共に限定ストアをオープンしたこともあります。どちらのケースでもその才能は遺憾なく発揮・周知され、弊社のお客様と直に会う機会を作り出すことにも繋がったのです」
Canvaを使用して、Instagram用のポップアップショップ向け告知のデザインを作成しましょう。
こうした戦略を実践していたとしても、それを人々に知ってもらえなければ意味がありません。そこで重要になってくるのが、オンライン・オフラインにおいて如何にそうしたやり取りに、敏感になれるかということでした。
弊社理念やブランドイメージを早期に伝えながら、全てを明かしすぎないようにすることが大切だったのです。
「例えば、開店の数ヶ月前から、店舗の窓全体に『もうすぐオープン』を知らせる”手紙のような”メッセージを張り出しました。これによりオープンを告知できた他、どういうショップがオープンするのかといったことも分かりやすくなったのです」
このように、顧客に期待させるという戦略は店舗のオープン後も続きました。ソーシャルメディア上で、様々なイベントについて告知を行い、ワクワクの提供を忘れなかったのです。
Canvaを使用して、ディナーパーティーのメニューデザインを作成しましょう。
Paper Goat Postの行ったようなマーケティングにおいては、パーソナリティが必要不可欠です。同ブランドは、そのパーソナリティに捻りを加えるため、”ヤギ”をモチーフにしました。
「私たちは幼い頃からヤギが大好きだったのです。8際の頃に家族で旅行に行って以来、我が家の壁には赤ちゃんのヤギを抱いている私たちの写真がたくさん貼られるようになりました。遊ぶのが大好きで好奇心が強く、そして何もかもが大好きというヤギのキャラクターは、私たちにぴったりでした。また、店舗がオープンした2015年は、偶然にも『山羊年』でもありましたしね」
他の人には真似できないような、ユニークなバックグラウンド。これこそ、成功するブランドのために必要なものなのです。
MeganとCedarが開催したワークショップやイベント、その他パートナーシップにより実現した諸々は、全て店舗にやってきた顧客の体験に付加価値を与えるためのものです。こうした付加価値を与えることはふたりにとっても非常に大変なことでしたが、更に何ができるかということをふたりは追求し続けたのです。
そうして生まれたのが、Custom Invitation Design GiveawayやGift Wrap Bar、Balloon Barです。
「店内にあるギフトラッピングバーや、オリジナルのバルーンをデザインできるバーでは、見た目に楽しい様々な素材が提供されていて、それによって贈り物をカスタマイズしたり、オリジナルのバルーンを作り出したりすることができるのです。また、スタッフがギフトをラッピングすることもできます」
顧客の成功を考えるという視点に立ち、イベントを開催する上で必要なツールを全て提供しながら、心を感じられるようなギフトまで提供するという徹底ぶり。時には、MeganとCedarが実際にラッピングを担当することもあります。
また、更に色々な人と繋がるため、道端でラッピングショーを開催することもあります。
Paper Goat Postのマーケティングや顧客エンゲージメント獲得の戦略において、ソーシャルメディアはとても重要なものとなっており、そこにかなりの時間を費やしています。このとき、大成功に繋がるような戦略を考える上で重要なのは、単純化と継続でした。
「ソーシャルメディアでイベントをプロモーションするとき、重要なのはシンプルに伝えることです。情報は簡潔にまとめ、その上で気になるような提示の仕方をしなければなりません。画像やイメージといったような分かりやすいものを用いることで、情報過多を避けるのです」
「私たちのソーシャルメディアページを見て頂くと、イベント名、日にち、時間といった情報の他、ときにはイベントページへのリンクが貼られている程度であることに気がつくかと思います。こうした投稿の中で、そのイベントに関連するものの画像を用いることで、分かりやすい投稿になるようにしているのです」
Canvaテンプレートを使ってPaper Goat Postのようなデザインを作成しましょう。
「効果的に情報を伝えるには、それを見る人に継続的に興味を持ってもらわなければなりません。その上で重要になるのが同じものを何度も見せないようにするということなのですが、その上で統一感も重要です。統一感があれば、見る人にとってどこでいつ情報を得られるかということが、分かりやすいからです。例えば私たちが繰り返し開催しているイベントについては、同じ画像を使うようにしています。これによりお客様やフォロワーの方は、そのイベントが何なのかを即座に理解し、詳細についてすぐに確認することができるからです」
例えば同社のWanderLust Wednesdayのイベントを見てみると、常に同じ画像を使ってInstagramへの投稿が行われていることに気付きます。とてもシンプルですが、効果的な作戦だと言えるでしょう。
顧客の成功のための力になるというのは、MeganとCedarがPaper Goat Postで行っている全てに通じる理念であり、珍しいイベント開催するのもその一環です。
ただイベントを開催したいという人と、皆に楽しんでもらえるパーティを企画したいという人には、大きな差があります。この成功を分ける差に対応するため、楽しいディナーパーティや安心して楽しめるカクテルパーティを企画するためにはどうすれば良いかということを分析するイベントが、De:Constructed Dinner Partyです。同イベントのInstagramの広告を覗いてみましょう。
「Paper Goat Postが送る、パーティでのパーティ。美味しいカクテルや軽食を社交場の中で楽しみながら、スタイルのあるディナーパーティを解体してみましょう。このイベントは季節毎に行われており、オルランドのパーティの専門家(近日詳細公開)から、最高のパーティを開催するための秘訣を余すところなく学ぶことができます。季節の食べ物の他カクテルレシピも学ぶことができ、次のパーティを開催する際に使える招待状やその他ちょっとしたヒントをお持ち帰り頂けます」
顧客が最終的に求めているものを、面白くクリエイティブな形で提供している好例であると言えるでしょう。
このように、同ブランドは遊び心を忘れず、ときに冒険的にクリエイティブさを発揮しますが、こうして実現されるアイデアは全て、必ずブランドの在り方に沿ったものになっていて、理想的な顧客のニーズや需要に関連してデザインされています。これにより、どういった媒体を用いる場合でも、ブランドとしての在り方にも統一感が生まれるのです。
「最も留意すべきことは、自分と関連することは常にブランドを反映したものになるということです。そのため、オフラインにおけるメディア(チラシやフライヤーなど)で用いる色やそのクオリティ、メッセージの伝え方については、弊社ブランドに相応しいものであることを厳格に確認しております」
Canvaのテンプレートを使って招待状を作成しましょう。
同社ブランドは、MeganとCedarの価値観を強く反映したものでもあります。色使いだけでなく、同社が用いるあらゆるツールによる全体としてのブランドが提供する体験も、厳しくチェックされているのです。
Paper Goat Postにおける最初の理念は、お客様と繋がる際に、『原始メール』の良さを発揮し、それによってお客様との繋がりを維持することです。
人生においてもマーケティングにおいても、重要なのは何を得るかではなく、何を贈るかということ。これもまたPaper Goat Postに深く根付いている理念なのです。
「マーケティングで私たちが頻繁に意識する理念の中に、贈り物の作法を考える、ということがあります。例えば弊社のBilly Balloonや#freshflowerfridayのごちそうなど、私たちを代表するようなものをギフトとして贈ることが成功に繋がるということを、私たちは理解したのです」
そしてこれに留まらず、同社は更にサービスの改善を続けています。
地元の他の事業をサポートするというのは、Paper Goat Postによるあらゆるイベントやプロモーション、パートナーシップに通じる共通の考え方です。隣人を助け、コミュニティとしての団結力に貢献することにより、自社の成長も更に促進されていくのです。それは、この価値観をその他多くの顧客と共有していくからでもあります。
小さな事業はコミュニティの団結力を生みます。大きな箱にしまわれただけの文化では、そういった団結力が生まれることはありません。
「常に小さな店で買い物をするというのは、容易なことではないかもしれません。しかし、そういった店舗やサービスを利用するということが誰かの人生に直接的に影響を与えているということなのであると知るのは、きっと良いことのはずです。
イベントのプランナー、デザイナー、ホストとして、私たちは、可能な限り、たくさんの製品を地元から調達しました。地元で調達できないものがあったなら、オンライン上の小規模事業や他の街にあるそういった事業を探しました。食べ物は地元の農家から仕入れ、花を買うのにも地元の小売店市場から調達しました。Paper Goat Postで販売されている製品の多くは、小規模事業者から仕入れられたものが元になっているのです。
また、私たちのコミュニティにおけるその他のプランナーやデザイナーに対して文房具やデコレーション素材といったものを提供することもあります。そうしたことができるということを、私たちは誇りに思っているのです」
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