幾何学的な図形やパターンを充分に活用できていますか? 幾何学パターンは非常に有用なツールのうちのひとつです。正しく用いることができれば、とてもフレキシブルで視覚的にも効果が高い、その上で機能的なデザインを作ることができます。デザインを躍動感あふれる、エレガントなスタイルにできるのです。
ここでは、幾何学パターンを用いた50の美しいデザインを紹介します。 さらにCanvaで幾何学パターンを使ったデザインテンプレートも6つほど紹介しますので、そのままデザインに活用いただければ嬉しいです。
幾何学パターンは注意を引くことができますが、多くのパターンを組み合わせるなら、『息抜き』になるようなスペースを加えることで緩急のバランスを取らなければなりません。例えばStudio Platのパンフレットのデザインでは多くの幾何学パターンが用いられていますが、その内側を見てみるとシンプルな白いスペースが広がっており、全体としてバランスの取れたデザインとして完成されています。
美しい幾何学パターンとダイカットを合わせて用いることで、デザインに全く異なるニュアンスや印象を与えることができます。Naomi Farrarの文房具店、Inkで用いられているデザインでは切り抜きを窓のように用いることでカラフルな幾何学パターンがそこから見えるようになっています。個のデザインもまた、カラフルな幾何学パターンに余白部分を加えることでバランスを取ることに成功しています。
幾何学パターンを用いる上でのポイントは、それがデザイン全体の一部となるようにすることです。Smitten Studioの例を見てみると、シンプルでオーガニックな茶色いカードに対し、大地をイメージするような色合いの幾何学パターンの模様が見事に調和しています。デザインにぴったりであると感じられるまで、パターンの形や色、使い方について色々と研究してみると良いでしょう。
写真と幾何学的な形を組み合わせることで、よりシャープで目を引くデザインを作ることができます。このForeign Policyの例では、幾何学図形と写真を様々な形で組み合わせ、落ち着いた色合いのビンテージカラーで統一することで、ありふれた平凡な写真を、意外性のあるシャープでスタイリッシュなデザインに昇華しています。このように、大胆な組み合わせを試すことで、今までにないデザインが生まれることもあるのです。
幾何学的な形はアピール力が強いので、ロゴとの相性も抜群です。The City of Melbourneのブランドデザインはこれを実践し、数多くのバリエーションを生み出しています。Mの形に様々な幾何学パターンを組み合わせることで、ロゴに深みと躍動感、フレキシブルさが加わっており、それでいてブランドとしての完成度は損なわれていません。
グラデーションも幾何学パターンも単体で優れたデザインですが、組み合わせれば更に素晴らしいものが生まれます。Silvio Kettererの以下のデザインでは、シャープで直線的な幾何学パターンとグラデーション要素を組み合わせることで、プロフェッショナルで印象的なデザインとなっています。
Colado by Silvio Ketterer
デザインの中でパターンを用いる際、拡大したり縮小したりしてみるのも良いでしょう。拡大して大きなブロックを見せたり、縮小することでより細かいテクスチャーとして見せたりすることで、様々な見た目で見せることが可能になります。Anna Trympaliの例を見てみると、基本の幾何学デザインを縮小・拡大することで様々なバリエーションを生み出していることが分かるでしょう。
全体をごちゃっとした印象にしないため、デザインにおいては3色より多くを使うべからず、という基本のルールがありますが、ルールは破るためにあるものという言葉もあります。Urtdの例を見てみると、派手なパターンと様々な色を組み合わせたデザインでありながら、全体としては印象的でまとまった完成度となっています。何事も挑戦してみることが重要であると分かるでしょう。
形や模様、色を組み合わせることで、ダイナミックで美しい全体像を作ることもできます。G Design Studioの以下の作品を見てみると、様々な形と模様、色を組み合わせることで、楽しげでシャープで、魅力的なデザインになっています。 このデザインはVakaloというデザインカレッジに提供されたもので、『グラフィックデザインとインテリアデザインというVakaloの専門分野を表すため、大胆なパターンを用いている』とG Design Studioは語っています。『このパターンは、構成や全体の組み合わせの基礎となるような基本的なデザイン講習の内容に影響を受けたものだ』とも言われている通り、様々な素材を組み合わせることで美しいバリエーションが生まれることもあるのです。
幾何学パターンと文字を組み合わせると、楽しくワクワクするような見た目が生まれます。Lili LiによるAeroplayの例を見てみると、そのロゴには幾何学的な形のパターンが用いられており、このロゴや文字が更に商品のパッケージにも用いられていることが分かります。
Canvaのデザイナーが選んだ幾何学模様を使った人気のテンプレートを6個紹介します。気に入ったものがあったらクリックしてすぐにデザインをすることができます。
カラフルなデザインの代わりに色を限定することでモノクローム的な色調にして幾何学デザインと組み合わせると、非常にシャープでより効果的なデザインを作ることができます。Kilo Studioの作品(Flock Cafeに対するデザイン)はそれを体現していると言えるでしょう。 『このカフェのコンセプトであるComing together(一緒になる)をそのデザインのアイデンティティとして採用し、様々なパターンを用いることでカフェの色々な部分を表しながら、その部分ひとつひとつが全体として無限の組み合わせを成している』とKilo Studioが説明している通り、全体としてひとつのデザインを作り上げながら細かいパターンを組み合わせ、その上で洗練された色使いをすることができれば、繊細ながら目にうるさくないデザインとなるのです。このように、使うパターンや模様の種類を増やすならその分色使いはベーシックなものとすることで、パターンのアピール力を最大限活かすことができるでしょう。
パターン化するアイデアの種はあらゆるところに転がっています。文字の形もそうした種のうちのひとつで、Atelier Ivorinの作品を見てみると、Mの形を繰り返すことでパターンに昇華しています。企業をイメージさせるようなシグニチャーカラーと一緒にこのパターンを使うことで、シャープでモダンな、目を引くデザインが完成しています。
パターンというとある特定の形の連続した配置が想像されるのが常ですが、直線的でないデザインに挑戦するのもまた効果的です。Olivia Kingの例を見てみると、アシンメトリーの多面的デザインが使われており、美しく、様々な媒体に利用できるパターンとして完成されています。時にはグリッドを用いずに、人の手でパターンを生み出すことでユニークかつ確立されたスタイルの見た目を生み出すことが可能になる場合もあるのです。
見た目としてうるさい模様は避けたい、しかし同時に力強い印象は与えたいという場合、活版印刷を試すのが良いでしょう。Laurie DeMartino Design Co.の名刺を見てみると、様々なパターンを主な要素として配置しながら、それを活版印刷することで三次元的かつ触覚的に楽しいデザインを作り出しています。 このデザインで注目するべき点として、無色のデザインが多いことが挙げられます。活版印刷によるパターンの浮き出しだけを用いることにより、より繊細でクラス感のあるパターンを作り出しているのです。
写真を使いながら幾何学デザインを取り入れたいなら、写真自体を幾何学的なパーツとして切り出し、それをパズルを崩すように再配置するのを試してみると良いでしょう。Melissa Zambranaの例を見てみると、写真を様々な形で切り出し、それを新たな形で組み合わせることで、写真に新たな見た目を与えつつユニークなデザインを作り出しています。
幾何学パターンを用いてモザイク的なデザインを作り出すことも可能です。それぞれの形を相互につなぎ合わせることにより、目線を直接的に誘導することもできるのです。これを実践しているのがAidan Stonehouseの例で、幾何学的な形と写真を組み合わせることで更に効果を高めています。
ピクセルの形それ自体が幾何学であり、これもデザインの種となる場合があります。Joe Kralの例を見てみると、ピクセルの形を利用してレイヤー的効果を作り出しているのが分かるでしょう。それぞれの要素の位置も適切で、こうしたデザインにおいては要素の配置が非常に重要であることも分かります。
派手すぎず、かつ画像などの他の要素とも相性が良いパターンをお探しなら、ワイヤフレームデザインを試してみるのも良いでしょう。Eight Hour Dayの例では、細い線と透明の部分を組み合わせることで、写真などの上に配置しても写真を邪魔しないような、それでいて写真に対してブランド感を与えることのできるようなパターンが実現しています。
幾何学パターンを正しく用いれば、擬似的に『動き』を与えることもできます。以下の例では全体の『波』の形により、デザインがうねって見える効果が生まれています。この効果が損なわれないよう、このイベントの出演者の名前は波の線の中に書かれていることに注目です。
様々なパターンを用いることで、全体としてより大きな全体像が見えてくるといったようなデザインも良いでしょう。例えばPatrick Fryの作品は、幾何学デザインが相互に関連するようになっていて、全体としてより大きなパターンを作り出す一部でありながら、その一部単体としても優れたデザインに見えるようになっています。単純な円・半円の形を冊子のページの両側に配置することで、つい他の冊子と組み合わせてみたいと思わせるのです。それ自体ではポップで派手になりがちなデザインがそう見えないのは、余白部分のスペースの取り方が絶妙だからと言えます。
The Globe Theatre Identity by Patrick Fry
幾何学パターンにユニークなタッチを加えるなら、素材を重ね合わせる際に工夫をするのも良いでしょう。この例では文字の上と下に重なるようにデザインが配置されており、全体として面白い効果が生まれています。
特定のパターンだけを用いるのはつまらない、そう感じるのなら、思い切って使いたいパターンを全て使ってみるのも良いでしょう。以下のHofstede Designの作品はそうした様々なブロック状のパターンと幾何学シンボルを組み合わせることで、パッチワークのようなデザインを作り出しています。全体では17の異なるパターンが用いられており、これは同チームの適用力の高さと視覚的表現を表しているとされています。
幾何学パターンは単に動的でシャープなイメージをブランドにもたらすだけでなく、クラス感や洗練さを与えることにも繋がります。以下の例では、シンプルかつ繊細なパターンを用いて柔らかい色合いと組み合わせることで、全体として確立されたスタイルを思わせるユニークな効果が生まれています。ブランドと幾何学模様が合わないという場合でも、幾何学模様の方をブランドに合わせて用いることは可能なのです。
何をパターン化してデザインとするかのアイデアは、時に『何がブランドと関連している形と言えるか』を考えるところから始まります。例えばBee Visualのブランドで用いられているのは八角形のパターンですが、これは蜂(Bee)の巣を表しています。このようにシンプルな要素でブランドを表現することで、ブランドのイメージを意識させながら、更にパターンの中で用いる色使いによりブランドをより生き生きとしたものとして感じさせることができるのです。
Factory Northの名刺にはいくつかのパターンがあり、シンプルで異なる幾何学模様と色使いで3つのバリエーションが作られています。これにより、それ単体でも多様かつフレッシュな印象の名刺は、他の名刺と一緒に見られることで更に素晴らしいものであるように感じられるようになるのです。また、名刺全体の半分をデザインに使いつつもう半分は情報部分としていることで、バランスを上手く取っている点にも注目したいところです。自分のお気に入りのパターンや模様を名刺の大半のデザインとして用いながら、複数のバリエーションを作ってしまうというのもアリだという一例であると言えるでしょう。
力強い写真と力強い幾何学図形の組み合わせは、やはり力強いデザインになります。全体としてコントラストが利いた、ユニークでミステリアスな雰囲気が生まれるのです。 以下のデザイン(Josip Kelavaの作品)では写真の他にネガティブスペース(余白部分・天地の地の部分)も組み合わせることで、様々な要素が互いに比較されながら提示され、それでいて全体のデザインの一部としても認識されるようになっています。コントラストの利いている色使いにより、幾何学模様による視覚的アートに動きが生まれているのです。
ポップな色使いとシャープなモノクロのパターンを組み合わせることで、効果的にコントラストを生むことができます。Anagramaの例では、パステルピンクやミントグリーンといった色合いと、迷路のようなモノクロ色のパターンを組み合わせることで、記憶に残りやすいデザインが完成しています。必ずしもパターンにより色の効果を補足しなければいけないというわけではありませんが、うまく利用できれば素晴らしいデザインが生まれる一例と言えます。
写真と幾何学的な図形を同時に用いることで、視覚的に面白い効果が生まれる例もあります。Caroline Grohの作品を見てみると、ダンサーの写真に幾何学的な図形を組み合わせることで、その動きを補強していることが分かります。
幾何学模様を使うなら、錯視効果をデザインの一部にしてみるのも面白いでしょう。例えば以下の例では、幾何学的なパターンの中にドクロが浮かび上がる錯視がデザインとして盛り込まれています。
柔らかいグラデーションや様々な透明効果を用いることで、幾何学模様に更に面白いタッチを加えることもできます。Halen&Co.の作品例を見てみると、イレギュラーに隣り合う三角形が少しずつグラデーションを帯びており、所々には透明の効果が使われています。結果としてシンプルかつ多面的なデザインになっており、まさにプロフェッショナルといった印象です。
パターンや模様をブランドに合わせて用いることについては既に触れた通りですが、既存のブランディング要素を逆にパターン化することも可能です。TextielMuseum / TextielLabの例がまさにこれを実践しています。ブランド名からT、M、Lを取り出してこれを様々な透過率や色の組み合わせで配置することにより、意味のあるパターンを作り出すことに成功しているのです。
シャープでカラフルな印象の幾何学デザインを作りたいなら、複数の形と色を組み合わせたデザインの例としてThomas Kronbichlerの作品を参考にすると良いでしょう。以下の例では、フォントをserifに、ボーダーを付けてその部分を読みやすくする程度にとどめており、全体としてうるさすぎないデザインになっています。このように、様々な形を組み合わせてデザインを作るときには、その幾何学デザイン以外の部分はシンプルにすることが重要です。
幾何学デザインを用いるだけでは物足りないというのなら、幾何学デザインを切り抜いて表現することで、触覚的にユニークなデザインを作るのはどうでしょうか。Smriti Kariwalの名刺はそうしたデザインの一例で、これはステンドグラスからインスピレーションを受けたものです。このようにデザインや名刺の本質的な在り方に手を加えた場合、それ以外の場所はシンプルにしておくのが良いでしょう。
シンプルで大胆な、それでいてコントラストの強いデザインをお探しながら、シンプルな模様を作り出してそれを組み合わせるのが良いでしょう。Daniel Brox Nordmoの例を見てみると、太く黒で描かれた山のようなデザインにより、シンプルなserifのフォントが補強され、ミニマルデザインのパッケージングとも高い親和性を実現しています。また、ジグザグのパターンを、タグを切ることによって演出している点にも注目です。シンプルなパターンでも、ブランディングに絶大な影響を与えられる一例と言えるでしょう。
よりミニマル的デザインが良いということであれば、Frank & Oakのデザインが参考になるでしょう。この例では、ストライプのパターンを用いることにより、シンプルかつクラス感のある、クリーンな雰囲気が保たれています。幾何学模様を用いる上で、装飾の強い細かいデザインを作る必要は無いという一例だと言えるでしょう。はっきりとしたライン、シンプルな配色、シャープな色使いにより、全体のバランスが取れており、デザインはエレガントかつ目を引くものとなっています。
ハンドクラフト的な模様とよりシャープな印象のグラフィックパターンを組み合わせることでも、記憶に残るような素晴らしいコントラストが生まれます。Mary Rabunの作品ではこれを実践していて、アナログとデジタルの融合によりオリジナリティのあるデザインとなっています。
幾何学的なパターンはおよそあらゆるものを表現することができます。例えばFlat-eが実践しているように、幾何学模様で顔を表現することも可能なのです。幾何学模様とテクスチャー、ビビッドなカラーを組み合わせることで、三次元的な顔を表現することに成功しています。更にゴールドのスリーブを用いることで、より飛び出すような効果が生まれている点にも注目です。
Melissa Baillacheの以下の作品を見てみると、ダンサーの写真を用いながら、等間隔で円を配置することで、ユニークかつ美しいデザインを作り上げています。切り抜きやフレーミング、色使いのいずれも戦略的で、いずれもミラーボールをイメージした結果の産物となっています。少し抽象的なイメージに近づいていますが、実験的デザインとして成功している一例であると言えるでしょう。
パターンを配置することで機能的にものを見せながら、同時に美しく飾る要素とすることも可能です。Built by Buffaloの例では六角形にそれぞれ写真やフォント、画像が使われており、これにより色使いとスタイルがオーディエンスに一目瞭然で分かりやすくなっています。
幾何学模様はほぼ全ての状況で有効に活用できるツールであると言えます。Kristine GulheinとDaniel Brox Nordmoによる以下の例を見てみると、本当に『ほぼ全ての状況で』有効活用できるのだということが分かるでしょう。 これについて作成者のKristineは、「ファッションは常に変化と進化を続けており、これをメインのインスピレーションとした。ロゴにおけるドットは線と線を結ぶ点となるもので、様々なバリエーションのロゴを作り出せるのだ」としています。 つまり、グリッドとなるシンプルな点をロゴの基調とすることにより、状況に合わせて様々なバリエーションを生み出すことができるフレキシブルなロゴを作り出すことに成功しているのです。更にそれらを組み合わせることで、より大きなデザインを作り上げることも可能にしています。
HiOA : Mote & Produksjon by Kristine Gulheim and Daniel Brox Nordmo
ダイヤモンドを思わせるような幾何学パターンを用いながらイメージが鋭くなりすぎないようにしたいなら、異なる質感を加えることでシャープさを和らげることを試してみましょう。Scott Hillの名刺のデザインを見てみると、多面的な形と綺麗なゴールドのフォントを用いながら、繊細なパターンと形の組み合わせによって『外し』が加えられており、これによってファッショナブル感が高まっています。裏面にはワイヤーフレームでのデザインが用いられていることで、全体としてシャープになりすぎない印象になっています。
優れたデザインには何らかの意味合いや意図が隠されているものです。Stefan ZimmermanのInternationale Spieltage SPIEL(ボードゲームの大手トレードイベント)への作品を見てみると、中国のパズルであるタングラムに影響を受けたデザインであることが分かります。シンプルな幾何学図形のパターンと大胆かつビビッドな配色でタングラムを表現し、ボードゲームとしての意味合いをデザインの中に込めることに成功しています。あなた自身と結びつく要素を考え、それをデザインの要素として取り入れることでも、優れたデザインは生まれるのです。
Stefania Criscuoloのこのデザインの配色は寄り落ち着いた色合いで、かつ幾何学図形をシンプルに組み合わせることでプロフェッショナル感を演出しています。要素を厳選して最低限の要素にまとめて配置することで、全体として最大の効果を得ているのです。
ピクセルがデザインの元になるなら、8ビットアートもデザインの元になるでしょう。Pete Tongのデザインはこれを実践した一例で、幾何学かつブロック的なデザインを8ビット的に表現し、原色をメインに用いることで、シャープかつモダンで、更に若々しいブランドイメージを伝えることに成功しています。レトロゲームを思わせる8ビットアートも、時にモダンなデザインとして生まれ変わるということです。
メタリックな質感と幾何学模様の相性も抜群です。Coralie Bickford-Smithの以下の作品を見てみると、宝石を思わせる色合いとシンプルなserifのフォントの組み合わせにより、幾何学模様がエレガントかつクラス感のある雰囲気を漂わせています。
いくつかの幾何学図形と適切な色使いを組み合わせることで、更にクレバーなデザインを作り出すことも可能です。Church of Londonの以下の作品では、幾何学図形を用いることでキャラクターの肖像画を作り出していますが、青と赤でそれぞれ別の顔になっているのがポイントです。それぞれの肖像画は重なっているにも関わらず、それぞれに対応したレンズを通して見れば別の顔が浮かび上がるという仕組みになっています。
例えば何かを説明するときに要素ごとに異なる色使いをすることはよくありますが、要素ごとにパターンを変えるというのもひとつの選択です。シンプルな幾何学模様に異なる色づけをすることで、それぞれの要素にぴったりとハマる区別化が可能となります。
適切な位置に配置された優れたパターンは、デザイン全体の注目点になります。以下のデザインを見てみると、黒の幾何学模様をラベルのデザインとして用いています。特に特徴的なイラストというわけではありませんが、飲み物の色とのコントラストが利いていて、全体として優れたデザインとしてバランスが取れていることが分かるでしょう。
ミニマルデザインと幾何学模様の相性は抜群で、互いにバランスを取り合うような効果があります。例えば以下のThe Nordicのデザインを見てみると、ミニマリズムと不変性、そして北欧文化のコントラストをイメージしたデザインになっており、スカンジナビアの幾何学模様からインスピレーションを受けたパターンはパワフルなコントラストを生み出し、スカンジナビアの自然を表すようなイメージを伝えることに成功しています。 色鮮やかなブルーとミニマルなロゴデザイン、そしてシンプルな要素と見た目に派手な要素を組み合わせることで、心に残るデザインが完成しているのです。
幾何学模様を用いる際、一目で分かるような図形やビビッドなカラーを用いる以外の方法もあります。細身で繊細な幾何学模様を用いることで、機能的かつ美しく、その上で力強くシャープな印象を与えることができるのです。以下はあるレジュメ(履歴書)のデザインですが、その繊細な幾何学模様はメインで用いられているフォントと抜群の相性で、全体としてクリーンかつエレガント、そしてプロフェッショナルな印象となっています。
幾何学模様はあらゆるところで見ることができます。効果的に幾何学模様をデザインに転化している例を見ていく上で、更にそれがどうして効果的なのかを考え、その効果について研究を深める中で自分が好きなパターンを見つけていくと良いでしょう。
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