1. ポスターに適したフォント3大条件と使える無料・有料フォント

ポスターに適したフォント3大条件と使える無料・有料フォント

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ポスターを自社で作らないとならなくなった時、はじめてだとわからないことが多いかと思います。特に、フォントは有料・無料、日本語・英語を含めてたくさんの数があり、参考にしているポスターごとに全然違うものを使用していますので、自社のポスターに使うフォントはどれが正解なのかわからなくなり、不安になる人も多いかと思います。

そこで今回は、ポスターに使うフォントに関して

  1. ポスターに使えるイメージ別フォント&無料・有料フォント先
  2. ポスターに適したフォントの3大条件と推奨5フォント
  3. ポスターに適したフォントサイズ目安と気をつける3ポイント

をまとめました。最後までお読みいただければ、自社で作成中のポスターにはどのフォントが適切なのかがわかり、安心してポスター作りを進行できます。

1.ポスターに使えるイメージ別フォント&無料・有料フォント先

本章では、ポスター作成に適したイメージ別のフォントと、ダウンロード先をまとめました。下記の図は、ポスターの仕上がり時のイメージ(雰囲気)を分布したものですので、フォント選びの参考にしてください。

1-1.イメージでフォントを選ぶ

フォントはそれ自体に雰囲気・イメージがあります。ここでは、ポスターが出したいイメージ合わせて、フォントが選べるようにまとめました。

  1. 男性向けフォント:ヒラギノ角ゴ(有料)・Noto Sans JP(無料)

現代的なゴシック体です。遠くからでもよく見えて、読みやすいフォントのため、多くのTVコマーシャル、雑誌、標識などにも多数採用されています。

最も身近な例としては、iPhoneとMacの標準フォントに使われていることもあり、とても見慣れた親しみを感じるフォントです。ヒラギノ角ゴは高額な有料フォントなので、使用する際はNoto Sans JPをオススメします。

Noto Sans JPは、GoogleとAdobeがスマホとPCでよく見える文字として共同開発したフォントで、非常にヒラギノ角ゴに似ています。こちらは無料です。

  1. 女性向けフォント:黎ミン(有料)・はんなり明朝(無料)

現代的な明朝体です。文字に丸みのある、女性らしいフォントで30代以上を対象とした化粧品のパッケージ、女性誌や書籍でよく採用されています。明朝体の中でも、比較的新しいフォントです。

①の男性向けに比較するとインパクトは弱めですが、全体的にエレガントな雰囲気になります。無料のはんなり明朝は黎ミンと比較すると、少し字幅が広くとってあります。

日本のお祝いごとや、熨斗袋などに使われる字です。見るからに伝統的で「キチンとした」雰囲気が伝わります。遠くからでもわかるような目立つ文字でもあり、同時に文字がアイコンとして機能する文字です。

  1. レトロ:うつくし明朝オールド(無料)

文字がなんとなく横に広がり、レトロで柔らかい雰囲気があります。女性向け化粧品と健康食品など「美しさ」を伝えたいパッケージによく使われています。

このフォントで文字がたくさん並ぶと、非常に優雅に見えます。

上手な筆書きのような美しい和の雰囲気がある楷書体です。楷書なので、字をくずさずにキチンと書いてありますから、遠くからでも見やすく正統派の雰囲気が伝わります。

茶道・華道・日本舞踊など日本の伝統的な習い事の書籍やポスターでよく見かけるフォントです。

  1. 洋風:欧風フォント集(フリー)

スタイリッシュでモダンなアルファベットのフォント集です。遠くからでも識別のしやすい、センスが良い、インパクトのあるフォントが揃っています。

  1. インパクト優先:勘亭流

歌舞伎などを連想させる太くてうねりのあるフォントです。江戸時代の書家・勘亭が作り出したものだと言われています。「大入袋」「千客万来」などの文字に使われるフォントで、力強くて明るいイメージと遠くからでも目立ち、見つけてもらいやすいフォントです。

  1. ホラー:ホラーAW5AR 古印体B(有料)

どちらも、遊園地のお化け屋敷・テレビのホラー番組などで見かけるフォントです。AW5は文字自体が震えている印象です。

AR古印体は、印鑑の書体のことですがポスター大に引き延ばすとホラー感が出ます。どちらも有料フォントですが、このフォントでなければ伝えられない内容であれば使った方が良いでしょう。

1−2.揃えておくべき無料の人気フォント

ここでは、よく街のポスターで見かける5フォントで無料のものをピックアップしました。多くの媒体が使うフォントは、人気のあり、万人に印象が良いフォントと言えます。

どのフォントにすればいいのかわからなくなったら、5つの人気フォントのなかから選択すれば、ハズレがありません。

Adobeが開発したゴシック体で、印字・PC・スマホの全てで見やすいように作られています。世界で漢字が使われる国には日本・中国・韓国がありますが、これらの文字を全て網羅できるゴシック体のフォントには「Source Han Sans」です。その中から日本語部分だけを取り出したものを「源ノ角ゴシック」と呼びます。

柔らかく優しい印象を与える明朝体です。上記の源ノ角ゴシックとセットで開発されたので、こちらも印字・PC・スマホの全てで読みやすく見やすく作られています。

横書きの流れを意識して作られた、大変に美しい明朝体です。文字の中で線が繋がっている部分が多いので、滑らかで、目線がその文字の流れに沿って横に動いていきますので、文字が多いポスターでもゴチャゴチャした印象になりません。

また、文字に角がないので、丸く優しい雰囲気が伝わります。

女性向けのポスターでよく使われているフォントです。やわらかくてふんわりした印象で、京都の「はんなり」という言葉通り、明るく・上品で華やかでありながら落ち着きがある風情にポスターが仕上がります。

少し高級感のあるものを訴求したい時にも使えます。

電子書籍やデジタル漫画の普及により、一気にメジャーになったフォントです。

基本的にはデジタル画面または漫画書籍の大きさで読みやすい前提ですが、若い世代にとって親しみのある文字となったため、ポスターなどでも見かけるようになりました。

1-3.買うからには後悔ゼロのヘビロテ有料5フォント

こちらは有料版のフォントです。こちらも街で見かけるポスターで良く使われているフォントです。見た目がスッキリと美しくて読みやすいので、ポスター以外の書類やサイト作成などでも使いまわしが出来るフォントです。

フォントの値段は使いたいものによって大きく差があります。購入方法はダウンロード形式ですが

  • 一年ごとの契約
  • 5年使用契約
  • 買取

などのスタイルがあり、それぞれフォントの開発元と開発者により契約方法が違います。目安として、世界的に人気のある書体は年間で5万円〜のものが主流です。

  1. Helvetica:世界人気ナンバーワンフォント

ヘルベチカと読みます。世界で最も使われているフォントなため、世界人気ナンバーワンと言われています。世界の人がこの文字を愛しすぎてしまって、このフォントの映画まで出来ました。英文をたくさん使う場合は、購入を検討してもよいかもしれません。

このフォントと似ている無料フォントはArialです。

  1. DIN:ユニクロが採用している、遠くからでも見つけられるフォント

ドイツ生まれのフォントで、工業用の識別番号のための文字に使われているため、アルファベットの間違いが起きにくく、遠くからでも判別できるフォントです。日本ではユニクロがロゴに使用しています。

  1. 筑紫A丸ゴシック:JRアトレが採用している愛されフォント

可愛らしさがあるのに遠くからでも読みやすいフォントです。デザイン性が高く、2010東京TDC賞を受賞しているアートと実用を兼ね備えたフォントです。

JRアトレのロゴと商品バッグなどに使われているフォントなので、見覚えがある人もいるかと思います。

  1. ヒラギノ角ゴ:日本人の半数が毎日見ているフォント

Mac・iPhoneのフォントとして知られる、日本のiPhoneユーザーならば毎日、目にしているフォントです。その親やすさと読みやすさから、多くのテレビコマーシャルと交通標識にも採用されています。

  1. A1 明朝:ちょっとノスタルジックな雰囲気のある美しい日本語フォント

細めの硬い筆ペンで書いたような字体で、文字の端のほうにわずかにインクがたまったような印象を与える、優雅で独特な雰囲気を持つフォントです。

映画「君の名」はで使われた文字というと「ああ!」と思い出す人も多いでしょう。人の記憶に残りやすいフォントです。

気になるフォントが必ず見つかる5フォントマーケット紹介

フォントは日々、フォント作家たちによって新しいものが発表されていますので、今回紹介したもの以外でも、有料無料ともに新しいものが続々と出てきます。ここでは、多くのフォントを紹介しているフォントマーケットを紹介します。

汎用テンプレートを主体に、フォントも扱うマーケット。中国字体も多く扱っている。自分の手書き文字からオリジナルのフォントを作るサービスも行なっている。

デザイン書体が豊富にあるフォントマーケット。定期的にセールをやっているので気になるフォントが対象だったらお買い得です。

投稿型のフォントサイトで、全てが無料。とにかく、数がいっぱいあるので、「ちょっと変わったものないかな」と思った時でも、定期的にのぞいているとかならず良いものが見つかります。

  1. fontopo(無料)

フォント製作者が運営するフリーフォントのサイト。クオリティの高い、素敵なフォントが多い。どちらかというと、現代的なデザインのものが多いです。

  1. Booth(有料・無料)

アートの作家が自分の創作物を発表して販売するサイト「Booth」に、フォントのページがあります。有料無料合わせてまんべんなく掲載されており、サイト内のフォントも探しやすいです。

2.ポスターに適したフォントの3大条件と推奨5フォント

本章ではポスター作成の原則に沿ったフォントの3条件と、その条件をすべてクリアしているフォントをまとめました。

2-1.ポスターに適したフォントの3条件

ポスターに適したフォント条件は3つあります。ポスターは「周知」「告知」をするためのものなので、

  • 条件1:遠くからでも見やすい(視認性)

文字が遠くからでも読めると、「ポスターの見つけやすさ」に違いが出ます。

  • 条件2:文字が読みやすい(可読性)

老若男女全てに「何が書いてあるか意味が通じる」レベルで読みやすいことです。

どんなにデザインが素敵な文字でも、必要な情報を読むことが出来ないと、ポスターフォントとしての意味は薄くなってしまいます。

  • 条件3:読み間違えなどがない(判読性)

日本語の場合、漢字には部首とつくりがあるため、文字の間隔によって読み違えが生じます。

例えば、「旧中山道」と「1日中山道」は判読性が低く、フォントによっては、どちらにでも読めてしまうことがあります。このような間違いが起きないフォントが、ポスターには適しています。

以上の3条件が揃っているフォントが良いフォントです。この条件が揃わないものは、人から判別・認識されにくい傾向があり、ポスターのフォントとしては不適切です。

2-2.ポスターに適した推奨5フォント

年齢・性別・イメージ・ポスター内容などを問わず、誰が見てもわかりやすく見つけてもらいやすい、ポスターフォントの3条件をクリアしているフォントで

日本語3つ 英語2つ

の合計5つを紹介します。下図は、それぞれのフォントがポスター紙面でどう見えるかの分布図です。

  • 日本語フォント

  1. 明朝体

文字の構成が、太い線と細い線でできているフォントです。普段の資料作成などでも使用している慣れ親しんだフォントです。

  1. ゴシック体

文字の構成が全て同じ太さの線でできているフォントです。全部の線が同じ太さなので、細くすると見ずらく、太くすると目立つようになります。

  1. メイリオ

なんとなく角に丸みのある同じ線の太さの文字で、①明朝 ②ゴシックと比較したときに、より日本語が滑らかに見えるように作られています。フォント自体が上下左右に余白を持っているので、自然とゆったりした配置になります。

メイリオとは、日本語の「明瞭」を英語読みしたものです。その読みやすさから愛用者が多いので、日本ではポスターで使用されていることがあります。ただし、Macでポスターを作成する場合は表示されないこともあり、その場合は游ゴシック体を選択すると、メイリオと同じような表示になります。

  • 英語フォント

日本語をメインとしたポスターで英語も使う場合は、採用した日本語フォントと相性の良い英語フォントを使います。

日本語のフォントと同様、線の構成に違いがありますので、同じ構成になっているフォント同士を組み合わせると、トーンの揃った仕上がりになります。

英語フォントは2種あります。

  1. セリフ体(明朝体と同じ構成)

セリフ体は、太い線と細い線でできている英語フォントです。

セリフ体の「セリフ」とは、文字の書き出しの部分にある突起のようなもので、ペンで書いた時にインクが少し溜まる部分のことです。図を見ていただくとわかりますが、太字にすると線の太いところと細いところ、インクの溜まり部分がよりハッキリしてくるので、特徴のある文字になります。

良く使われているセリフ体の例

  1. CenturyGeorgiaTimesGaramondBodoniTRAJANRockwellサンセリフ体(ゴシック体と同じ構成)

サンセリフ体はゴシックと同じように、全てが同じ太さの線でできている英文です。文字の太さが均一なので、特に太字にした時にはインパクトの強いフォントになります。

ゴシックの日本語を使う時は、英文をサンセリフ体にすると良いでしょう。

良く使われているサンセリフ体の例:

  1. HelveticaArialFuturaGill SansOptimaVerdanaFrutiger

以上の2つのタイプの英文が、日本語との相性がよく、一緒に使っても美しく仕上がります。これらの合計5フォントが、日本語メインで作成するポスターで、最も3大条件をクリアできる基本的なフォントです。

これらの英文フォントも、1章で紹介したフォントマーケットで入手が出来ます。また、お使いのPCやソフトのバージョンによっては最初から上記のフォントがインストールされている場合もありますので、先にフォントをあけて確認をしましょう。(何が予めインストールされているかはお使いの機器によって違います)

3.ポスターに適したフォントサイズ目安と気をつける3ポイント

ポスターの一番の特徴は、その大きさです。一般の印刷物と比較すると、ポスターの紙面は大きく、平均的な大きさは以下のようになっています。

  1. A1(世界標準) 594×841B2(日本規格) 515×728B3(社内吊り)  364×515

数字見るとピンときませんので、下記のイラストのようにポスターを広げてみましょう。

例えば、A1サイズを縦に広げると、160センチの身長の人の足首からおへそあたりまでの高さがあります。こうして考えると、かなり大きなものを作成しているイメージがつかめると思います。

このように、ポスターという大きな紙面のものを作る時に大切なポイントを3つにまとめましたので、作成時の参考にしてください。

ポイント1:フォントを使う場所は3ヶ所 ポスターでフォント、つまり文字を使用する場所は3ヶ所あります。

  1. タイトル

最も大きな文字で、目立つ部分です。ここに、最も訴求したいものを入れます。

  1. 小見出し

タイトルの中身を簡単に説明する部分です。

  1. 本文

ポスターで告知したい内容が、具体的に書かれている部分です。

ポイント2:実際の文字の大きさ ポイント1で説明した、3つの伝えたいことを、ポスターの紙面でバランスよく配置していきます。 作っている時はPCの小さな画面ですが、実際のポスターは大きな印刷物になりますので、仕上がりは若干、作っている時のイメージと違ってきます。

文字の大きさの理想的なバランス配分はA1サイズなら

  1. タイトル: 70~90pt小見出し: 60~70pt本文: 32~40pt

くらいが適当です。これらの大きさは、ポスターの読みやすさを優先して配分されたもので、特殊なデザインを除いては、世界共通の認識です。

この「pt」というのはポイントと読み、印刷所で使用する文字の大きさの指定級数です。大きさ目安としては、1pt(ポイント)=0.35mmなので、上記のptをわかりやすくセンチメートルで表すと

  1. タイトル: 70~90pt =3cm角の文字小見出し: 60~70pt=2cm角の文字本文: 32~40pt=1cm角の文字

となり、A1タイプのポスターに当てはめると、だいたい以下の画像のようなイメージになります。

ポイント3:本文の文字が多い場合は文字を減らす ポスターの中で文字がたくさんあるのは本文です。作っている最中に本文の文字が多いと感じたら、文字を小さくするのではなく、文字を減らして調整をします

文字の大きさを小さくすれば確かに大量の字数を詰め込むことは出来ますが、ポスター上には文字だけではなく画像もありますので、見る側にとって必要最低限の情報がスッキリとバランスよく収まっているほうが好印象です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ポスターに適したフォント選びのために

  1. ポスターに使えるイメージ別フォント&無料・有料フォント先ポスターに適したフォントの3大条件と推奨5フォントポスターに適したフォントサイズ目安と気をつける3ポイント

をまとめました。最後までお読みになった方は、使いたいフォントが見つかったのではないでしょうか。また、もし見つからなかった場合でも、紹介したフォントマーケットでお気に入りのものが見つかると思います。良いポスターになるように応援しています。

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