「かっこいいデザインの名刺を作りたい。お手本にできるデザインをたくさん見てみたい」 「自分でかっこいい名刺を作ってみたい。かっこいいと褒められるポイントはどこなの?」
名刺のサイズはとても小さいので、デザインは簡単にできると思われがちです。しかし名刺を渡した相手の印象に強く残るようなかっこいい名刺を作りたいのであれば、しっかりと名刺デザインのポイントを把握しておかなくてはいけません。
そこでこの記事では、かっこいい名刺のデザインについて深く掘り下げます。
最初に「かっこよさの理由」を、次に「ダサくなってしまう理由」を具体的に指摘します。
この記事を読むことで、漠然とした「かっこいい名刺」の作り方ではなく、具体的にどのようにデザインすれば、かっこいい名刺になるのかがハッキリわかりますから、読み終わったころには、あなたもかっこいいデザインの名刺を作ることができるようになります。
終わりには、無料のデザインツール『Canva』を使って、実際に名刺づくりのプロセスもご紹介します。記事を読みながらでも作成ができるので、名刺づくりをしたことがない方もぜひ一緒に試してみてください。
まずはじめに「かっこいい名刺」とはどんなデザインのことを言うのか、具体的な例を挙げながら、かっこよさの4つの理由をご紹介します。
「かっこいい」という言葉の定義は個人によって微妙に違いはありますが、誰が見ても「かっこいいね!」と評価されるデザインは確実に存在します。かっこよさの理由を具体的にひとつずつ検証していきましょう。
かっこいいと名刺と言われる理由のひとつは、限られたスペースに厳選した情報だけを掲載しているということです。名刺のサイズはとても小さいので、目一杯情報を詰め込んでしまうと窮屈な感じになり、デザインをかっこよくすることが困難になるからです。
日本の名刺のスタンダードなサイズは91mm×55mmで、手のひらに収まるサイズです。この小さな紙にどれだけ情報が詰め込めるものでしょうか。
以下に名刺のオモテ面に入れることが多い項目をまとめました。
名刺に入れる主な項目一覧
Add column header | Add column header |
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氏名 | 最も重要な要素。読みにくい漢字などには《ふりがな》をふる |
役職・肩書 | 自分の役職・肩書は氏名の近くに入れる。横書きであれば、氏名の左横、または左上に、縦書きであれば氏名の右上に表記。文字のサイズは氏名よりも小さくする |
会社名 | (株)などと略さず、株式会社ときちんと書く。相手に信頼感と安心感を与えやすいのでビジネス用の場合には必ず入れること |
住所 | 郵便番号、都道府県名は省略せずに記載。ビル・建物の名称や階数も略したりしないで入れる |
電話番号(FAX番号) | 会社員の場合は会社の代表番号を記載。内線番号も併記しておくとさらによい。個人の場合は、携帯電話の番号だけでもOK |
携帯電話の番号 | 会社員は会社が支給している携帯電話の番号を記載するが、必要に応じて個人所有の番号を入れてもいい(営業職などの場合) |
メールアドレス | 最近では、SNSアカウントのメッセンジャー機能などを使って連絡を取り合う場合もあるので、一番連絡の取りやすいアドレスを載せるのが好ましい |
URL | 自社運営のウェブサイトURL、SNSアカウント等を入れる。ECサイト運営会社ならショッピングサイトURLも併記。個人の場合はブログのURLやSNSアカウント等 |
ロゴ | 企業名刺の場合は入れたほうが印象に残りやすい |
その他 | 経営理念やキャッチフレーズ等 *名刺ウラ面に入れることもある |
かっこいいデザインの名刺は、載せる情報を極限まで絞っています。名刺はウラ面も利用できるので、オモテ面は氏名と電話番号のみ掲載して、残りの情報はウラ面に掲載するといった工夫が必要になります。
会社のロゴマークをメインに配置し、「氏名、肩書、電話番号、サイトURL、メールアドレス」のみという非常にシンプルなデザインに仕上げている。
洗練されたフォント(文字)を使っていることも、名刺がかっこいい理由のひとつです。印刷用の文字には千を超える種類があり、フォントごとに印象が違うからです。
たとえば、スーパーの激安チラシには、勢いがあって少し丸みがあり、サインペンで書いたような太い「ポップ体」と呼ばれる文字が使われます。「10%OFF」などの文字がとても目立つように作られているのです。
仮にポップ体を名刺に使った場合、確かに目立つかもしれませんが、かっこいいと言われることはほとんどないでしょう。なんとなくスーパーのチラシのような安っぽいイメージを連想させてしまうからです。
各フォントごとに印象があるので、自分のイメージに合っているフォントを見つけて使うことが重要です。
フォントによる印象の違い
わかりやすく、明朝体、ゴシック体、デザイン書体(ポップ体)を並べてみました。明朝体は、やわらかく上品なイメージ、ゴシック体は、強くはっきりした印象を与えることがわかると思います。
デザイン書体であるポップ体は、パッと見ただけで、ユーモラスで楽しげな感じが伝わってきますが、かっこいい印象からは、かけ離れていることがわかります。
明朝体
ゴシック体
デザイン書体(ポップ体)
デザイン例
背景の画像にマッチしたフォントを使い、モダンでクールなイメージを醸し出している
デザイン例
アルファベットに比べて、漢字やひらがなはかっこよくフォントを組むのが難しい。文字と文字の間隔や行間にこだわってデザインすることがかっこよくするコツと言える
画像出典:Pinterest
かっこいい名刺は色数が非常に少なく、柄や模様もポイント使いにとどめて、非常にシンプルなデザインになっています。色数が多くなるほど、柄や模様がたくさん入るほど、暑苦しいデザインになってしまうので、最小限の色、情報量に抑えることがかっこいい名刺にするコツです。
デザイン例
2 色使いは色の組み合わせで印象が異なる。デザイン作成時点で試行錯誤を行うことで最適な配色にたどり着ける
画像出典:Pinterest
名刺の台紙の素材や加工にこだわることによって、かっこいい名刺になります。デザイン自体はあくまでもシンプルに徹することで、紙自体のニュアンス、手触りが強く印象に残る名刺になります。
一般的な名刺に使われる紙は以下のようになります。
通常台紙に使われる紙よりも厚みのある紙を使えば、エンボス加工(文字を浮かび上がらせる加工)や箔押し加工(金箔など、箔フィルムを紙に定着する加工)などを施すことができます。ただし、通常の印刷費用よりも多額の費用がかかるので注意しましょう。
デザイン例
元々のデザインがしっかり構成されていないと、エンボス加工や箔押し加工をしてもデザインが引き締まらないので注意する
画像出典:Pinterest
名刺のデザインがダサくなってしまうのには理由があります。
かっこいいデザインの名刺を作成する際に迷ったり悩んだりしたら、この3つの理由を思い出してデザイン構成をやり直してみることをおすすめします。
デザインに使用しているフォントがダサい場合も、かっこいい名刺にはなりません。厳密に言うと、ダサいフォントが存在しているのではなく、使用目的に合っていない使い方をするからダサくなるのです。
たとえば、スーパーの店内に貼り出されているPOP広告、チラシなどによく使われている「ポップ書体」と呼ばれるフォントがありますが、このフォントは、店内で目立つように視認性が高く作られており、顧客の購入意欲を高めるような元気な印象を与える書体です。
しかし、ポップ書体は名刺のようなビジネスの場で使用するもののデザインにはマッチしません。仮に使用した場合、個性的とかおもしろい人だと思われるかもしれませんが、かっこいい印象とはかけ離れてしまうでしょう。
明朝体を使った場合
ポップ書体を使った場合
日本語のフォントは数千種類以上存在していると言われていますが、フォント選びはかっこいい名刺にする際の決め手になるので、個性的過ぎる書体は避けるようにしましょう。
目立たせたいという気持ちが強くなってしまいデザインが過剰になると、かっこいい名刺とは言えなくなります。なぜなら、過剰なデザインは視認性が低くなってしまうからです。
かっこいいデザインとは、ただ見た目がいいだけではなく、伝えたい情報がはっきりと伝わり、本来の目的をしっかりと果たすものです。名刺であれば、名刺を渡した相手に、氏名や肩書・役職、連絡先などがきちんと伝わることが最優先事項になります。
名刺本来の機能をしっかり発揮することを念頭にデザインしていけば、過剰なデザインになることはありません。かっこいいデザインの名刺を作りたいのであれば、余白を活かしたメリハリのあるデザインを心がけましょう。
装飾が過剰で落ち着きがないデザイン
目立たせたいものが一目でわかるデザイン
要素を盛り込みすぎた名刺はゴチャゴチャしていて、かっこよくありません。なぜなら、ゴチャゴチャした状態は、かっこよさの一要素である「クール・洗練」と真逆な状態だからです。
優れたデザインの特徴は、ムダが削ぎ落とされて洗練されていることです。英語圏でかっこいいことを表すスラングの「Cool/クール」も、涼しげな感じがかっこよさを感じさせるので広まった言葉です。
要素を盛り過ぎると暑苦しい感じになってしまいます。名刺の場合はサイズ自体が小さいので、載せる情報は最重要項目のみに絞り、コンパクトにデザインをまとめないとかっこいい名刺にはなりません。
かっこいいデザインの名刺を作るのであれば、紙面に載せる情報は極限まで絞りましょう。
情報量が多くてゴチャゴチャしている
必要最低限に情報を絞って作成
名刺づくりのコツがわかったところで、簡単にかっこいい名刺が作れるCanvaをご紹介します。
『Canva(新しいタブまたはウィンドウで開く)』は、パソコンはもちろん、タブレットやスマートフォンでも利用することができる無料のデザインツールです。有料版もありますが、他のデザインツールのような体験版ではありません。無料で使える範囲内でデザインを完成させることが可能なので、充分利用価値が高いデザインツールと言えます。
ポスターからフライヤー、パンフレット、名刺、ロゴ、バナーなど、豊富なテンプレートが揃っており、気に入ったテンプレートを選んで、背景画像やフォント、色などを簡単操作で変えるだけでデザインを完成させることができます。
この章では
をくわしくご紹介します。
今すぐにでもかっこいい名刺が欲しい、作りたいという方は、すぐにCanvaにアクセスして、会員登録(新しいタブまたはウィンドウで開く)を済ませてください。
Canvaにはたくさんメリットがありますが、その中でも他のデザインツールにはないCanvaの強みを3つご紹介します。
特にかっこいい名刺づくりを短時間で完了させることができるのは、この3つがあるからです。
Canvaには、8,000を超えるテンプレートが元から用意されており、自由にアレンジして利用できるようになっていますから、デザインをどうしようかと悩むことがありません。
Photoshop、Illustratorといったプロユースのデザインツールを使ってデザインをする場合、ゼロからデザインを行わなくてはいけないことがほとんどです。なので、デザインを手がけたことがない初心者にはハードルが高く使いこなせないことが多く、自分の思い描いたようなデザインを仕上げるのは至難の技です。
しかし、Canva(新しいタブまたはウィンドウで開く)を使えば、自分のイメージしているデザインに似たテンプレートを選んでアレンジするだけで完成します。
Canvaの操作は非常に簡単ですぐに覚えることができます。そして簡単な操作で色を変えたり画像を入れ替えたりできるので、思いついたデザインのアイデアをすぐに反映させることができます。
スマートフォンやタブレットからも利用できるようになっているので、スマホの画像アプリなどを使用経験があれば、同じような感覚で画像の加工や修正ができるので、テクニックの習得などしなくても高品質なデザインを完成させることができます。
デザインが完成したら、自宅ですぐに印刷できます。外部の印刷会社に発注する前に自宅で試しに印刷してみたいという方も多いはずですが、すぐに確認できるので、決定稿を外部に発注する前に、色を変えたりしてデザインの微調整を行うことができます。
では実際に、Canvaを使ってかっこいい名刺づくりを行ってみましょう。
ステップは次の5ステップです。
初めてCanvaを使って名刺を作るという場合でも、5つのステップ全て終了するのに1時間もかからないと思います。慣れてくれば30分程度で完了できるはずです。
Canva(新しいタブまたはウィンドウで開く)にアクセスしてください。以下のような画面が出てくると思いますので、アカウントを作成しましょう。
スマートフォン、タブレットの場合はアプリをGoogle Play(新しいタブまたはウィンドウで開く) App Store(新しいタブまたはウィンドウで開く)からダウンロードして、同じようにアカウント登録を行なってください。
名刺のテンプレートの中から好みのデザインを選びます。
画像の入れ替えは簡単にできます。左側のサイドバーからアイコンの「写真」を選ぶと、たくさん候補の画像が出てくるので好みの写真を選んで挿入すればOK。挿入方法は選んだ画像をクリックするだけです。検索窓にキーワードを入れれば、絞った画像検索もできます。
左側サイドバーに並んでいるアイコンの「背景」を選べば、さまざまな色のグラデーションや模様なども挿入することができます。
画像を加工することも簡単にできます。たとえば、画像の色味の調整は、19種類のフィルターから好みの色合いを選べばOK。インスタグラムやスマホの写真加工アプリを使い慣れている方であれば、同じような手順でできるので、すぐに覚えられます。
画像の切り抜きや反転することもできますし、写真だけでなくイラストやロゴマークなどもテンプレートとして揃っているので、少し加工するだけで、オリジナルのロゴマークを作ることもできます。
シンプルなデザインの名刺を作りたい場合、文字(フォント)選びは非常に重要です。なぜならデザインがシンプルなので、文字が主役になることが多いからです。
Canvaなら、現在88種類のフォントから選ぶことができます。瞬時に入れ替えることができるので、色々なフォントを試してみて、一番かっこいいフォントを選択しましょう。
文字の色も簡単に変更できる
文字の色や大きさ、太さ、文字の揃え方なども簡単に変更ができます。こちらも色々試せるので、自分のイメージした通りの名刺を作成してみましょう。
作成した名刺はプリンターですぐに印刷できます。本刷りの前に試し刷りをして色味などを確認することができますし、個人で使用する名刺であれば、プリントする紙を名刺用の紙に変更すれば、そのまま裁断して名刺の完成です。
プリントの手順は以下のようになります。
印刷会社に発注する場合は、印刷会社に指定されたファイル形式でダウンロードしてください。
最後にかっこいいデザインの名刺とは、どんな名刺のことを指すのか復習しておきましょう。
かっこいいデザインの名刺を作れるようになるためには、優れたデザインの名刺をたくさん見てかっこよさの本質を見抜けるようになることも必要ですが、自分でもいくつか作成してみて試行錯誤することも大切です。
Canva(新しいタブまたはウィンドウで開く)はデザイン初心者がデザインの腕を磨くのに最適のツールです。ぜひいろいろと試してみてください。