Canvaで年次報告書を10倍速で作成!スタッフ全員が画像編集できるように

NPO法人アラジの下里さんに、どのようにCanvaを使ってデザイン業務の効率化をしたのかをお聞きしました。
Canvaでデザインを作成!
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アラジさんは、シエラレオネ共和国で活動する国際協力NGOです。最貧困家庭の子どもたちに、公教育への復学機会を提供しつづけています。

アラジさんは、Canvaを使うことで年次活動報告書を10倍速く作成できたり、だれでも画像編集をできるようになったそうです。

この記事の作成にあたり、代表理事の下里さんにインタビューを行い、どのようにデザイン作業の効率化を実現したのかをお聞きしました。もちろん、アラジさんの活動についても詳しくお聞きしています。

NPO法人アラジ 代表理事 下里夢美さん

この記事をきっかけに、Canvaのみならず、シエラレオネの子ども達にも関心を持っていただけることを願っております。

アラジとは?

—アラジさんについて教えていただけませんか?

私たちは、西アフリカのシエラレオネ共和国で活動する国際協力NGOです。

活動の始まりは、私が高校2年生の時に見た「世界がもし100人の村だったら」というテレビ番組です。シエラレオネの貧困を知って衝撃を受け、大学を卒業して就職をせずに活動を始めました。アラジという名前は、テレビ番組に出ていた男の子の名前からきています。

シエラレオネの子どもを支える活動

—どのような活動をされているのですか?

活動を始めて8年ぐらいですが、全てのサポートに共通していることがあります。それは、過度に働いている子どもを選定して現金給付をすることで、中学校までを卒業できるようにすることです。

今年までに1,554名の子どもたちにサポートを提供しており、現時点でも毎月400人以上の子どもに対して現金給付をして復学の機会を提供しています。

現在、主に4つのプログラムに取り組んでいます。

シエラレオネでは、子どもたちが安心して学べる環境が整っていません。毎月の定額給付支援で学校の初期設備や先生のお給料などを補助しています。

都市部では、過度な児童労働に従事する子ども達に、生活保護費としての奨学金給付支援を行っています。奨学金は子どもの教育費や医療費に使われ、初等・中等教育を完了できるように毎月の丁寧なサポートを届けています。

シエラレオネでは、10代の女の子の約1.7割が望まない妊娠と出産によって義務教育課程を退学しています。10代のシングルマザーが赤ちゃんを育てながら復学できるように、現金給付を行っています。

シエラレオネでは、文化的宗教的な考え方で女性の地位が極めて低く、女性の権利が侵害されています。根本的な解決を目指して、男子中高生に性教育プログラムを提供しています。今年は、約2万人にプログラムを届けることに取り組んでいます。

—どのような理由から、中高生に性教育プログラムを届けることになったのでしょうか?

今まで、10代のシングルマザーの復学支援をする際、50名ぐらいの10代のお母さんにヒアリングをしたのですが、相手は全員年上の男性でした。5〜10歳離れてるケースが非常に多かったです。

一方で、働きはじめてしまった年上男性にアプローチするのが難しいという課題もあります。アプローチできたとしても、1回の性教育だけだとマインドが変わらなかったりします。ですので、マインドが固まる前の中学生・高校生に性教育プログラムを届ける取り組みをしています。

10代で妊娠してしまう原因は、性暴力の割合がすごく多いんです。シエラレオネでは、10代の女の子の約5.6%が、同意のない性交渉を経験したことがあると答えています。

他にも、避妊具が高すぎて買えないという問題もあります。学校で性教育がされていなかったり、家庭での性教育自体がタブー視されてるという問題もあります。

また、シエラレオネでは中絶ができないんです。性暴力を受けても、子供が順調に育っているんだったら、もう中絶はできません。

—どのような性教育プログラムを提供してるのでしょうか?

プログラムでは、「なぜ学校のクラスに女子が少ないのか」「だんだんと女子が少なくなっていくのか」をみんなで考えた後に、生理や出産などの基本的なことを学べるようにしています。

あとは、性的同意についても学びます。プログラムを受ける前の事前調査では、付き合っている相手の同意が無くても性交渉をして問題ないと回答する男子が結構多いんです。プログラムに参加すると、そうではないことに気づいてくれます。

—マインドを変えるために、何度も繰り返し教えているのですか?

繰り返し行った方が効果がありますが、今年は2時間のセッションを広く提供しようと活動しており、ケネマ県の8割近い学校で、2万人の中高生男子に知識が届くように取り組んでいます。

性暴力や10代の出産数が低下するといった大きなインパクトが出せれば、海外助成金にも挑戦できます。日本の助成金は数百万円を単年で提供いただくというケースが多いのですが、海外の助成金だと数千万円を3年連続でいただける場合もあります。そういったことに挑戦できれば、活動の幅をもっと広げられると思っています。

—支援をするには学校や政府との連携が必要だと思いますが、どのように入り込んだのでしょうか?

小学校の支援は、活動当初、知り合った現地の方がいるのですが、その方に紹介してもらった小学校とその地域は、幹線道路から遠い農村部の奥深くにあり、他組織や政府の援助がないことがわかり、その地域での支援の必要性を感じ、そこで根をはりサポートをさせていただいています。

性教育プログラムについては、現地スタッフの経験や人脈、それまでの活動実績もあり、ケネマ県の教育省トップのオフィスに行ってかけあい、書面でプログラムを提供する合意を交わすことができました。

活動の原動力はどこから?

—代表理事として、どういったお仕事をされているのでしょうか?

本当に多様な仕事をしています。NPOでは事業と財源がはっきりわかれているので、運営していくのがすごく大変だと思う部分もあります。

会社なら、事業とその売り上げが結びつきます。NPOですと、寄付集めやクラウドファンディングなどで財源を集めるので、事業と財源が全く違う動きをします。そういったことの全てを統括するのが私の仕事です。

アラジの組織図

—よく聞かれると思うのですが、活動のエネルギーや原動力はどこから来ているのでしょうか?

よく聞かれますが、自分に人一倍エネルギーがあるとはあまり思ったことがないんです。

何も知らない状況で就職もせずに始めましたが、組織図がこうなるのを知っていたら、尻込みして挑戦しなかったかもしれません。

知らずに始めてしまったので、最初に寄付をもらったときはすごく怖かったです。寄付をもらっても、その場で商品と交換できるわけじゃないですよね。寄付の成果をいつになったら出せるか分からなかったので、もうやめられないと思うようになりました。

やめられないまま、そのまま突っ走ったという感じです。知らなかったからこそ、やれたという部分は大きいと思います。

Canvaの導入・活用

—どういう経緯で「非営利団体向けCanva」を導入することになったのでしょうか?

以前は、私がPhotoshopでいろんな広報物を作ったりしていました。インターンや他のスタッフはPowerPointを使っていて、作ったデータをいちいちもらって開いてみたいなことやっていました。

SOCIALSHIPという非営利活動のための助成プログラムで、助成対象になるとクリエイティブ助成を受けられるプログラムに応募しました。47団体で2団体だけが最終選考に選ばれるのですが、助成対象に選んでいただき、Canva講座の受講とランディングページ作成のクリエイティブ助成をご提供いただきました。

*SOCIALSHIPで選ばれた経緯は、こちらのページからご覧いただけます。

非営利団体向けCanvaとは?
非営利団体向けCanvaでは、無料でプレミアム素材を使えます。Canva Proのテンプレートや機能も無料で使用可能になります。
詳細:https://www.canva.com/ja_jp/canva-for-nonprofits/

—Canvaについて教えてもらってどうでしたか?

ずっとPhotoshopを使っていたので、できないことの方が多いんじゃないかっていう先入観がありました。でも助成プログラムの講座で教えてもらうと、できないことが多いというよりかは、私じゃなくてもできる作業が増えるなと思い、利点しか感じませんでしたね。

なので、もう全面的にCanvaに方向転換しています。広報物を作るとき、9割程はCanvaに移行していると思います。最近では、ついに登壇スライドもCanvaに切り替え、全スタッフが登壇や発表の際のスライドを共同編集しています。

複雑な切り抜きや、部分的な画像の明るさ調整がしたいときはPhotoshopを使っていて、それ以外だと、Canvaを使った方が圧倒的に効率がいいと思っています。

Canvaで年次報告書を10倍速く作成

—Canvaで年次活動報告書を作ったら10倍速くできたとお聞きしました。これまでと何が違いましたか?

2021年から、今までマンスリーサポーターの皆さまに印刷してお配りしていた年次報告書を、スマホで見られるデザインに一新しました。年次報告書は、印刷費に6~8万円、それなりの厚みのため発送費に5万円ほどかかっていましたが、環境に配慮できるだけではなく、経費削減にも繋がりました。

マンスリーサポーターの皆さまは他団体も支援されている方が多く、3月末決算の団体では、年次報告書が届くタイミングが7月頃となり、何団体もの年次報告書が1度にたくさん冊子で届くという状況になり読んでいただけない可能性もあります。そのため、スマホで隙間時間に読んでいただけるように、スマホ版に切り替えて年次報告書を製作しております。

年次報告書を製作する中で、以前は私のほかにもPhotoshopを使っているスタッフがいたんですけども、お互いが作ったものをすり合わせたら、文字の互換性がなかったとかがありました。あと、ひとつひとつシェアをして、「ここを直してください」みたいなことを繰り返していました。

Canvaだったら何点ものデザインを素早く一度に作れますし、そういった手間がかからず、コメント機能もありすごい便利でした。

年次活動報告書の目次ページ

—どんな風に報告書をデザインしましたか?

報告書を印刷して提出する場面も少なからずあります。助成金に応募するときや、新しい銀行口座の開設時に年次報告書の印刷を求められることもあるので、印刷できるようにA4用紙のサイズで1ページずつ作っています。ホームページでは、それを画像にして貼り付けています。

アラジの活動を支えるCanvaの機能

—他にも役立っている機能はありますか?

「シエラレオネ」の画像素材が多いのがありがたいです。従来だと、画像を探して、それがフリー素材なのかきちんと確認して、ダウンロードして、それをデザインに入れてみたいな作業だったんです。けれども、検索をしてすぐに画像を入れることができるので助かっています。

シエラレオネの画像素材

あとは画像のぼかし機能です。教育支援や子どもに関わるNGOが最低基準として掲げているポリシーがあるのですが、学校のエンブレムや地域の場所がわかる看板など全部ぼかすことになっているんです。

すぐに写真を使いたいのに、Photoshopを使える人だけしかぼかせないのは大変でした。今は、みんながぼかす作業をできるようになったので、すごい助かっています。

Canvaでぼかした画像

Canvaでひとりひとりがデザインできるように

—年次活動報告書以外に、どんなものをCanvaで作っていますか?

現在、マンスリーファンディングという月額寄付サポーターを集めるクラウドファンディングに挑戦しており、スタッフが書いた挑戦メッセージをTwitterにシェアをしています。

挑戦メッセージのデザイン画面

これまでは、挑戦メッセージを作るのはすごく大変だったんです。今は、それぞれが自分の挑戦メッセージの画像を作っています。自分で写真を当てはめて、テキスト入れてって感じで作ってもらっています。

もうひとつ、今まですごく大変だったのがスタッフ紹介ページの作業です。写真を丸く切り抜いて使っているのですが、インターン生の入れ替わりが速いので、写真がどんどん変わっていきます。

以前は1人のスタッフが切り抜いていたので負担になっていたのですが、インターン生自身で切り抜いてアップするようになったので楽になりました。

スタッフ紹介ページ

—下里さん、最後に一言お願いできますか?

現在、コロナ禍で児童労働が増えていて、5人に1人が小学校を卒業できないという状況にあります。子どもの教育は緊急支援です。

アラジの活動を支援してくれているサポーターさんも、もうすぐ300人になります。アラジの活動に興味を持っていただけた方は、ぜひ私たちのホームページやマンスリーサポーター募集ページを見てください。皆さんも活動に参加できます。

※この記事に使われている画像は、アラジさんの許可をいただいて掲載しております。

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