トータルの世界観が大切!カフェの魅力を最大限に引き出すフライヤー・チラシの作り方

19-min

お店の魅力や雰囲気を伝える紙のフライヤーは、存在や認知度を広めてくれるチャンスを掴む手紙のようなもの。何かしらの興味を引いてフライヤーを手に取ってもらう必要があります。

第一段階のハードルは、写真やデザイン、キャッチコピーで引きつけて、フライヤーを手に取ってもらうこと。さらにその後、文章を読んでもらうまでの一連の流れが大切です。今回は、その第一歩を踏み出してもらうための「カフェのフライヤーづくり」に必要な文章術を紹介していきます。

カフェの独自性!コンセプトをキャッチコピーで魅せる

cafe_concept

今やひとえにカフェといっても、会話や食事をするためだけの場所ではなく、ひとり時間を楽しんだり、パソコン作業や打合せにも利用したりと、それぞれの時間をゆっくり過ごす人が増えています。カフェによっては店内で物販やイベントを行いカルチャーを発信したり、人と人とを繋げるコミュニティの場所づくりを目指す店もあり、その目的や利用価値は多様化しています。

カフェの活動や世界観に付加価値をのせ、強みをアピールしていく際に大切なのが、カフェのコンセプトです。しっかりと軸を持ったコンセプトから、あえて柔軟性のある余白を持たせたコンセプトもあり、最も大事なのは、そのコンセプトがお客様に届いているかどうかです。まずは「伝わること、伝えること」を意識して、自店のカフェの強みを今一度、考えてみましょう。

そんなカフェの軸となるコンセプトを、簡潔に伝えるために必要なのが「キャッチコピー」の存在です。短い文章や惹きつける言葉で考え抜いたキャッチコピーを、フライヤーの目立つ場所に挿入します。複数のフライヤーが並ぶ棚から1枚のフライヤーに目が止まる。それはほんの一瞬の出来事です。引きのある「キャッチコピー」をババーン!と大きめの文字サイズで掲載すると、そのキーワードに興味を持つ人は無意識にフライヤーを手に取ります。カフェに足を運んでもらうまでのストーリーを想定して、じっくりと時間をかけてキャッチコピーを考え抜いてください。

キャッチコピーの考え方と作り方は、こちらの記事を参考にしてください。

オーバーな表現よりも、ショップの思いやこだわりを丁寧に言語化して「共感を生む」

カフェ紹介文

キャッチコピーが出来たら、次はお店の紹介文です。料理に関していえば、新鮮な食材はもちろんのこと、地元食材の使用や素材へのこだわり、希少価値の高い部位や珍しい食材、ダッチオーブンや石窯など独創的な調理法、驚きな料理のボリューム、小さな子供に対応したメニュー、アレルギー対応、シェフの腕前(著名な賞を受賞、海外や著名な店で修行)と……挙げたらキリがないほど、料理に関するアピールポイントはいくらでも出てきます。稀に、あまり特徴のない一般的な料理であったとしても、オーナーやスタッフの人柄に惚れ込んだり、カフェが放つ独特な居心地の良さが癖になったり、カフェのファンになる理由はお客様ごとに異なります。

周囲に類似したカフェがあったとしても、自分のカフェは、何が売りでどこが異なるのかをまずは知り、それを明確に言語化できると他店との違いを発信できます。設備やサービス、価格設定などの重要な情報に加えて、最も共感を生みやすいのが、オーナーの思いや店のこだわり、地域での活動やカフェの役割などです。何を最も伝えたいのかを明確にした上で、情報に優先順位をつけて重要なキーワードを選定します。文章を何パターンか書き出して、フライヤーのスペースに合わせた文字数でまとめて、最後に、無駄な言葉を削ぎ落として丁寧に言語化してみましょう。

オリジナルを表現するなら「オリジナル」「自家製」「独創的」「独自性」「手作り」といった言葉にも変換できます。特に、食品に対して「安心安全な〜」といった表現は注意が必要です。有機野菜や無農薬野菜は「安心」ではあるけれど「安全か?」といえば、人によって考え方や基準が変わり、本来100%を保証する安全は存在しないからです。気をつけてほしいのは、オーバーな表現を避けること。現地に足を運んだ際、ニュアンス違いが発生し、「誇大広告」のように過剰な表現をすると「想像よりも今ひとつだった」と逆効果に繋がるのです。最も悪質なのは「嘘の情報」を流すこと。今後の信用や大事な口コミを左右することに成り兼ねません。

事前情報よりもお客様の期待値を超えていくと自然と評価は上がります。そのためには予めハードルを下げておくのも方法の1つです。等身大のありのままの姿を自分の言葉に託して、オーバーすぎず、過剰に装飾せずに自然体で言語化してみてください。

デザインやフォント、写真もじっくりと吟味!トータルでカフェの「世界観を作る」

カフェの世界観を伝えるコピーが決まったら、それに合わせたデザイン選びをしましょう。フライヤーにおいて、カフェの世界観に合うデザインを選ぶのが最も重要な使命です。Canvaならテンプレートを選ぶだけで、その世界観に合ったフォントや組み合わせが用意されていますが、プロのデザイナーは以下のような知識と技術でデザインを作っています。あらゆるデザインのベースになっているのが、下記の「デザインの4つの基本原則」です。

  1. 近接:同じグループの素材同士を近づけて配置する
  2. 整列:右揃え、左揃え、中央揃えなど素材の配置を整える
  3. 反復:同じデザインの要素を繰り返して統一感を出す
  4. コントラスト:色や大きさ、形などに強弱をつけメリハリを出す

また、文字の色や太さの視認性、イメージに合うフォントの種類も重要です。和風なら明朝体や筆書体のフォントを使い、丸文字ならかわいさを、ゴシック系ならシンプルさをと、フォントの種類や文字色を変えるだけでも印象が変わります。また、余白を残した文字の配置を心がけ、文字のカーニング(文字詰め)や上下左右の余白を広めに取ると「ゆったりした優しい印象」を演出できます。

さらにデザインには、カラーの知識も必要です。視認性が悪い色を組み合わせると読みづらく、相性の合わない配色だとデザインが美しく仕上がりません。そこで必要となる知識が、明度、彩度、色相の「色の三属性」です。明度を上げることで明るいカラーになり、彩度を上げることで色鮮やかに。色相とは、虹色のような配列で色を環状に配置したもの。隣同士の色は同系色、反対側に位置するのが反対色(補色)です。基本的な色の組み合わせとして、統一感を出すなら同系色、コントラストを入れてメリハリを出すなら反対色が相性のいい配色になります。

デザインに関して初心者がよくやる間違いに、無闇矢鱈に枠線やドロップシャドウ(影)をつけたり「装飾しすぎてしまうこと」が挙げられます。いろいろと試したい気持ちは理解できます。しかし、無駄な装飾は視認性を悪くして、アンバランスなデザインに仕上がります。「デザインは至ってシンプルに」を基本に、カラーや大きさ、形などを変更してみてください。

カフェ写真

また、フライヤーに掲載する写真は、外観、内観、料理、雑貨……とありますが、最も伝えたいことを「写真で魅せる」のが効果的です。強調したいものを大きめの写真で掲載し、カフェであれば、料理の掲載は欠かせないところ。

但し、フライヤーの大きさによって掲載スペースが変化します。ぎゅっ!と写真や文章を詰め込み過ぎたフライヤーは、窮屈すぎてゆったりした優しさは出ません。レイアウトや余白のバランスを考えて写真枚数を減らす勇気も必要です。予算があれば、写真だけはカメラマンに依頼することも念頭に置き、料理撮影に関しては、下記の記事を参考にしてください。

今すぐ簡単にできる!スマホでおしゃれなカフェ写真が撮れるコツ

足を運ぶための理由作りと「実店舗の基本情報」工夫の仕方

最近では、グルメを強みにする以外にも、特徴的なカフェが増えています。誰かの課題を解決できる設備やサービスは需要が高く、お客様が来店する言い訳を作ってあげると自然に訪れやすくなるものです。

1.特徴を箇条書きする

カフェ要素以外の特徴は、「箇条書き」した一つの塊としてレイアウトすると見やすくなります。お客様が便利だと感じる特徴をまとめて確認できると、「行きたい」から「行こう」へと気持ちを動かす訴求力が上がります。他のカフェではあまり見かけない設備や特徴があれば、こちらに記載しておきましょう。

  • キッズルーム完備
  • ペット同伴OK(テラスのみ)
  • バリアフリー対応
  • コンセント利用可能
  • 無料駐車場あり

2.「お得な情報」を目立たせる

初めて実店舗に足を運んでもらうには、「幸福度」を上げるための「特別感」や「お得感」が有効です。金銭面での「無料・半額」、立地に便利な「駅チカ」、新しいサービスや時間指定のサービスなどは、目立つように掲載しましょう。文字色やフォントの種類によっては「安売りするカフェ」に見えてしまうため、注意しましょう。

  • コーヒーおかわり自由
  • コーヒーおかわり半額
  • ランチタイム限定!ドリンク1杯無料
  • 6歳以下のお子様に!○○プレゼント
  • モーニング始めました!
  • ○○線○○駅から徒歩2分!

「特別メニュー」「期間限定」「旬の食材」「プレゼント」「割引キャンペーン」などの言葉はインパクトが出ます。但し、季節限定サービスをフライヤーに印字すると使用期間が限定されるため、キャンペーン用チラシ以外には不向きです。この場合は別途、サービス券を作成してフライヤーにホチキスで止めたり、カラークリップを使えば見た目もかわいいフライヤーが完成します。

初めてのカフェに足を運ぶ理由を作る、と解釈すればお客様目線に立った優しいアイデアから、イベントの構想が思い浮かぶのでは。プレゼントや割引キャンペーン、ワークショップやイベントを開催するのも有効な手段です。リピーターが集う周年祭へのお誘いもまた、特別感を演出できます。

3.店舗の基本情報について

最低限必要な情報は、店名、住所、電話、営業時間、定休日です。特に営業時間は正確に記載しましょう。モーニングやランチタイムの時間帯、ラストオーダーも掲載しておくとお店とお客様の間に発生するニュアンス違いを防げます。広い店内なら席数、ローカルなら駐車場の有無、と有利な情報は備考として掲載しましょう。

【住所について】

フライヤーの場合、基本は市町村から。地域関係なく幅広く配布するなら都道府県も入れます。「丁目、番地、号」を使用せず数字と「ー(半角ハイフン)」だけで表記。念のため、ビル名と階数も入れましょう。但し、紛らわしい場合は読みやすい表現を優先してください。

[参考例]

×港区六本木8丁目12番地24号 ABCビル 2階

○港区六本木8-12-24 ABCビル 2F

○港区六本木8-12-24 ABCビル 2階

○東京都港区六本木8-12-24 ABCビル 2F

住所を表す言葉には「住所」「Address」「Add」「ADD」といくつか考えられ、場合によってはこの部分を省いてスッキリ表記する方法もあります。

[参考例]

住所:東京都港区六本木8-12-24

Address:東京都港区六本木8-12-24

Add 東京都港区六本木8-12-24

東京都港区六本木8-12-24

カフェのスタイルに合わせて、カフェのイメージと重なる表記方法を選んでください。

【電話番号について】

スマホ利用者を考慮して必ず市外局番から掲載します。基本、英数字は半角入力。数字の間には「-(半角ハイフン)」を使用します。

×56-7890

○1234-56-7890

【その他】

  • 駐車場の有無:地方なら必須
  • メールアドレス:あれば掲載
  • QRコード:公式サイトへ

公式サイトの「QRコード」を取得して掲載すると、お客様にとって便利な上にサイトへも訪問してもらえます。SNSアカウントを使う場合は、最新情報の更新頻度が高く、詳しい情報をピックアップできるものに絞ってQRコードを掲載して誘導しましょう。

カフェフライヤー オシャレ

上記を要素を踏まえて作成したカフェのフライヤー例

Canvaならプロのデザイナーが作ったテンプレートから世界観に合うテンプレートを選んで編集するだけ。そこからテキストや写真を変更すれば完成です。

Canvaのデザインテンプレート(フライヤー編)

最初は何かを仕掛けて来店するチャンスを設けるのも手段のひとつ。イベントやワークションなど別の切り口で集客をすれば、新しいターゲット層に響く可能性が上がります。最終的には、自然と口コミで広がる理想的な流れを作れたら言うことなし!集客の入り口は多ければ多いほうがベストです。フライヤー制作後は、データを活用してブログやSNSでの発信もお忘れなく!

イベントのフライヤー作成はこちら の記事を参考にしてください。

文:みやねえ

二拠点生活(沖縄と埼玉)で活動するフリーライター・編集者。埼玉県出身、沖縄移住組。2015年からWebライティング「みやねえ講座」運営。「#ライター交流会 in 沖縄」を企画・運営。2018年、沖縄のライターコミュニティ「OKINAWA GRIT(オキナワグリット)」を立ち上げ。2019年4月まで、沖縄発のWebメディア「Feel JAPAN」で期間限定の編集長を務める。エッセイ、インタビュー、イベントレポート、Webコンテンツの企画・執筆・編集を得意とする。

Twitter:https://twitter.com/miya_nee3

ブログ:https://miya-nee.com/

デザイン作成の切り札