最終更新日 : 2026年3月25日
▼記事のまとめ
個人事業主とは、法人を設立せずに、個人として事業を行う人のことです。リモートワークや副業の広がりもあり、働き方の選択肢として検討する人も増えてきています。
本記事では、個人事業主の基本やメリット、開業の流れに加え、Canva(キャンバ)を活用して名刺やロゴなどのアイテムを作成する方法もご紹介します。
読み終える頃には、個人事業主として始めるかどうかの判断ポイントや、開業前にやるべき準備が整理できます。これから自分に合った働き方を考えたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
※本記事で使用している画像は、すべてCanva(キャンバ)で作成しています。
個人事業主とは、法人を設立せずに、個人として継続的に事業を行う人を指します。
税務署へ「開業届」を提出するだけで始められ、特別な資格や初期費用は必要ありません。
この3つは「税制」「働き方」「呼び方の総称」という切り口が異なり、同じ人が複数に当てはまることもあります。
たとえば、会社を辞めてライターとして独立し、開業届を出した場合、働き方は「フリーランス」、税の区分は「個人事業主」、広い意味では「自営業」に当てはまります。
▶︎参考文献:厚生労働省「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン(新しいタブまたはウィンドウで開く)」
個人事業主と法人の大きな違いは、開業にかかる「費用」と「手続き」です。
法人は設立に一定の資金や登記が必要ですが、個人事業主はコストを抑えて迅速にスタートできます。
| 比較項目 | 個人事業主 | 法人 |
|---|---|---|
| 開業の費用 | 原則0円(届出無料) | 約6〜25万(会社形態で異なる)※登記・定款費用の目安 |
| 設立手続き | 開業届の提出 | 定款作成→登記→各種届出 |
| 税(利益にかかる税) | 所得税=累進課税 | 法人税等(条件で変動) |
| 社会的信用 | 融資・取引で慎重に判断されることも | 登記があり信用されやすい傾向 |
法人化を検討している場合は、まず個人事業主として始め、売上や事務負担が増えてきた段階で「法人成り」を検討する流れが一般的です。
会社員として働きながら個人事業主になることは可能です。
勤務先の就業規則で副業が認められていれば、誰でも自分の事業を始めることができます。
会社員が副業で個人事業主になる主なメリットは、事業に必要な支出を「経費」として計上できる点です。さらに青色申告を選択すれば、最大65万円の所得控除が受けられるなど、節税の選択肢が広がります。
◼︎副業を始める際の注意点
まずは小さく始めて、副業の収入が本業を上回ったり、売上が安定してきたりした段階で独立を検討する方法もあります。
▶︎参考文献:国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人(新しいタブまたはウィンドウで開く)」
個人事業主になる最大のメリットは「リスクを抑えて小さく始められ、頑張った分だけ収入を増やせる」点にあります。
会社員や法人と比較して、特に恩恵の大きい5つのポイントを見ていきましょう。
個人事業主の開業手続きは、基本的に費用がかかりません。
税務署に「開業届」という書類を一枚提出するだけで、すぐに事業を始められます。法人のような登記費用や複雑な手続きは不要です。
事業を辞める場合も廃業届を出すだけなので、撤退リスクも低く抑えられます。小さく始めたい人に適した働き方です。
確定申告時に「青色申告」を選択すると、最大65万円の所得控除が受けられます。
売上から控除額を差し引いて税金を計算できるため、手元に残るお金が増えるのが大きな利点です。
この特典を受けるには、事前に「青色申告承認申請書」を提出しておく必要があります 。
▶︎参考文献:国税庁「No.2072 青色申告特別控除(新しいタブまたはウィンドウで開く)」
事業に必要な支出を「経費」として計上し、課税対象となる利益を抑えることが可能です。自宅で仕事をする場合は、家賃や光熱費の一部を「家事按分」として経費にできるケースもあります。
◾️経費として認められやすいものの例
ポイントは「事業に必要な支出である」こと。プライベートと分けて記録しておけば、確定申告もスムーズです。
▶︎参考文献:国税庁「No.2210 必要経費の知識(新しいタブまたはウィンドウで開く)」
働く場所や時間を自分の裁量で自由に決められるのも、個人事業主ならではの特権です。
ライフスタイルに合わせて休日を設定したり、旅先で仕事をしたりと、柔軟な働き方が叶います。
また定年という概念がないため、健康であれば生涯現役として働き続けることも可能です。
会社員のような給与テーブルはなく、個人の実力次第で収入を大きく伸ばせます。
スキルを磨いて単価を上げたり、効率化して案件数を増やしたりした分だけ、収益に直接反映されます。
自分の努力が数字としてダイレクトに返ってくることは、独立して働く大きなモチベーションになるでしょう。
個人事業主には会社員とは異なるリスクもありますが、多くは事前に対策が可能です。特につまずきやすい3つのポイントと、その解決策をご紹介します。
独立すると厚生年金や雇用保険の対象外となり、病気や廃業時の保障が少なくなります。
たとえば、国民健康保険には会社員のような「傷病手当金」や「出産手当金」が原則としてありません。
◼︎対策:自主的な備えを整える
将来の年金額を増やすためにiDeCoや国民年金基金を活用したり、民間の所得補償保険への加入を検討したりしましょう。
自分に必要な保障だけを自由にカスタマイズできるのは、個人事業主ならではの利点とも言えます。
▶︎参考文献:独立行政法人 中小企業基盤整備機構「小規模企業共済とは(新しいタブまたはウィンドウで開く)」
法人に比べると、銀行の融資審査や一部の企業取引において、社会的信用が低く見なされることがあります。
事業の安定性が証明しにくいため、クレジットカードやローンの審査が厳しくなるケースも少なくありません。
◼︎対策:会社員時代に準備を済ませる
大きなローンやクレジットカードの契約は、信用が安定している会社員のうちに済ませておくのが賢明です。また、高品質な名刺やロゴ、Webサイトを用意することで、プロとしての信頼感を視覚的に補強できます。
毎月一定の給与が保証されないため、景気や稼働状況によって収入が大きく変動します。独立直後は売上が伸び悩み、精神的なプレッシャーを感じる場面もあるでしょう。
◼︎対策:副業からステップアップする
まずは副業として小さく始め、収益の目処が立ってから独立を検討するのが最も安全な方法です。特定の取引先に依存せず、複数の収入源を持っておくこともリスク分散に役立ちます。
個人事業主の手続きは、税務署に「開業届」を提出するだけで完了します。
特別な資格は不要で誰でも始められますが、公務員や副業禁止の会社員の方は、あらかじめ所属先の規約を確認しておきましょう。
開業届は、原則として事業開始から1ヶ月以内に、最寄りの税務署へ提出します。
出さなくても今すぐ困るとは限りませんが、青色申告の申請や口座開設などで「開業の届出をしている」とスムーズな場面もあります。
迷わないよう、提出方法と書き方を先に押さえて準備しましょう。
開業届は、全部を理解してから書く必要はありません。
以下、記入例の赤字を自分の情報に置き換えるだけでOK。迷いやすいのは「納税地」「職業」「屋号」「所得の種類」「開業日」の5つだけです。
個人事業主の開業届の記入例
1. 税務署名(提出先)
提出先の税務署名を書きます。提出先は「納税地」で選んだ住所で決まります(迷ったら住所地でOK)。税務署名は国税庁の検索ページ(新しいタブまたはウィンドウで開く)で確認しましょう。
2. 提出日
実際に提出する日を書けばOK。
3. 納税地(住所・電話番号)
納税地(住所地/居所地/事業所)にチェックし、住所を記入。電話番号は携帯でも問題ありません。
4〜6. 本人情報(氏名/生年月日/マイナンバー)
氏名・生年月日・マイナンバー(12桁)を記入します(カード/通知カードで確認)。
7. 職業
「事業内容が伝わる程度」でOK(例:Webデザイナー、Web制作など)。迷ったら一番近い肩書きで問題ありません。
8. 屋号
屋号はあり/なしどちらでもOK。未定なら空欄で提出できます(名刺・請求書・Webサイトに使うなら決めておくとラク)。
9. 届出の区分
新規なら「開業」を選択。それ以外は該当しなければ基本空欄でOKです。
10. 所得の種類
多くのフリーランスは「事業所得」を選びます(不動産貸付や山林などは該当するものを選択)。
11. 開業・廃業等日
「事業開始日」は厳密な定義がないため、自分で“開業日”を決めて記入すればOK。提出日と同じ日でも問題ありません。
12. 事業の概要
収入につながる仕事の内容を、できるだけ具体的に書きます。複数ある場合は主なものを2〜3個でOK。
例)Web制作/デザイン制作、SEO記事制作/Webライティング など
節税を意識するなら、開業届とあわせて「青色申告承認申請書」も出しておくと安心です。
提出しておくと確定申告で青色申告を選べるようになり、最大65万円の特別控除(※要件あり)などのメリットを受けられます。提出しない場合は、基本的に白色申告になります。
◾️提出期限のルール
期限は迷いやすいので、開業届と一緒にまとめて出すのがいちばんシンプルです。
▶︎参考文献:国税庁「A1-8 所得税の青色申告承認申請手続(新しいタブまたはウィンドウで開く)」
開業届の提出を終えたら、次は「社会保険」「銀行口座」「確定申告」の準備を進めましょう。それぞれ期限があるため、以下のロードマップに沿って進めるとスムーズです。
◾️開業ロードマップ:やるべきこと一覧
| タイミング | やること | 期限・目安 |
|---|---|---|
| 退職直後 | 国民健康保険・年金への切替 | 退職翌日から14日以内 |
| 開業直後 | 事業用口座の開設 | 早めがおすすめ |
| 翌年2月 | 初めての確定申告 | 2月16日〜3月15日 |
会社を辞めて独立した際、最も優先するべき手続きが社会保険関連です。退職の翌日から14日以内に、お住まいの市区町村役場で手続きを行いましょう。
手続きが遅れると、未払い分の保険料を一括請求されたり、医療費が一時的に全額自己負担になったりする可能性があるため注意しましょう。
プライベート用とは別に、事業専用の銀行口座を開設しましょう。公私を分けて管理することで、経費の把握が格段に楽になり、確定申告時のミスを防げます。
確定申告は翌年ですが、準備は開業したその日から始まります。領収書やレシートは溜め込まず、こまめに整理・記録する習慣をつけましょう。
最も効率的なのは、クラウド会計ソフトの導入です。銀行口座やクレジットカードを連携させれば、日付や金額が自動で記録されるため、手作業による入力ミスや時間を大幅に削減できます。
▶参考サイト:国税庁「確定申告書等作成コーナー(新しいタブまたはウィンドウで開く)」
個人事業主が納める主な税金は、「所得税」「消費税」「住民税」「個人事業税」の4種類です。会社員とは異なり、自分で資金を管理して期限内に納税する必要があります。
◾️個人事業主の主な税金一覧
| 税金の種類 | 概要 | 納める時期(目安) |
|---|---|---|
| 所得税 | 1年間の利益にかかる国税 | 3月15日 |
| 消費税 | 商品やサービスの取引にかかる税金 | 3月31日 |
| 住民税 | 住んでいる地域に納める税金 | 6月・8月・10月・翌1月 |
| 個人事業税 | 一定以上の利益がある特定の業種にかかる税金 | 8月・11月 |
※消費税:売上1,000万円以下は免除される場合あり
※住民税:届く納付書で支払い(一括も可)
※個人事業税:所得290万円以下はかからない
税金は「売上」そのものではなく、経費などを差し引いた「利益(所得)」に対して計算されます。
◼︎課税所得の計算式
売上 − 経費 − 控除 = 課税所得(税金がかかる金額)
「経費」と「控除」を漏れなく計上することが、手元に残るお金を増やすポイントです。領収書やレシートは、日頃から整理して保管しておきましょう。
▶︎参考文献:国税庁「No.2260 所得税の税率(新しいタブまたはウィンドウで開く)」
インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応は、自分の取引状況に合わせて「登録するかどうか」を判断しましょう。
登録は義務ではありません。
以下のメリット・デメリットを比較して検討することが大切です。
◾️登録する場合(課税事業者になる)
◾️登録しない場合(免税事業者のまま)
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インボイス制度に必要な項目があらかじめ整っているため、情報を入力するだけで法令に沿った請求書が完成します。事務作業の手間を最小限に抑え、スムーズな取引に役立てましょう。
▶︎参考文献:国税庁「インボイス制度特設サイト(新しいタブまたはウィンドウで開く)」
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