誰でも簡単にデザインを作成できるオンライングラフィックツール、Canva(キャンバ)。ポスターやチラシ、ロゴ、プレゼンテーション(新しいタブまたはウィンドウで開く)、名刺、SNS投稿画像、YouTube動画編集(新しいタブまたはウィンドウで開く)、動画編集(新しいタブまたはウィンドウで開く)など、あらゆるデザインを作成できます。
特に、POP、ポスター、チラシ、カタログなどの販促物も自分で作成でき名刺印刷(新しいタブまたはウィンドウで開く)やチラシ印刷(新しいタブまたはウィンドウで開く)にも対応しているため、個人事業主やビジネスパーソンには欠かせないツールでもあります。Canva内には、デザインに無料で使える写真やイラスト素材が豊富に揃っているので、素材に困ることもありません。
しかし、無料で使えると言っても「商用利用をしても問題はないのだろうか」と心配に思う人もいるかもしれません。本記事では、Canvaで作成したデザインの商用利用が可能かどうか、さらに商用利用する際の注意事項について解説します。
Canva(キャンバ)(新しいタブまたはウィンドウで開く)とは、無料で使えるグラフィックデザインツールです。デザイン初心者でも簡単にプロ並みのデザインが作れるツールとして、世界中で人気を集めています。
Canvaの最大の特徴は、プロのデザイナーが作成したクオリティの高いデザインテンプレートです。ポスターやチラシ、ロゴ、プレゼンテーション資料、名刺、SNS投稿画像、YouTube動画、バーチャル背景など、幅広い用途に対応したデザインテンプレートが豊富に揃っています。
クラウド型ツールなため、パソコンのブラウザだけでなく、タブレットやスマホアプリからも使用が可能です。そのため、いつでも好きな場所で気軽にデザイン作成ができます。さらに、Canvaのテンプレートは、ドラッグ&ドロップ操作で簡単にカスタマイズができるため、デザインツールに慣れていない人でも直感的に操作ができます。
「全ての人がどこからでもデザインで輝けるようにすること」をミッションに、オーストラリアのシドニーで創業したCanvaは、世界190ヶ国にユーザー層を拡げ、現在は月間1億人以上(2023年9月時点)のアクティブユーザーを有しています。日本では2017年よりサービスを開始し、日本のユーザー向けのテンプレートやコンテンツを急速に拡大しています。日本語のフォントも充実しており、プロ品質のマーケティング素材やブランディング素材を誰でも簡単に作成できます。
Canvaには、無料プランとは別に「Canva Pro」「Canva for Teams」と呼ばれる有料プランが2つあります。それぞれのプランの違い、そしてどのプランがどんな方におすすめなのかを解説します。
Canvaでは、世界中の人がデザインで輝けることをミッションにしているため、基本的なデザイン機能やグラフィック素材を無料で提供しています。そのため、無料プランでもデザイン作成を楽しめる素材と機能が十分に揃っています。無料プランは、仕事やプライベートで気軽にデザインを作成したい人におすすめです。
Canvaが提供するプレミアム機能と素材に無制限でアクセスできるのが、有料プラン「Canva Pro」です。こちらは個人向けの有料プランで、Canvaを高頻度で使う人にオススメ。Canva Proには30日間の無料トライアルもあるので、気になる方はまず無料トライアルをお試しください。Canva Proでは、無料で使える機能や素材に加えて、以下をご利用いただけます。
2人以上の利用を想定した有料プランが「Canva for Teams」です。チームでデザインを作成・管理したい人におすすめなプランです。1つのアカウントで最大5名まで使えるため、仕事仲間や家族、友人と一緒に使うとよりお手頃な価格になります。
それぞれのプランの詳細はこちらのページ(新しいタブまたはウィンドウで開く)をご参照ください。
では、ここからは本題である「Canvaで作成したデザインは商用利用できるかどうか」について解説します。結論からお伝えすると、Canvaは「商用利用可能」です。プランに関係なく、Canvaで作成したデザインは商用利用が可能で、クレジット表記も必要ありません。
無料プランで利用できるテンプレートや素材は、そのまま無料で商用利用が可能ですが、無料プランのまま有料テンプレートや素材を使う場合には、支払いが必要です。
無料プランのユーザーが有料コンテンツをデザインに使用すると、透かしロゴ(ウォーターマーク)が入っているのはこのためです。透かしロゴを削除したい場合は、素材単体の値段(1ドル〜)を支払ってライセンスを取得する、またはCanva Proに登録する必要があります。
一方で、Canva Proユーザーであれば、どの素材を使っても透かしロゴが入ることはないため、Canvaにあるテンプレートや素材が無料で使い放題です。
※無料素材の中に含まれる名前や人物、商標、ロゴ、トレード・ドレス、アート作品などは、場合によって独自で使用許可を取得する必要があります。
では、具体的にどのような商用利用が可能なのでしょうか?以下は、Canvaで許可されている商用利用の一例です。
商用利用が可能なため、ビジネスシーンでも安心して使えるCanvaですが、使い方によっては一部制限があります。ここでは、Canvaで許可されていない使い方について紹介します。
上記の通り、Canvaのテンプレートや素材は無加工の状態で第三者に販売または配布することは禁じられています。これは、Canvaのテンプレートや素材の作成者が著作権を所有しているため、著作権侵害に相当するからです。
一方で、Canvaクリエイターであれば、ユーザーがCanvaの編集画面エディターに戻る仕様である場合に限り、オリジナルのCanvaテンプレートを販売することができます。Canvaクリエイタープログラムの詳細についてこちらをご覧ください。(新しいタブまたはウィンドウで開く)
■ 注意事項(2022年10月8日追記)
Canvaクリエイターに限らず、個人でCanvaテンプレートを自作して販売することは許可されています。すでにCanva内に用意されているテンプレートの色やテキストを変えただけのテンプレートは販売できないため、必ず真っ白なキャンバスから作ったオリジナルのテンプレートを販売してください。Canva内にある有料または無料素材をつかってオリジナルテンプレートを作成した場合は、Canvaのエディターに戻るリンク(デザインテンプレートリンク)に限り、販売が可能です。PDF、JPG、PNGなどのデータで販売する際は、無料素材のみで作成したオリジナルテンプレートであれば販売が許可されています。
前述した通り、Canvaで作成したデザインは商標登録ができません。特に、Canvaのロゴテンプレートを使ってロゴを作成した場合には、商標登録ができないので注意が必要です。
そもそも、商標登録をするロゴマークは、固有のデザインでなければなりません。Canvaのテンプレートや素材は、誰でも使うことができるため、Canvaの素材だけでロゴを作成すると、他の人と同じようなロゴデザインになってしまう可能性があります。そのため、無料であっても有料であっても、Canvaの素材で作ったロゴは商標登録することはおすすめしません。
しかし、Canvaの素材でも、四角形や丸などの一般的な図形や線を使ってロゴを作成した場合は、商標登録をすることは可能です。また、オリジナルで作成したロゴデザインをCanvaにアップロードして、Canva上でフォントを追加してロゴを作成することも問題はありません。
Canvaのロゴテンプレートは、あくまでもデザインの参考程度として使い、オリジナルのロゴを作成して商標登録するようにしましょう。
Canvaには、音楽などのオーディオ素材もあります。オーディオ素材は、SNSやYouTube動画に追加して編集ができるので、大変便利です。特に、Canva Proのオーディオ素材は、YouTubeなどのオンライン広告に使用できます。一方で、テレビやラジオ、映画、ポッドキャスト、ビルボードなどのメディアで流すようなCM動画には使えないのでご注意ください。
また、Canvaの有料オーディオ素材を使った動画であっても、ライセンスを検証していなければ、YouTube、Facebook、Instagramなどに投稿したときにコンテンツIDの申し立てを受ける可能性があります。
コンテンツIDの申し立てを受けないようにするためには、投稿した動画コンテンツのライセンス所有者であることを認めてもらう必要があります。YouTubeでのIDコンテンツの申し立てを回避する方法についてはこちらをご覧ください。(新しいタブまたはウィンドウで開く)
Text to Image(画像生成AI)で生成されたデザインの著作権に関しては、まだ新しい技術であるため、どのような場合において著作権侵害になるのかは判断が難しい状態にあります。非常に複雑な問題で、簡単に回答できず、お住まいの国によっても著作権に対する対応が異なる場合があります。
現時点では、CanvaはText to Image(画像生成AI)(新しいタブまたはウィンドウで開く)で作成された画像の著作権を主張しません。ユーザーご自身のプロンプトで生成された画像であるため、その画像の所有権の所在は、当社の利用規約(新しいタブまたはウィンドウで開く)に従う限りユーザーに帰属します。
ただし、これはその人が画像の著作権所有者であることや、画像に対して独占的な権利を持っていることを意味していません。利用規約(新しいタブまたはウィンドウで開く)上では、ユーザーが作成した画像を当社のプラットフォームで提供すること、そして当社の製品のマーケティングに使用する権利を得た状態で提供しているにすぎません。
同様に、Text to Imageを使用して、他人の著作物(キャラクターやイラストなど)を作成する場合も注意が必要です。また他人の著作物を許可を得ずに画像生成に使用することも禁じられています。
個人・商用利用が可能で、クレジット表記が必要ないCanva。ルールの範囲内であれば、自由にデザインを作成して、あらゆるシーンで使うことができます。
Canvaのテンプレートや素材は、皆さんのクリエイティビティを刺激し、アイデアを形にするためにあります。アイデア次第で、テンプレートや素材の使い方は無限大です。
ぜひ、Canvaを日々のデザイン制作にお役立てください。
実際にお寄せいただいたご質問に対する回答を以下にまとめました。デザインの内容によっても、商用利用が可能かどうかは変わってきます。判断に困ったときは使用許諾契約(新しいタブまたはウィンドウで開く)を参照するか、またはサポート(新しいタブまたはウィンドウで開く)までお問い合わせください。※2022年10月18日更新
Q. Canva内にある有料素材にテキストを追加してLINEスタンプを自作しました。このデザインをLINEスタンプとして販売できますか?
A. 残念ながらLINEスタンプとして販売することはできません。利用規約(新しいタブまたはウィンドウで開く)にある通り、有料または無料素材で作ったデザインであったとしても、電子ファイルとして配布できる形での販売は禁止されています。詳細は第9条10または13を参照してください。
Q. 自分で作ったデザインをベビー服に印刷して販売しようと思っています。デザインは、Canva内の無料素材に背景色を追加して、図形やテキストを追加したものです。このベビー服を販売することはできますか?
A. 販売は可能です。Canva内にある無料素材をそのまま印刷するのではなく、素材を組み合わせてオリジナルデザインを作っているため、ベビー服などのグッズとして販売ができます。
Q. Canvaの「Text to Image(画像生成AI)」機能をつかって作った画像にはどのような著作権が発生しますか?
A. Text to Imageで生成された画像に対して、Canva側は著作権を主張することはありません。Text to Imageで作成した画像の所有権はユーザーにあり、これはユーザーが当社の利用規約に従うことを条件としています。詳しくはこちら(新しいタブまたはウィンドウで開く)をご覧ください。
Q. Canva内にある無料のイラスト素材を印刷して、手帳やアルバムに貼って使おうと思います。個人的に使う場合であれば問題はありませんか?
A. 個人で使う場合にかぎり、無加工の素材をそのまま印刷して使うことができます。ただ有料素材に関しては、個人での利用であったとしても無加工の状態で印刷して使うことはできません。
Q. 自分で作成したテンプレートを販売したいです。テンプレートの中には無料と有料の素材の両方が含まれますが、テンプレートとして販売できますか?
A. 真っ白なキャンバスから作ったオリジナルのテンプレートに限り、販売が可能となっています。ただ、Canva内にある有料素材を含む場合は、Canvaのエディターに戻るリンク(テンプレートリンク)をつかって販売してください。無料素材のみで作られている場合は、PDF、JPG、PNGなどのデータにて、Canva以外のプラットフォームでも販売ができます。