LINE公式アカウントには「リッチメニュー」という機能があるのをご存知ですか?リッチメニューは、トーク画面の下部に固定で表示されるメニューのことです。
これまで有料プランでの利用に限られていたリッチメニューですが、2019年にLINE公式アカウントに統合されてから、無料で利用できるようになりました。LINE公式アカウントを持っている方であれば、プランに関係なく利用できます。
本記事では、リッチメニューの設定方法、画像の作成方法、そして活用事例についてまとめました。記事の最後では、リッチメニューのクリエイティブを自分で簡単に作れる「Canva」の使い方についても紹介しています。おしゃれなテンプレートをドラッグ&ドロップ操作で編集するだけで、プロデザイナーが手がけたようなリッチメニューを作成できます。
ぜひこの記事でリッチメニューの使い方を知って、今後のLINE運用や集客にお役立てください。
LINEリッチメニューとは、公式LINEアカウントの機能の一つで、トーク画面の下部(キーボードエリア)に固定で表示されるメニュー機能のことです。画面を大きく使うため、ユーザーの目を引くことができ、ユーザーの高いクリック率が見込めます。
分割されたクリエイティブにリンクを設定すると、LINE公式アカウントの各機能や自社サイトにユーザーを誘導することができます。クリエイティブを工夫することで、予約や購入のコンバージョン率アップ、クーポン利用率の向上にも役立ちます。
※LINEリッチメニューはPC版LINEでは表示されません
リッチメニューの設定は、Web版とアプリ版の管理画面から行うことができます。Web版では「イメージメーカー」という機能を使って、リッチメニューの画像を作成できます。
アプリ版では、デフォルト画像をそのまま利用できるため、リッチメニュー作成の手間を省くことができる一方、サイズによってはデザインの幅が狭まってしまいます。クリエイティブを工夫したいときは、Web版の管理画面でリッチメニューを作成することをおすすめします。
ここでは、Web版とアプリ版のそれぞれの管理画面を見ながら、リッチメニューの設定手順について紹介します。
まず、「LINE Official Account Manager」を開きます。左側のメニューの「トークルーム管理」の中にある「リッチメニュー」を選択します。
右上の「作成」をクリックすると、リッチメニューの新規作成画面に遷移します。作成画面では、以下の「表示設定」と「コンテンツ設定」をそれぞれ設定してください。
表示設定では、以下の4つの項目をそれぞれ設定します。
①タイトル:タイトルを設定できます(ユーザーには表示されない管理用のタイトルです)。リッチメニューは複数作成できるため、日付など管理しやすいタイトルを入力しましょう。
②表示期間:リッチメニューの表示期間を設定できます。
③メニューバーのテキスト:メニューバーに表示される文言を設定できます。メニューバーとは、リッチメニューの下部に設置されたボタンのことです。デフォルトでは「チェック」というテキストが設定されていますが、任意のテキストに変更することが可能です。
④メニューのデフォルト表示:ユーザーがトークルームに入室したときに、自動でリッチメニューを表示させるかどうか設定できます。「表示する」に設定すると、ユーザーがトーク画面を開いているときに常にリッチメニューが表示された状態になります。「表示しない」に設定すると、ユーザーがメニューバーをタップするまでリッチメニューは表示されません。
コンテンツ設定では、リッチメニューに掲載するコンテンツを設定します。
①テンプレートを選択:リッチメニューテンプレートを選択できます。テンプレートサイズ大には7パターン、サイズ小には5パターンの分割レイアウトがあります。
②背景画像をアップロード:リッチメニューの背景画像をアップロードできます。ここの背景画像は、テンプレートのタイルごとの画像ではなく、1枚の画像を背景としてアップロードできるようになっています。タイルごとに画像を変えたクリエイティブにしたい場合は、テンプレートのサイズに合わせて画像をデザインしたものを、背景画像として設定してください。
③アクション:それぞれのタイルにアクションを設定できます。「リンク」「クーポン」「テキスト」「ショップカード」「設定しない」の5つの項目から選べます。
④画像を作成:テンプレートに合わせてリッチメニューの画像を自分で作成できます。画像やテキストを組み合わせて簡単にクリエイティブを作りたいときには、ここで画像を作成しましょう。
「表示設定」と「コンテンツ設定」をそれぞれ設定したあとは、「保存」をクリックしてリッチメニューを保存しましょう。保存をしておくと、いつでも設定を再編集できます。
これまでWeb版管理画面でしか作成・設定ができなかったリッチメニューですが、2020年10月からアプリ版管理画面でも操作できるようになりました。アプリ版の特徴は、デフォルト画像をつかって、クリエイティブを自分で作成する手間が省けることです。ここでは、アプリ版管理画面を使ったリッチメニューの設定方法について紹介します。
アプリにログインすると、以下のホームページが表示されます。ホームページの左下にある「リッチメニュー」をタップします。ここでは、現在表示しているリッチメニューや、予約表示しているリッチメニューを一覧で確認できます。新しく作成する場合は、一番下の「作成」ボタンをタップしてください。
アプリ版ではコンテンツ設定を最初に行います。まず「テンプレートを選択」をタップして、テンプレートの分割レイアウトを決めます。Web版と同様に、大サイズ7パターン、小サイズ5パターンから選べます。
次に、「背景画像をアップロード」から背景に設定したい画像をアップロードします。画像をアップロードするときは、以下の条件を満たしているかどうかご確認ください。
さらに、ここで背景画像の上に「デフォルト画像」をのせて使うことができます。先ほどの画面の一番下にある「デフォルト画像を選択」をタップしてください。デフォルト画像は、「ホーム」「アクセス」「お問い合わせ」「予約」などを組み合わせた、様々なパターンの画像クリエイティブです。
コンテンツ設定が終わったら、アクション設定に進みます。ここでは、それぞれの分割タイルにアクションを設定できます。設定できるアクションには「リンク」「クーポン」「テキスト」「ショップカード」「設定しない」の5種類の選択肢があります。
最後にリッチメニューの表示設定を行います。すべて設定し終えたら、「保存」をタップして完了してください。
①タイトル:タイトルを設定できます。ユーザーには表示されない管理用のタイトルです。リッチメニューは複数作成できるため、日付など管理しやすいタイトルを入力しましょう。
②表示期間:リッチメニューの表示期間を設定できます。
③メニューバーのテキスト:リッチメニューの下部に設置された「メニューバー」に表示される文言を設定できます。デフォルトでは「チェック」というテキストが設定されていますが、任意のテキストに変更することが可能です。
④メニューのデフォルト表示:「表示する」に設定すると、ユーザーがトーク画面を開いているときに常にリッチメニューが表示された状態になります。「表示しない」に設定すると、ユーザーがメニューバーをタップするまでリッチメニューは表示されません。
コンテンツ設定では「背景画像をアップロード」から、任意の画像をアップロードできます。「テンプレートを選択」で選んだサイズに合わせて、適切なサイズの画像をアップロードしましょう。アップロードできる画像のサイズは以下の6パターンです。
テンプレート「大」
テンプレート「小」
LINE公式アカウントには、リッチメニューと混同されやすい「リッチメッセージ」という機能があります。リッチメッセージとは、LINE公式アカウントから配信できるメッセージで、画像とテキストを組み合わせたコンテンツを配信できます。
リッチメニューとリッチメッセージは、画像をタップするとウェブサイトやクーポン先に遷移させることができるという点では似ていますが、決定的な違いがあります。それは、リッチメニューは画面下部に固定されるのに対して、リッチメッセージは通常のメッセージと同じように、古いメッセージは流れてしまうことです。
常にコンテンツが表示されるリッチメニューの特徴を生かして、ユーザーに特に伝えたい内容はリッチメニューで訴求するようにしましょう。
LINEリッチメニューを使うことで、次の4つのメリット・効果を見込むことができます。
リッチメニューは、トーク画面を開いときにユーザーが最初に目にする「ファーストビュー」に位置しているので、ユーザーの注意を引きやすい効果があります。トーク画面に固定して表示させることができるので、トークのように流れてしまうこともありません。
その効果を利用して、来店予約やお得な情報、活用して欲しい機能など、アピールしたいコンテンツをリッチメニューに掲載しましょう。画像の色やデザインを工夫したり、タイルをボタンのようなデザインにすることで、クリック率の向上も期待できます。
リッチメニューは、ワンタップでリンク先に遷移できるので、ユーザーにとって手間が少なく、導線がスムーズです。特に、リッチメニューには最大6つのリンクを設定できるので、1つの画像で複数の導線を確保できる効果もあります。ユーザーにとってもらいたい行動がある場合は、スムーズに行動が取れるように、アクションの順番や画像のデザインを工夫しましょう。
トーク画面を開くとメニューが表示されているので、ワンタップで必要な情報にたどり着くことができます。ユーザーにとって便利に感じる機能ですので、お得なセールやクーポン情報などは、積極的にリッチメニューに掲載するようにしてください。
リッチメニューは、コンテンツ内容を更新しても、ユーザーには通知されないようになっています。これはリッチメッセージとは異なる点です。ユーザーに通知されないので、管理者側のタイミングで何度でもコンテンツや設定を変更して、リッチメニューの最適化を図ることができます。セール情報などの期間限定コンテンツもリッチメニューに入れて、ユーザーに知ってもらいましょう。
リッチメニューでは、クーポン・特典画面を遷移先に設定できます。設定場所は、コンテンツ設定のアクションタイプで「クーポン」です。リッチメニューは常に固定されているので、ユーザーの目に止まりやすくなります。割引クーポンを配布しているとき、キャンペーンを開催しているときは、リッチメニューを活用しましょう。
リッチメニューは複数作成して、季節や期間によって出し分けることができます。新規リッチメニューを作成するときに、表示期間を設定することで、期間によって異なるクリエイティブのメニューを出しわけできます。
例えば、7月1日から8月30日までの期間中にセールを開催するとします。その期間は、セールにぴったりな特典を用意して、リッチメニューのクリエイティブを入れ替えます。リンク先も、セールページにすることで、コンバージョン率アップを期待できます。
前述した通り、リッチメニューのクリエイティブは期間で区切って出し分けることができます。その特徴を生かして、クリエイティブのA/Bテストを行うことが可能です。リッチメニューの画像や文言、デザイン、アクションの設定などを変えて、定期的にA/Bテストを行うのがおすすめです。
リッチメニューとリッチメッセージを組み合わせて、全画面を使った訴求をしてみましょう。リッチメニューとリッチメッセージで同じ画像や文言を使うだけでも、見る人の印象に残りやすくなります。お得だと感じるような特典やクーポン情報も添えて、クリックを誘うデザインに仕上げるのがコツです。
LINE公式アカウントには、商品購入・来店などでポイントがたまる「ショップカード」という機能があります。リッチメニューでは、このショップカード画面に誘導することができます。設定方法は簡単で、コンテンツ設定のアクションタイプにある「ショップカード」にリンクを貼り付けるだけです。リッチメニューに「ショップカード」を表示させることで、ショップカードの利用率が高まることはもちろん、ポイントカードのようにリピート率アップにもつながります。
LINEリッチメニューの設定方法、活用方法はわかりましたが、ユーザーに見てもらえるかどうかは「画像クリエイティブ」にかかっています。ここでは、プロのデザイナーに作ってもらうことなく、自分で簡単に画像を作る方法を紹介します。
Web版管理画面「LINE Official Account Manager」には、画像を作成できる「イメージメーカー」という機能があります。リッチメニューの設定の手順の「④画像を作成」で自分で画像を作成できるようになっています。
編集画面を開くと、右側がキャンバスで、左側でプレビューを確認できるようになっています。プレビューのグレー色の箇所がリッチメニューが表示される範囲です。
右側のキャンバスにイラストや文字を付け加えます。素材は、画面下部の真ん中にある画像アイコンをクリックしてアップロードできます。アップロードした画像を選択して配置します。
次にテキストを追加しましょう。T字のアイコンをクリックするとテキストを追加できます。文字の大きさ、色、装飾、配置も自由にカスタマイズできます。
枠線を追加することもできます。枠線アイコンをクリックして、枠線を追加したい側面と、枠線の色を選択できます。枠線は、デザインを目立たせたいときに効果的です。
最後に背景色を塗りましょう。色を選択することはもちろん、カラーコードを入力して特定の色を選択することも可能です。これで1つ目のタイルのデザインが完成しました。
左側のプレビューを確認しながら、残りのタイルにも同じようにデザインを施します。画像が完成したら、画面右上の「適用」をクリックしましょう。これで、リッチメニューの画像として使うことができます。そのまま使わずに、画像をファイルとしてダウンロードしたい場合は「ファイルに保存」をクリックすると、ダウンロード保存できます。
※ここで使用したイラストや写真素材は、すべてCanvaで無料ダウンロードしました。
「イメージメーカー」は、自分でリッチメニュー画像を手軽に作りたいときには便利ですが、写真やイラスト素材は自分で用意する必要があります。さらに、細かいところまでデザインにこだわることができないため、デザインがワンパターンになりがちです。
もっとおしゃれなリッチメニュー画像を作りたいときに使えるのが「テンプレート」です。リッチメニュー専用に作られたテンプレートなら、すでにリッチメニューのレイアウトに合わせてデザインが作られているので、デザイン初心者の方でもプロ顔負けのリッチメニューをあっという間に作成できます。
そんなリッチメニューのテンプレートを使えるサイトの一つが「Canva」です。Canvaなら、すぐに使えるリッチメニューテンプレート(大サイズ・小サイズ)が豊富に揃っています。Canvaの編集画面で、写真やイラスト、文言も簡単に入れ替えることが可能です。テキストは豊富な日本語フォントがあり、写真やイラストなどのグラフィック素材も1億万点の中から選ぶことができます。
LINEリッチメニューは、テンプレートのレイアウトを変えたり、他の機能と組み合わせたりして、さまざまな使い方ができます。ここでは、実際にLINEリッチメニューを活用している企業や行政の実例を見てみましょう。
ユニクロのお得な情報が、リッチメニューにぎゅっと詰まっています。ユニクロの会員証もリッチメニューにあるので、お買い物時にすぐに提示できてとても便利です。また、リッチメニューをリッチメッセージと組み合わせる方法を採用しています。
テンプレートを3分割したデザインのリッチメニューです。季節のキャンペーンなど、特定のコンテンツを大きく目立たせたいときに効果的なレイアウトです。タブの切り替えもできるようになっていて、必要なすべての情報にリッチメニュー上でアクセスできるようになっています。
ゾゾタウンでは、リッチメニューの画像だけでなく、メニューバーのテキストも活用してセール情報を告知しています。さらに、リッチメッセージで新規登録者を対象にしたクーポンも提供するなど、LINEアカウントの機能をフルに活用しています。
LINE公式アカウントを使っている熊本市では、リッチメニューで地域の情報やイベント、ごみの出し方などを掲載しています。1つの画像で10個のタイルがあるレイアウトで、タブ切り替えもでき、リッチメニューを見ただけで必要な情報にすぐにアクセスできるようになっています。
ユーザーの目を引くおしゃれなLINEリッチメニューを作りたいですか?Canvaには、シンプル、スタイリッシュ、おしゃれ、かわいいなど、あらゆるテイストのLINEリッチメニューデザインが揃っています。
作り方はカンタン。CanvaのLINEリッチメニューテンプレートの中から、お好みのデザインを選んで、写真や文言を入れ替えて自分なりにアレンジするだけ。LINE公式の「イメージメーカー」ではできない、文字フォントの切り替えや、写真やイラスト素材の追加などが、Canvaでは簡単にできるので、デザインの幅が大きく広がります。
ここでは、Canvaのテンプレートの探し方から、デザイン作成方法について紹介します。
Canvaのホームページを開きます。検索窓で「LINE」と入力すると、予測候補に「LINEリッチメニュー(大)」と「LINEリッチメニュー(小)」が表示されます。使いたいサイズを選んで、クリック/タップしてください。
テンプレートをクリック/タップすると、Canva編集画面が開きます。ここでテンプレートを自由にカスタマイズできます。まず、テンプレートの既存テキストを編集してみましょう。テキストを編集したいときは、テキストをクリック/タップします。
パソコン画面では、画面上部のメニューから、文字のフォント、大きさ、色、配置、装飾をカスタマイズすることができます。アプリ画面の場合は、画面下部のメニューからテキストをカスタマイズできます。
Canva編集画面には、デザインに使えるフリー画像・イラスト素材が豊富に揃っています。パソコン画面では、画面左側のサイドバーの [素材] タブを選択して、使いたい素材を選びましょう。有料素材も混ざっているので、無料でデザインを作成したい場合は、「無料」とかかれた素材を選ぶようにしてください。例えば、左上のアイコンを土星のアイコンに入れ替えたいとします。素材タブからグラフィック素材を選択して、デザインに追加します。Canvaでは、以下のように中心線が表示されるので、スムーズに素材を正しい場所に配置できます。
アプリ画面の場合、素材タブは画面左下の「+」をタップすると、見つけることができます。
グラフィック素材を探すときは、検索窓を使うとお目当ての素材にたどり着きやすくなります。例えば、美容系のフリー写真を探すときは、検索窓に「美容」と入力します。これで、美容関連の写真を一覧で見ることができます。タイルの背景画像に写真を使うと、アイコンを使ったときとは異なった雰囲気を出すことができます。
デザインが完成したら、画面右上の「ダウンロード」を選択します。ファイルの種類はPNGがおすすめです。ダウンロードしたリッチメニュー画像は、LINE管理画面にそのままアップロードして使えます。
Canvaユーザーにもっとも使われているLINEリッチメニューテンプレートを、「大サイズ」と「小サイズ」ごとに紹介します。テンプレートは、写真とテキストをカスタマイズするだけで、すぐにリッチメニューのクリエイティブとしてお使いいただけます。気になるテンプレートがあれば、クリックまたはタップをして今すぐデザインを開始してください。
今回は、LINEリッチメニューの設定方法、画像の作成方法、そして活用事例についてご紹介しました。リッチメニューのクリエイティブを自分で作りたいときは、無料デザインツール「Canva」がおすすめです。
Canvaには、おしゃれなLINEリッチメニュー専用テンプレートが数多く揃っています。1億万点以上のグラフィック素材(写真・イラスト・アイコンなど)をつかって、テンプレートを自由にカスタマイズしてみませんか?
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