スピード重視の現場でも質の良いデザインを。スポーツチームの広報によるCanva活用法

FC琉球 インタビュー

2018年にJ3で優勝し、J2昇格を果たした「FC琉球」。2019年には元日本代表の小野伸二選手の加入など、躍進し続けているサッカークラブの広報 大津留さんのCanvaの活用方法とは?また、スピード性が求められる現場だからこその使い方とは?

大津留 知佳(Otsuru Chika)

大分県出身。2008年に沖縄県へ移住し、理学療法士として8年間病院に勤務する。その後、フリーランスのカメラマンに転身し、ウエディングフォトや家族写真などの撮影を行う。2019年1月より琉球フットボールクラブ株式会社の広報部に所属し、FC琉球の広報業務を行っている。

カメラマンとして使っていたCanvaを広報でも

― 普段の業務内容を教えてください。

主に日々のSNS発信、メディアの取材対応、ホーム戦当日の試合会場設営などがあります。SNSにおいては、Twitter、Instagram、Facebookの公式アカウントで、より多くの方に試合を観に来てもらえるよう事前にイベントや企画をお知らせしたり、当日の試合の様子をリアルタイムで発信しています。また、うちのチームはクラブハウスがないので、ホーム戦のときは毎回ゼロから試合会場を作っていて。私は記者会見室やメディア関係者向けの部屋の設営を中心に、ゴール設営などの力仕事は男性スタッフが中心となって行なっています。アウェー戦のときは現地には行かないんですけど、試合映像を見ながらホーム戦と同じように速報をアップしています。

あと、メディアからの取材依頼がある時は、県内各所にある練習場などで対応しています。小野選手が加入してからは取材依頼がすごく増えていて。今は少し落ち着きましたが、県内はもちろん、分野を問わず全国的なメディアの取材が増えました。だからこそ、今までサッカーを見たことがなかった方々もFC琉球に興味を持ってくれたら嬉しいですね。

― Canvaを知ったきっかけを教えてください。

実は、2年くらい前から個人的に使っていたんです。何をきっかけかに知ったかは覚えてないんですけど、Instagramが流行りだした時くらいに、写真に文字を入れるツールとしてスマホアプリで使っていました。オシャレなフォントがたくさんあるので、自分で撮った写真と合わせてデザインを作ったり。当時から「使いやすい」という印象があり、今の仕事を始めてからも活用できるなと思ったので使わせてもらっています。

FC琉球 広報インタビュー

SNS投稿用のデザインを中心に、配布物なども作成

― Canvaでは、どんなデザインを作っていますか?

SNSに投稿するデザインがほとんどですね。試合当日はSNSで速報を上げるんですけど、スポーツって常に動きがあるじゃないですか?なので、試合状況を見ながら得点などを書き換えています。あと、選手の誕生日にもお知らせをしていて。基本のテンプレートは同じで、写真と名前、日付を変えて投稿しています。そうすることで、応援に来てくれたサポーターさんが選手に「おめでとう!」って声をかけてくれたりお祝いしてくれるんですよね。そういうコミュニケーションが選手のモチベーションアップにも繋がっていると思います。

あとは、サポーターさん達が協力してくれた時にお渡しする配布物もCanvaで作っています。撮影協力の御礼の手紙、クリーン作戦のボランティア参加者に渡す試合チケットの引換券などです。Canvaで作って事務所にあるプリンターで印刷するだけなのでコストも少なくて済むし、サポーターさんにとっても全員に配布するものではないのでレア感あるらしくて。一時的なものとして作ったものなんですが、「持って帰りたい!」って喜んでくれる方もいますね。

Canva活用 インタビュー

動画撮影に参加してくれたサポーターさんへお渡しした御礼の手紙のデザイン

もちろんデザイナーさんに依頼する物もあって、その時のラフもCanvaで作っています。私が絵を描くのが苦手っていうのもあるんですけど、手書きでは伝わりづらいフォントなど、自分の中で思っている「こういう感じ」が伝えやすくて、出先でスマホを使ってささっと作るときもあります。インハウスのデザイナーさんがいないっていうこともあり、自分たちで出来ることはしていこうと。

Canva活用 インタビュー

Instagramで選手の誕生日のお知らせ投稿には「#fc琉球ハピバ」のハッシュタグをつけてアップしている

スピード重視の中でもオシャレなデザインを

― 気に入っている機能はありますか?

テンプレート、写真、素材ともに種類が豊富なところですね。自分で撮影した写真ももちろん使いますが、Canvaの中にサッカー関係の写真や素材も結構あって。サッカー場の芝生やサッカーボールの写真をデザインに使っています。チームの情報を発信していくにあたって、スピードが問われる場面って結構あるんです。そういった時間がない中でもオシャレなデザインが出来る、っていうのがCanvaを使っている理由です。フォントが充実しているのも大きいですね。サッカーなのでかっこいいフォントを意識していて、チカラヅヨクがお気に入りです。あと、TwitterやFacebookのヘッダーがそもそも規格であって、そこから作れば適切にデザインが表示される。自分でわざわざサイズを調べなくていいし、いろんなサイズのテンプレートがあるので使いやすいです。

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― スポーツチームの広報としてCanvaを使うメリットは?

先ほども話したように、SNSでの発信業務がメインになっていて。SNSを運営していくうえで、デザインってすごく大事だと思うんです。文章だけでは伝わらないけれど、そこに写真やアレンジを少し加えるだけで見え方が変わってくる。ぱっと見て、「かっこいい!」「いいな!」「見てみたい!」と感じてもらうデザインを作っていきたいと思っていて。Canvaはそういう視点でも使えるテンプレートや素材が揃っているので、サッカー経験のない私にとっては「サッカーってこういうデザインがいいんだ!」みたいな気づきがあって。おかげで広報部として発信するデザインについては、会社として大事なお知らせするときを除いて、基本的には私に任せてもらっています。選手がCanvaで作ったデザインを見て、デザイナーさんが作ったと思っていたらしく(笑)、他のスタッフにも何で使ってるのか聞かれるくらい好評です!

Canva活用 インタビュー

急ぎの場合やPCが使えないときは、スマホアプリでささっと編集するそう

若い世代に向けて、SNSで興味を引くデザインを。

ー 今後のCanvaの活用方法を教えてください。

私のミッションのひとつとして、チームの認知度を上げるっていうのが一番にあって。J2に昇格したことで興味を持ってくれる方は増えたんですけど、まだまだで。まずはFC琉球のことを知ってもらい、さらに興味をもってもらわないと試合を観に来てもらえない。そのためにはテレビなどメディアへの露出っていうのは大前提としてあるんですけど、若い世代やこれまでサッカーを観たことがない人達にPRするにはSNSが大事だと思っていて。ネット上に情報が溢れているこの時代、たくさんある文章を読むのはめんどくさい。だからこそ1つのデザインに、どれだけ情報を詰め込められるかっていうのが重要で。内容はもちろん、オシャレでかっこいいデザインでまずは興味を持ってもらう。そういうきっかけ作りのツールとしてCanvaを今後も活用していけたらと思っています。

Canva活用 FC琉球インタビュー

Canvaで作成したサポーターに渡す引換券のデザイン。事務所のプリンターで印刷して配布

FC琉球

2003年に創設、2014年Jリーグに入会した、日本プロサッカーリーグに加盟するサッカークラブで。2018年には初のJ3優勝、そしてJ2昇格を果たした。沖縄市を中心とする沖縄県全県をホームタウンとしている。

http://fcryukyu.com/

写真/macoty

デザイン作成の切り札