最終更新日 : 2026年1月23日
現代のマーケティングでは、顧客視点が欠かせません。その中でも注目されているのが、顧客の行動や心理の流れを可視化する「カスタマージャーニー」です。
しかし、「そもそもカスタマージャーニーとは何か」「どうやって作ればいいのか」と疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、カスタマージャーニーの基本から、具体的な作成ステップ、活用のポイント、事例までをわかりやすく解説します。
さらに、効率的にカスタマージャーニーマップを作成できる無料のデザインツール「Canva(キャンバ)」のテンプレート(新しいタブまたはウィンドウで開く)もご紹介。これからマップの作成に取り組む方にとって、実践の第一歩となる内容ですので、ぜひ参考にしてください。
※本記事で使用している画像は、全てCanva(キャンバ)で作成しています。
カスタマージャーニー(Customer Journey)とは、顧客が商品やサービスを認知してから購入、利用、そして継続的な関係に至るまでの一連の行動や心理の流れを指します。
別名「ユーザージャーニー」とも呼ばれ、顧客の立場でマーケティング施策を設計するために欠かせないフレームワークです。
たとえば、ユーザーがWeb広告を見て興味を持ち、比較検討の末に商品を購入する。その一連の流れ全体を「旅(ジャーニー)」として捉える考え方です。
現代の消費者は自ら情報を収集し、複数の選択肢を比較検討しながら購買を決めます。そのため、企業側の一方的なアプローチだけでは、なかなか選ばれません。そこで重要になるのが「顧客の視点に立った体験設計」です。
カスタマージャーニーを把握することで、顧客が「どのタイミングで、どのような悩みを持ち、どの情報を求めているのか」が見えるようになります。
このような理解をもとに適切なタイミングで施策を打てば、より高い確率で行動を促すことができます。結果として、CVR(コンバージョン率)の向上やLTV(顧客生涯価値)の最大化にもつながるのです。
カスタマージャーニーの設計は、感覚や勘に頼らず、論理的に施策を組み立てるための有効な手段だといえるでしょう。
カスタマージャーニーマップ(新しいタブまたはウィンドウで開く)とは、カスタマージャーニーを図式化したものです。頭の中で想像するだけでは見落としてしまうような顧客の行動や感情、接点(タッチポイント)などを、時系列で整理することで、より具体的で実践的なマーケティング施策の設計が可能になります。
このマップは、縦軸に「顧客の行動・接点・感情・心理・課題」などを、横軸に「顧客の体験フェーズ」を配置して構成されるのが一般的です。フェーズは業種や目的によって異なるものの、多くの場合は以下のような流れで整理されます。
| フェーズ | 顧客の状態 |
|---|---|
| 1.認知 | 商品やサービスの存在を初めて知る |
| 2.興味・関心 | 詳しく調べたり、似た商品やサービスと比較し始める |
| 3.比較検討 | 複数の選択肢を比較検討し、自分に合うものを探す |
| 4.購入・契約 | 実際に商品を購入、またはサービスの契約を行う |
| 5.共有・拡散 | 満足して継続利用したり、周囲に共有・推薦したりする |
このように、顧客の行動や心理の変化を段階ごとに見える化することで、「どこでつまずいているのか」「どこに施策を打てば効果的か」が具体的に見えてきます。結果として、的確な改善や効果的なマーケティング施策へとつなげることができるのです。
カスタマージャーニーとペルソナは、どちらも顧客理解を深めるためのマーケティング手法ですが、役割や使いどころが異なります。
ペルソナとは、自社の商品やサービスを利用する「理想の顧客像」を、年齢・職業・価値観・ライフスタイルなどの属性をもとに、まるで実在する人物のように詳細に描いたモデルのことです。マーケティング施策を考える際に、「この人ならどう感じるか?」「どんな行動をとるか?」といった判断軸を持つための出発点として活用されます。
一方のカスタマージャーニーは、そのペルソナがどのような過程を経て商品やサービスを認知し、興味を持ち、購入に至るのかという「時系列に沿った体験の流れ」を可視化するものです。
つまり、ペルソナが「誰か」を定義するのに対して、カスタマージャーニーは「その人がどう動くか」を描くという違いがあります。
この2つはどちらか一方だけでは不十分であり、セットで活用することで初めて効果を発揮します。ペルソナで描いた理想の顧客にとっての最適な導線を、カスタマージャーニーで設計することが、成果につながるマーケティングの第一歩です。
カスタマージャーニーの概要を理解したところで、実際のビジネスにおいてどのように活用されているのかを、具体例を通じてご紹介します。
今回は、BtoB(法人向けビジネス)(新しいタブまたはウィンドウで開く)とBtoC(一般消費者向けビジネス)(新しいタブまたはウィンドウで開く)の2パターンを取り上げ、それぞれの業態でどのような顧客の動きがあるのかを解説します。
業種や商材によってカスタマージャーニーマップの形はさまざまですが、構造の基本は共通しているため、自社のマーケティングに応用できるヒントが見つかるはずです。
SaaS(Software as a Service)企業を例に、カスタマージャーニーマップを整理してみましょう。SaaSとは、インターネット経由で利用できるソフトウェアサービスを提供するビジネス形態のことです。
ターゲットは中小企業のマーケティング担当者で、「見込み顧客の管理が煩雑で非効率」といった課題を抱えており、業務効率化のためにツールの導入を検討しています。
このように、BtoB企業のカスタマージャーニーでは、「社内稟議」や「導入後の定着」など、意思決定までに複数のハードルが存在するため、契約に至るまでのプロセスが複雑化し、検討期間も長くなる傾向があります。
そのため、検討段階では社内を説得するための事例や資料の提供が求められ、導入後も安心して利用できるよう、サポート体制を明確に示すことが重要です。
こちらは、ファッション系のECサイトでバッグを購入する一般消費者(20代女性)を想定したカスタマージャーニーマップの一例です。新しい通勤バッグを探している顧客が、どのような流れで商品を購入し、他者におすすめするかを整理しています。
BtoC企業の場合、特にSNSや口コミが認知・興味のきっかけとなるケースが多く、感情や直感が購買行動に大きく影響します。そのため、視覚的な訴求やレビュー、SNSでのブランド体験が、顧客の行動を後押しするカギとなります。
顧客の消費行動が複雑化している現在、「カスタマージャーニーはもう古いのでは?」と感じる方もいるかもしれません。たしかに、認知から購入までを一直線に表す従来のスタイルでは、すべてのケースを網羅するのが難しくなっています。
しかし、カスタマージャーニーの本質は「顧客の行動と心理を理解すること」にあり、この基本的な考え方は今も変わりません。むしろ、情報や接点が多様化している現代だからこそ、顧客視点の設計図としての価値は高まっています。
重要なのは、「カスタマージャーニー=正解のルート」ではなく、「顧客理解のための仮説」として捉えることです。状況に応じて柔軟に見直しながら活用すれば、今の時代にも十分通用するフレームワークです。
カスタマージャーニーが「古い」「意味がない」と言われる背景には、主に次の2つの理由があります。
1つ目は、顧客行動の非線形化です。SNSや動画、口コミなど、多様な接点が登場したことで、顧客の行動は必ずしも一本道ではなくなりました。
たとえば、SNSで商品を知って即購入する「ショートカット型行動」や、購入後に情報を調べ始める「逆流型行動」などがあり、従来のカスタマージャーニーではこうした動きを捉えきれないという声が上がっています。
2つ目は、カスタマージャーニーマップが「形式的」に作られてしまうケースが多いことです。テンプレートを用いてとりあえず作成したものの、深い顧客理解が伴っておらず、施策に活かされないまま放置される例も少なくありません。
マップの作成が目的化し、本来の目的である「ユーザーインサイトの可視化」ができていないと、意味がないと感じられてしまいます。
このように、問題は手法そのものではなく、変化に対応した「柔軟な活用」や「顧客視点の深掘り」ができていない点にあります。カスタマージャーニーはあくまで仮説の地図であり、完成度よりも「どのように活用するか」が最も重要なのです。
現代の消費行動を理解するうえで、「パルス消費」や「バタフライサーキット」といった新しい概念が注目されています。これらは、従来の直線的なカスタマージャーニーでは捉えきれない購買行動を表すものとして登場しました。
まず「パルス消費」とは、SNSや口コミなどによる感情的な刺激によって、顧客が衝動的に購買行動を起こす現象を指します。たとえば、インスタグラムで偶然見かけた商品を、その場で衝動的に購入するようなケースが該当します。
このような行動は、意図的な比較検討を挟まないため、カスタマージャーニーにおける段階的な流れには当てはまりません。
一方、「バタフライサーキット」は、顧客が情報収集や比較検討を何度も繰り返し、行きつ戻りつしながら意思決定を行う行動モデルです。ある商品を調べては離れ、他の情報に触れてまた戻るといったように、行動が非直線的かつ、複雑で予測しにくいのが特徴です。
一見すると、こうした行動はカスタマージャーニーでは表現しきれないように思えるかもしれません。しかし、重要なのは「理想的な導線」と「実際の行動とのギャップ」を把握し、それを施策に活かすことです。
パルス的な接点があるなら、それを前提とした認知フェーズの設計を行い、バタフライ的な行動が想定される場合には、比較しやすいコンテンツや導線を複数用意するなど、実態に合わせた工夫が求められます。
カスタマージャーニーは、顧客視点に立った施策設計や社内の連携強化、LTV(顧客生涯価値)の向上までを支える、非常に実践的なフレームワークです。
ここでは、カスタマージャーニーがなぜ今も有効で、どのようなメリットをもたらすのかを、4つの観点から整理してご紹介します。
カスタマージャーニーを活用する最大のメリットは、企業視点ではなく「顧客視点」でマーケティング施策を設計できることです。
顧客がどのような悩みや関心を持ち、どのタイミングでどんな行動を起こすのかを把握することで、「届けたい情報」ではなく「知りたい情報」に基づいたアプローチが可能になります。
たとえば、認知フェーズではブランドの存在を知ってもらう内容、比較検討フェーズでは他社との違いが伝わるコンテンツ、購入後のフェーズでは継続利用を促すフォローアップなど、各段階に応じた的確なコミュニケーションが実現できます。
こうした顧客起点の設計は、結果としてマーケティング全体の方向性を明確にし、無駄のない施策立案へとつながります。
カスタマージャーニーマップを描くことで、顧客がどのフェーズでつまずいているのか、どの接点に課題があるのかを可視化できます。これにより、改善すべきポイントが明確になり、やみくもに施策を実施するのではなく、成果につながる重要な部分にリソースを集中できるようになります。
たとえば、比較検討フェーズで離脱が多い場合は、競合との差別化ができていない、必要な情報が不足しているといった原因が見えてきます。逆に認知フェーズでの接点が少なければ、まずはターゲットに知ってもらうための施策強化が必要だと判断できるでしょう。
このように、カスタマージャーニーは施策の「見える化」を助け、PDCAの効率を高めるための優れた分析ツールとしても機能します。
マーケティング、営業、カスタマーサポートなど、部門をまたいで顧客対応を行う企業にとって、カスタマージャーニーは社内の認識を統一するための有効なツールです。
カスタマージャーニーマップを通じて「顧客がどの段階で何を考え、どんな行動を取っているのか」が視覚的に共有されることで、部門間でのズレや誤解を防ぐことができます。
たとえば、営業チームは「なぜこのタイミングでアプローチすべきか」を理解し、サポートチームは「どんな不安を抱えた顧客が多いか」を事前に把握できます。
結果として、チーム全体が同じゴールに向かって連携しやすくなり、施策の一貫性やスピードも大きく向上します。カスタマージャーニーは、顧客理解だけでなく「社内の足並みを揃える設計図」としても非常に有効です。
カスタマージャーニーをもとに顧客体験を最適化していくことで、顧客満足度の向上につながります。たとえば、購入前の不安をあらかじめ解消するコンテンツを用意したり、購入後のフォローを充実させたりすることで、「ちゃんと自分のことを考えてくれている」と感じてもらえる体験が生まれます。
こうした丁寧なコミュニケーションは、顧客との関係性を強化し、リピートやアップセル、クロスセル、口コミ拡散などの好循環を生み出します。結果として、「LTV=1人の顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益」の最大化につながるのです。
単発の売上ではなく、長期的に信頼されるブランドを築くためにも、カスタマージャーニーを活用した顧客視点の設計は欠かせません。
カスタマージャーニーマップを有効に活用するには、「描いて終わり」にせず、マーケティングやコンテンツ設計、サービス改善など、さまざまな施策に落とし込むことが大切です。ここでは、カスタマージャーニーマップの作り方と活用方法を5つのステップに分けて紹介します。
さらに、作業効率を高める方法として、デザインツール「Canva(キャンバ)」のテンプレートやホワイトボード機能(新しいタブまたはウィンドウで開く)、AI機能(新しいタブまたはウィンドウで開く)の活用についても取り上げます。
Canvaのテンプレートは以下から利用可能ですので、実際にテンプレートを使いながらカスタマージャーニーマップの作成を進めてみてください。なお、Canvaのテンプレート集と使い方については、こちらの章(新しいタブまたはウィンドウで開く)で詳しく解説しています。
カスタマージャーニーマップを作成する第一歩は、「誰の行動を描くのか」を明確にすること、つまりペルソナの設定(新しいタブまたはウィンドウで開く)です。ペルソナとは、商品やサービスを届けたい理想的な顧客像を、年齢・職業・価値観・ライフスタイルなどの情報をもとに、具体的な人物として描いたものです。
たとえば「32歳・女性・広告代理店勤務・港区在住・健康や美容に関心が高く、平日はオートミールを朝食にしている」といったように、実際の1日がイメージできるほど細かく設定することで、リアルなカスタマージャーニーの設計が可能になります。
「なんとなく30代女性」といった曖昧な設定では見えてこない行動や心理が、ペルソナを明確にすることで、はっきりと浮かび上がってくるのです。
ペルソナについてもCanvaのテンプレートを活用すれば、効率的に作成できます。ペルソナの概要や設定方法、Canvaテンプレートの使い方については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
また、Canvaではペルソナの顔写真やイメージ図なども簡単に作成できます。豊富な写真素材やイラストに加え、AI画像生成機能(マジック生成)(新しいタブまたはウィンドウで開く)を使えば、ペルソナのイメージに近い顔写真を手軽に作成可能です。
デザインに自信がない方でも、説得力のあるペルソナシートとして仕上げることができます。
ペルソナを設定したら、次にその人物がたどる体験の流れを段階的に整理していきます。これが「フェーズの定義」です。ジャーニーマップの横軸にあたる部分であり、ユーザーがどのようなステップを踏んで商品やサービスに関わっていくのかを明確にします。
一般的には、「認知」「興味・関心」「比較検討」「購入・契約」「共有・拡散」といった流れが基本となりますが、業種や目的によって柔軟にカスタマイズしてかまいません。
たとえば、サブスクリプション型サービスでは「利用・継続」などのフェーズが重要になることもあります。
このフェーズ分けによって、「どの段階でどんな情報を届ければいいのか」「どこでユーザーが離脱しやすいのか」といった分析がしやすくなります。
たとえば、認知フェーズでは興味を引くキャッチコピーやSNS投稿、比較検討フェーズでは導入事例やFAQのような比較材料など、フェーズごとに適したアプローチを考えるのに役立ちます。
フェーズを定義したら、それぞれの段階でユーザーが何をするのか、どんな感情を抱いているのか、どんな課題に直面しているのかを具体的に書き出していきます。
あわせて、Webサイト、広告、SNS、接客など、ユーザーとの接点となるタッチポイントも整理することで、顧客体験全体が立体的に把握できるようになります。
このときに大切なのは、何をもとに情報を洗い出すかという点です。たとえば、以下のようなデータやユーザーの声を参考にすることで、よりリアルで実用的なカスタマージャーニーを設計できます。
仮説だけで作るのではなく、こうした実データとユーザーインサイトの両方を組み合わせることで、現実に即したカスタマージャーニーマップになります。
さらに、フェーズごとの感情の起伏を「感情曲線」として可視化すると、顧客の心理の波が直感的に把握でき、関係者間の共有もしやすくなります。
「どのフェーズで不安や不満が大きくなるのか」「どこで期待や満足が高まるのか」といった情報は、施策の優先順位を決める際にも非常に有効です。
なお、各項目を洗い出す際には、チームでのブレインストーミングを行うのも効果的です。Canvaのホワイトボード機能を使えば、付箋を貼る感覚で情報を出し合いながら整理できます。
あらかじめホワイトボードとして構成されたテンプレートも用意されているので、ぜひ活用してみてください。
また、CanvaのAI文章生成機能(マジック作文)を使えば、各フェーズに沿った行動例や感情の書き起こしも効率化でき、カスタマージャーニーマップ作成の手間を大幅に削減できます。
カスタマージャーニーマップで顧客の行動や感情、課題が明らかになったら、それをもとに具体的なマーケティング施策へと落とし込んでいきます。
「どのフェーズで、どんな情報やサポートが必要か?」を起点に考えることで、顧客にとってストレスの少ない、スムーズな体験を設計することが可能です。
以下に、先ほどのカスタマージャーニーマップをもとに、フェーズごとに想定される課題と有効な施策例を整理しました。
| フェーズ | 想定される課題 | 有効な施策例 |
|---|---|---|
| 認知 | ブランドや価格帯などの情報が不足している | ・SNSで広告を配信する・インフルエンサーによるPR投稿・ショート動画でのビジュアル訴求 |
| 興味・関心 | 実物が見れず、素材やサイズ感に不安がある | ・商品詳細ページの強化・動画による使用イメージ紹介・ユーザーレビュー掲載 |
| 比較検討 | 競合商品との違いが分かりづらい | ・比較表コンテンツの作成・「〇〇な人におすすめ」などの訴求ポイント整理・FAQページやチャットボットの設置 |
| 購入・契約 | 配送や返品対応に不安がある | ・配送日、送料、返品ルールの明確な表記・カートページのUI改善・購入前のチャットサポート |
| 共有・拡散 | 他にもおすすめ商品を知りたい | ・購入後フォローメールで関連商品を紹介・SNS投稿用ハッシュタグの案内・レビュー投稿でのクーポン提供キャンペーン |
このように、カスタマージャーニーマップ上で顧客がつまずきやすいポイントを把握し、適切な施策で補完することで、よりスムーズな購買体験を提供できます。
特に、複数のチャネルや部門にまたがる施策を展開する場合、カスタマージャーニーマップをベースに検討することで、顧客体験の一貫性を保ちやすくなります。
さらに、CanvaのAI文章生成機能(マジック作文)を使えば、キャッチコピーや説明文などのクリエイティブ制作も効率化できます。
あらかじめカスタマージャーニーマップに沿って伝えるべきメッセージを整理しておくことで、制作作業をスピーディに進められるでしょう。
カスタマージャーニーマップは、作成して終わりではありません。実施した施策の効果測定を定期的に行い、必要に応じてマップを見直すことで、より精度の高いマーケティング戦略の核となっていきます。
たとえば、「比較検討フェーズでの離脱が多い」という課題に対し、導入事例ページを強化した場合、その後のページ滞在時間やCVR(コンバージョン率)がどのように変化したかを確認しましょう。
効果が見られれば施策を継続・拡張し、期待した成果が得られなければ、他の仮説を立て直す必要があります。
また、顧客の行動や心理は、季節・流行・社会的なトレンドなどによって変化します。そのため、半年ごとや四半期ごとなど、定期的にマップを見直し、必要な更新を加えることが重要です。
カスタマージャーニーマップは非常に有効なフレームワークですが、うまく活用できていないケースも少なくありません。以下のようなポイントに注意することで、形だけのマップに終わらず、実践的に使えるものに仕上げていきましょう。
初回からすべてを網羅しようとすると、作成に時間がかかりすぎて進まなくなったり、情報が多すぎて実用性を失ってしまうことがあります。まずは仮説ベースでも構わないので、シンプルな形から始め、実施と改善を繰り返しながら精度を高めていくスタンスが大切です。
マーケティング、営業、カスタマーサポート、開発チームなどの間で、顧客像や課題に対する認識がずれていると、カスタマージャーニーマップは実行フェーズで十分に機能しなくなってしまいます。
そのため、ブレインストーミングやワークショップ形式で関係者と一緒に作成・見直しを行い、マップを共通言語として活用できる状態にしておくことが重要です。
Web解析などの定量データだけでは、顧客の本音は見えてきません。インタビューやアンケート、SNSやレビューの投稿などの定性データも取り入れて、「数字に現れない気持ち」を理解することが、カスタマージャーニーマップの質を大きく左右します。
一度作成したカスタマージャーニーマップを放置してしまうと、すぐに実態とのズレが生じてしまいます。施策の実施後に振り返りの機会を設ける、四半期ごとに見直すなど、継続的なアップデートを前提に活用しましょう。
カスタマージャーニーマップを作成する際、白紙から始めるのはなかなかハードルが高いものです。そんなときに便利なのが、デザインツール「Canva」が提供しているカスタマージャーニーマップテンプレート(新しいタブまたはウィンドウで開く)です。
Canvaには、ビジネス用途に適したシンプルかつ視認性の高いテンプレートが多数用意されており、誰でも簡単にカスタマージャーニーマップを作成できます。色やフォント、構成のカスタマイズも自由なので、自社ブランドに合わせたデザイン調整もスムーズです。
ここでは、Canvaの便利なテンプレート集と使い方を紹介します。
Canvaでは、無料で使えるカスタマージャーニーマップテンプレートが豊富に揃っています。以下のテンプレートをクリックしてそのまま使うことも可能ですし、下の方にあるリンクからテンプレート一覧を確認できます。
マップ作成の手間を減らし、見た目にもわかりやすく仕上げたい場合は、こうしたテンプレートの活用をぜひ検討してみてください。
Canvaを利用してカスタマージャーニーマップを作成する方法はとても簡単です。以下のステップで進めてみましょう。
1.Canvaの公式サイト(新しいタブまたはウィンドウで開く)にアクセスし、アカウントを作成またはログインする
2.テンプレート一覧(新しいタブまたはウィンドウで開く)からテンプレートを選択して編集画面を開く
Canvaには、通常のテンプレートと、あらかじめホワイトボード形式で使えるテンプレートの2種類があります。以降では、後者のホワイトボード用テンプレートを例に解説しています。
3.テンプレート内の項目に内容を入力する
リンクを共有することで他のメンバーと共同編集も可能です。
また、ホワイトボード機能では、付箋やコメント機能を使いながらリアルタイムでディスカッションすることができます。
4.完成したマップを保存・ダウンロードする
PDFやPNG形式などでダウンロードできます。
カスタマージャーニーは、顧客の行動や心理の流れを可視化し、顧客視点でマーケティング戦略を設計するための強力なフレームワークです。「古い手法では?」という声もありますが、チャネルや接点が多様化し、消費者行動がますます複雑になっている今だからこそ、その重要性はむしろ高まっているといえるでしょう。
重要なのは、カスタマージャーニーマップを作ることが目的ではなく、それを活用し続けることです。仮説を立て、施策に落とし込み、効果を検証しながら改善を重ねる。
こうしたプロセスを継続的に回すことで、マップは単なる図ではなく、マーケティング戦略の「軸」として真価を発揮します。
ぜひこの記事を参考に、Canvaのテンプレートを活用してカスタマージャーニーマップを作成し、成果につながる施策の立案に役立ててみてください。
ここでは、カスタマージャーニーに関して寄せられることの多い疑問をまとめました。基本を押さえたうえで、さらに理解を深めたい方はぜひ参考にしてみてください。
カスタマージャーニーは、顧客が商品やサービスと出会ってから購入に至るまでの行動や心理の流れを時系列で可視化するためのフレームワークです。一方、UX(ユーザーエクスペリエンス)は、商品やサービスを通じて得られる体験の質や満足度全体にフォーカスしています。
つまり、カスタマージャーニーは「いつ、どこで、何を考え、どう行動したか」を捉えるのに対し、UXは「使いやすさ」「快適さ」「感動」といった感覚的な体験の良し悪しを評価するものです。
両者はアプローチが異なりますが、いずれも顧客理解に欠かせない視点です。カスタマージャーニーで行動の流れを把握し、UXで体験の質を評価することで、より本質的な改善につなげることができます。
スターバックスは、デザイン会社Little Springs Designと協力し、顧客が来店する前から退店するまでの一連の行動や感情の変化を可視化したカスタマージャーニーマップを作成しました。
このマップでは、注文時の対応や、席について飲食する際の体験など、店舗ならではの接点についても詳細に分析されています。
来店から退店までの「顧客の気持ちの動き」や「サービスとの関わり方」を明確にすることで、接客や空間設計などの改善に活用されました。
特に飲食店や実店舗を展開している方にとっては、リアルな場での顧客体験をどのように設計・改善するかを学べる、非常に参考になる事例です。
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