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  1. アクセシビリティとは?具体例や導入手順をわかりやすく解説

アクセシビリティとは?具体例や導入手順をわかりやすく解説

基本からウェブアクセシビリティの具体例、法制度やガイドライン、導入の手順、そしてアクセシビリティを高める方法までをわかりやすく解説します。
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アクセシビリティとは?具体例や導入手順をわかりやすく解説

最終更新日 : 2026年6月16日

▼記事のまとめ

  • アクセシビリティは「誰もが等しく利用できる状態」をつくる考え方。Webでは代替テキスト、十分なコントラスト、キーボード操作対応、字幕などで実現できる。
  • 導入手順は「方針策定→設計段階から考慮→ガイドライン準拠で実装→ユーザーテスト→継続改善」で可能。
  • 無料デザインツール「Canva(キャンバ)」を使えば、ピクトグラム付き看板、多言語チラシ、字幕付き動画などを直感操作で作れ、チームで共有しながらアクセシブルなデザインを素早く作成できる。

インターネットや日常生活で「情報が見づらい」「操作しづらい」と感じたことはありませんか?

その原因のひとつが「アクセシビリティ」にあります。アクセシビリティとは、障害の有無や年齢、利用環境にかかわらず、誰もが平等に情報やサービスへアクセスできるようにする考え方のことです。

本記事では、アクセシビリティの基本からウェブアクセシビリティの具体例、法制度やガイドライン、導入の手順、そしてデザインツール「Canva(キャンバ)」を使ってアクセシビリティを高める方法までをわかりやすく解説します。

「誰にとっても使いやすいデザイン」を実現したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

※本記事で使用している画像は、全てCanva(キャンバ)で作成しています。

目次

アクセシビリティとは

アクセシビリティとは

アクセシビリティ(Accessibility)とは、「誰もがアクセスできる状態」や「利用のしやすさ」を意味します

情報やサービス、製品、施設などに、年齢・性別・障害の有無・言語・利用環境にかかわらず、すべての人が平等にアクセスできることを目指す考え方です。

たとえば、駅のバリアフリー設備や、展示会場での多言語案内、字幕付きのテレビ番組などはアクセシビリティ向上の一例です。これらは、幅広い利用者にとって便利であり、結果として社会全体の利便性を高めています

アクセシビリティは、日常生活だけでなく教育、公共サービス、デジタル技術などあらゆる分野に関わる重要な概念であり、現代社会でますます注目が高まっています。

ウェブアクセシビリティとは

ウェブアクセシビリティとは

アクセシビリティの中でも特に重要なのが「ウェブアクセシビリティ(Webアクセシビリティ)」です。

これはウェブサイトやアプリなどのデジタルコンテンツを、障害の有無や利用環境にかかわらず、すべての人が利用できるようにすることを指します。

たとえば、以下のような工夫がウェブアクセシビリティの具体例です。

  • 画像に代替テキスト(alt属性)をつけ、スクリーンリーダーで内容を伝えられるようにする
  • 色覚に依存しないデザイン(十分なコントラスト比、色以外の情報提示)
  • キーボード操作のみでもサイトを快適に利用できるようにする
  • 動画に字幕や手話をつけ、聴覚障害のある人にも情報が伝わるようにする

ウェブアクセシビリティは、特定の人のためだけではなく、すべてのユーザー体験を向上させる取り組みです。

ユーザビリティとの違いとは

ユーザビリティとの違いとは

しばしば混同される概念に「アクセシビリティ」と「ユーザビリティ」があります。

  • アクセシビリティ:誰でも利用できる状態を整えることに重点を置く。利用の障壁を取り除き、アクセス可能にすることが目的。
  • ユーザビリティ:使いやすさや快適さに重点を置く。効率的に操作できるか、ストレスなく目的を達成できるかに注目する。

たとえば、あるウェブサイトが「スクリーンリーダーで利用できるように作られている」のはアクセシビリティの取り組みであり、「検索窓が直感的で操作しやすい」のはユーザビリティの改善といえます。

アクセシビリティが担保された上で、ユーザビリティを高めることで、すべての人にとって使いやすいサービスになります。

他に混同されるものに、「ユニバーサルデザイン」もあります。ユニバーサルデザインは、幅広い人を対象にした設計思想であり、アクセシビリティはその一部として位置づけられるイメージです。

なぜアクセシビリティが重要なの?

なぜアクセシビリティが重要なの?

アクセシビリティは「誰もが利用できる環境をつくる」ための基本的な考え方で、現代社会においてますます重要性が高まっています。その理由について解説します。

高齢化社会と多様化する利用者への対応

日本を含む多くの国で高齢化が進み、視力や聴力の低下、身体的な制約を抱える人が増えています

さらに、外国語話者や一時的にケガをしている人、騒がしい環境でスマートフォンを使う人など、一見「健常者」とされる人でも状況によってはアクセシビリティの恩恵を受けることがあります。

社会的責任と法制度への対応

アクセシビリティは、障害のある人の権利を守る観点からも欠かせません。日本では「障害者差別解消法(新しいタブまたはウィンドウで開く)」や「JIS X 8341-3(新しいタブまたはウィンドウで開く)」などの指針が整備され、公共機関や企業にも配慮が求められています。

2024年4月1日には、障害者差別解消法の改正により、民間事業者も含め「障害のある人への合理的配慮の提供」が義務化されました。

世界的にもWCAG(Web Content Accessibility Guidelines)(新しいタブまたはウィンドウで開く)をはじめとした国際基準があり、法的義務や社会的責任としてアクセシビリティ対応が広がっています

ビジネス上のメリットと効果が高い

アクセシビリティ対応は、単なる義務ではなく企業や組織にとってのチャンスでもあります。

  • ユーザー体験(UX)の向上による利用者満足度アップ
  • 利用者層の拡大(高齢者や障害のある人を含む幅広い層が対象に)
  • 企業ブランドの信頼性・社会的評価の向上

特にデジタル領域では、アクセシビリティを意識することで SEO(検索エンジン最適化)にも間接的な効果をもたらします

検索エンジンはユーザーにとって使いやすいページを評価するため、画像の代替テキストや見出し構造の最適化など、アクセシビリティ対応がSEO施策とも親和性が高いのです。

すべての人に価値を届けられる

アクセシビリティは「特別な配慮」ではなく、「誰もが当たり前に利用できる社会をつくるための基盤」です。公共性が高まるインターネットやサービスにおいてアクセシビリティが欠けると、多くの人が情報や機会から取り残されてしまいます。

だからこそ、アクセシビリティは単なる技術的な取り組みではなく、社会の包摂性を高める姿勢そのものと言えます。

アクセシビリティに関する規格・ガイドライン・チェックリスト一覧

アクセシビリティに関する規格・ガイドライン・チェックリスト一覧

アクセシビリティを実践するうえで、国際的・国内的に定められた規格やガイドラインを理解しておくことは欠かせません。ここでは参考にできるガイドラインをご紹介します。

WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)

W3C(World Wide Web Consortium)が策定した国際的なガイドラインです。世界中のウェブアクセシビリティ対応の基盤になっています。

◾️主な原則(4原則)

  • 知覚可能(Perceivable):文字・画像・音声などの情報を知覚できること
  • 操作可能(Operable):マウス、キーボードなど多様な方法で操作できること
  • 理解可能(Understandable):内容や操作方法がわかりやすいこと
  • 堅牢(Robust):支援技術を含め、さまざまな環境で正しく利用できること

◾️適合レベル

達成基準はA〜AAAの3つの適合レベルに分類されます。

A(最低限)/AA(推奨水準)/AAA(最高水準)

現在は「WCAG 2.1」が広く参照されており、今後は「WCAG 2.2」への移行が進んでいます。

日本産業規格「JIS X 8341-3」

日本工業規格(JIS)におけるウェブコンテンツのアクセシビリティ規格で、WCAGをベースに国内向けに整備されたものです。

行政機関のウェブサイトでは特に準拠が求められており、民間企業でも参考にすべき基準とされています。

適合レベルは、WCAGと同様にA/AA/AAAがあり、通常はAAへの対応が目標とされます。

デジタル庁「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」

デジタル庁は日本政府の「デジタル政策」の中心組織として、ウェブアクセシビリティの推進においても重要な役割を果たしており、導入ガイドブックを提供しています。

導入ガイドブックは、アクセシビリティの基本概念、実践方法、ガイドラインの使い方をわかりやすく解説する入門的な資料です。これにより、行政機関だけでなく民間も同じ基盤知識を持てるようになっています。

WAIC(ウェブアクセシビリティ基盤委員会)

WAICは、JIS X 8341-3の普及や理解促進のために設立された委員会で、ウェブ制作者や企業が参考にできる解説・チェック方法を公開しています。公式サイトでは、技術的な解説や事例、チェックリストが提供されており、実践に役立ちます。

アクセシビリティ対応の第一歩として、上記の資料を参考にしてチェックリストを作成してみましょう。以下はチェックリストの一例です。

項目チェック
画像に代替テキスト(alt属性)が設定されているか⬜︎
見出し(h1~h6)が正しい階層構造でマークアップされているか⬜︎
色だけで情報を区別していないか(色覚多様性への配慮)⬜︎
テキストと背景のコントラスト比が十分か(4.5:1以上が推奨)⬜︎
キーボードだけで全ての操作ができるか⬜︎
フォームにラベルやエラーメッセージが適切についているか⬜︎
動画や音声に字幕・テキスト代替が用意されているか⬜︎
ページの言語設定(lang属性)が正しく指定されているか⬜︎

アクセシビリティ対応の身近な具体例

アクセシビリティ対応は、専門的な技術だけでなく、日常的に身近な工夫としても見ることができます。ここでは、ウェブサイトやアプリ、さらには公共サービスでの具体的な取り組みを紹介します。

ウェブサイトでの具体例

ウェブサイトでの具体例

以下は、ウェブサイトで取り入れられるアクセシビリティの取り組みです。

  • 画像に代替テキスト(alt属性)をつける:視覚障害者がスクリーンリーダーで画像の内容を理解できるようにする。
  • 見出しやリストの正しい構造化:h1〜h6タグを適切に使い、ページの論理構造を明確にする。
  • 十分なコントラスト比の確保:テキストと背景の色のコントラストを高め、色覚多様性を持つ人にも読みやすくする。
  • キーボード操作のサポート:Tabキーでフォーカス移動ができるようにし、マウスを使えない人でも操作可能にする。
  • 字幕やキャプションの提供:動画や音声コンテンツに字幕をつけ、聴覚障害のある人や騒がしい環境の利用者にも情報を届ける。

アプリ・ソフトウェアでの具体例

アプリ・ソフトウェアでの具体例

以下は、アプリやソフトウェアで取り入れられるアクセシビリティの取り組みです。

  • 音声読み上げ機能への対応:iOSのVoiceOverやAndroidのTalkBackに対応するよう設計する。
  • ボタンやリンクの大きさ・間隔を確保:指でタップしやすいサイズにすることで、操作のしやすさを高める。
  • 操作の一貫性を保つ:ページごとにナビゲーションやUIを統一し、認知負荷を減らす。
  • 入力補助機能:入力ミスが起きやすいフォームにはリアルタイムでエラー内容を伝える。

日常生活・公共サービスでの具体例

日常生活・公共サービスでの具体例

以下は、日常生活や公共サービスで見かけるアクセシビリティの取り組みです。

  • 公共交通機関の多言語アナウンスやピクトグラム:言語が異なる人でも理解できるような案内表示。
  • 駅や公共施設のバリアフリー設備:スロープや点字ブロック、車椅子対応トイレの整備。
  • テレビ番組やイベントでの字幕・手話通訳:聴覚障害のある人も楽しめるように情報提供。
  • 電子書籍・デジタル教材のアクセシビリティ対応:読み上げソフトや文字サイズ変更への対応で教育の機会を広げる。

アクセシビリティを導入する5つの手順

アクセシビリティを導入する5つの手順

アクセシビリティ対応は、一度にすべてを完璧に行う必要はありません。段階的に導入して改善を重ねることが重要です。ここでは、企業や自治体、個人のウェブサイト運営者が参考にできる導入の手順を5つのステップで紹介します。

1. 方針を策定し、社内で共有する

まず「なぜアクセシビリティが必要なのか」を明文化したアクセシビリティ方針を作ります。

対応範囲や達成目標を定め、経営層から現場にまで共有することが大切です。方針はサイト上で公表することで、利用者や関係者への透明性を高められます。

2. 設計段階からアクセシビリティを考慮する

デザインやシステム設計の時点で、アクセシビリティを組み込むことが効率的です。

例えば、色覚多様性に配慮した配色を使う、フォントサイズの調整機能を想定する、ナビゲーションをシンプルにするなどに取り組めます。

事後対応よりも設計段階で考慮する方がコストも労力も削減できます

3. 実装時にガイドラインを適用する

開発の現場では、「WCAG 2.1」や「JIS X 8341-3」などのガイドラインのチェック項目を参照しながら進めます。

HTMLのセマンティクスを守る、alt属性を正しく設定する、フォームにラベルをつけるなど、基本的な実装を徹底します。

社内のフロントエンドやUI担当者だけでなく、デザイナーやライターとも連携すると効果的です。

4. テスト・検証を行う

専門的なツールを使って自動チェックを実施します。さらに実際の利用者テスト(スクリーンリーダー利用者、高齢者など)を取り入れると、現実に近い改善点が見つかります

デジタル庁やWAICが公開しているチェックリストを参考にするのも有効です。

5. 公開・改善を継続する

アクセシビリティは一度対応して終わりではなく、継続的な改善が必要です。

サイト公開後も定期的にチェックし、新しいコンテンツや機能追加時に基準を満たしているか確認します。

改善状況や試験結果をレポートとして公開することで、透明性と信頼性を高められます。

Canva(キャンバ)なら、デザインの力でアクセシビリティを高められる!

Canva(キャンバ)なら、デザインの力でアクセシビリティを高められる!

アクセシビリティ対応は「専門家だけができるもの」ではありません。Canva(キャンバ) を使えば、デザイン初心者でもアクセシビリティを意識したデザインやコンテンツを手軽に作成できます。

誰でも使いやすいドラッグ&ドロップ操作

Canvaは直感的に操作できる無料デザインツールです。ドラッグ&ドロップ操作で編集できるため、専門的な知識がなくても見やすく整ったレイアウトを実現できます。

アクセシビリティを意識した豊富なテンプレート

Canvaには、アクセシビリティを意識したデザインを実現できるテンプレートが多数揃っています。プレゼン資料(新しいタブまたはウィンドウで開く)SNS投稿(新しいタブまたはウィンドウで開く)動画(新しいタブまたはウィンドウで開く)チラシ(新しいタブまたはウィンドウで開く)ポスター(新しいタブまたはウィンドウで開く)などを作成できるため、アクセシビリティを高める工夫を取り入れてデザイン作成ができます。

以下は、アクセシビリティを意識したデザインテンプレート例です。

◾️ピクトグラムを使ったチラシや案内板

文字が読みにくい人や外国語が苦手な人でも直感的に理解できる。

◾️コントラストのはっきりしたポスター

赤色と白色を使った視認性の高いポスター。高齢者や色覚多様性を持つ人にもわかりやすい。

◾️字幕付きの動画

Canvaの動画編集機能を活用して、ナレーションをテキスト化。字幕として表示する。聴覚障害者だけでなく、音を出せない環境の人にも役立つ。

◾️多言語対応のチラシ

Canvaの翻訳機能を活用して、日本語・英語・中国語など複数言語でチラシを作成。外国人利用者に配慮したアクセシブルな印刷物。

フォント選びや配色、レイアウトの工夫も簡単

Canvaでは、読みやすいフォントや配色を選んだり、見出し・本文の階層をしっかりつけることで、誰にとっても理解しやすいデザインに仕上げることができます。多言語に対応した数百種類のフォントや配色の提案機能を活用できます。

チームでの共有・改善がしやすい

Canvaは、オンラインで共同編集が可能です。チーム全員でデザインを確認しながら、「文字が小さすぎないか」「配色が見づらくないか」などを話し合い、改善を重ねることができます。

まとめ

アクセシビリティは、障害のある人だけのための特別な配慮ではなく、すべての人に価値を届けるための社会的基盤です。高齢化や多様化が進む現代において、その重要性はますます高まっています。

Canva(キャンバ)を活用すれば、専門知識がなくてもアクセシビリティを高めるために役立つ、デザインを簡単に作成可能です。ピクトグラムを使ったチラシや多言語対応のパンフレット、字幕付き動画など、工夫次第でさまざまなアクセシブルデザインを形にできます

アクセシビリティ対応は義務ではなく、より多くの人に届くデザインをつくるチャンスです。今日からできる一歩を踏み出して、誰もが快適に利用できる環境を一緒に広げていきましょう。

よくある質問

ウェブアクセシビリティの4原則とは?

W3Cが定める国際基準「WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)」では、Webアクセシビリティを以下の4原則で定義しています。

  • 知覚可能(Perceivable):文字や画像、音声などの情報を誰もが知覚できること
  • 操作可能(Operable):マウスやキーボードなど多様な手段で操作できること
  • 理解可能(Understandable):情報や操作方法がわかりやすいこと
  • 堅牢(Robust):さまざまな環境や支援技術で正しく利用できること

これらを満たすことで、障害の有無や利用環境に関わらず、誰でも快適に利用できるウェブサイトを実現できます。

ウェブアクセシビリティは義務化されるのか?

現時点で、すべてのウェブサイトに対して全面的な義務化がされているわけではありません。ただし、日本では2024年4月の法改正により「障害者差別解消法」が強化され、民間事業者を含めたすべての事業者に「合理的配慮」の提供が義務化されました

つまり、利用者から「ウェブが使えないので改善してほしい」と要望があれば、事業者は対応する義務があります。さらに、行政機関や自治体のサイトでは「JIS X 8341-3」準拠が強く求められており、国際的にもWCAGに基づいた基準が法制度に組み込まれる流れが進んでいます。

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