最終更新日 : 2026年6月16日
▼記事のまとめ
プレスリリースは、企業や団体が社会に向けて新しい情報を公式に発表するための文書であり、主に報道機関やメディア(新聞・テレビ・Webメディアなど)を通じて広く情報を伝える重要な広報手段です。
広告とは異なり、第三者であるメディアの編集が加わることで客観性や信頼性が高まり、認知度や話題性の拡大にもつながります。
本記事では、プレスリリースの配信を検討している人に向けて、意味や目的、ニュースリリースや広告との違い、基本構成と書き方、配信方法、効果を高めるポイントや注意点、さらに具体的な成功事例までを体系的に解説します。
あわせて、プレスリリースの効果を高めるためには視覚的な要素の活用も欠かせません。情報の伝わりやすさや訴求力を強化するビジュアル作成に役立つデザインツール「Canva(キャンバ)」(新しいタブまたはウィンドウで開く)の活用方法についても紹介します。
※本記事で使用している画像は、全てCanva(キャンバ)で作成しています。
プレスリリースとは、企業や団体が社会に向けて新しい情報を公式に発表するための文書です。報道機関やメディアに対して情報を提供し、記事として取り上げられることで、一般の人々に広く伝える役割を果たします。
広報活動やマーケティング施策の基盤となる重要な手段であり、信頼性をもって自社の活動を社会に知らせることができます。
プレスリリースとニュースリリースはしばしば同じ意味で使われますが、厳密には異なるニュアンスを持っています。
つまり、プレスリリースは「報道を通じた拡散」、ニュースリリースは「直接的な情報共有」に比重があるといえるでしょう。
プレスリリースと広告は混同されがちですが、目的や費用の仕組み、情報コントロールの範囲、受け手からの信頼性といった点で大きく異なります。
| 観点 | プレスリリース | 広告 |
|---|---|---|
| 目的 | 報道価値のある事実を伝え、ニュースとして社会に広げること | 企業が費用を払って表現を設計し、販売促進やイメージ向上を図ること |
| 費用 | 配信サービスの利用料はかかるが、記事として取り上げられれば掲載料は不要 | 広告媒体への出稿や運用に継続的な費用が発生 |
| コントロール性 | 記事化の可否や表現はメディアの編集権限に委ねられる | 広告内容・掲載場所・期間などを基本的に自社でコントロール可能 |
| 信頼性 | 第三者であるメディアの編集が入るため、客観性が担保され社会的信頼を得やすい | 企業発信の宣伝と受け取られるため、信頼性は相対的に低い |
プレスリリースは、「宣伝文」ではなく「ニュース素材」です。具体的な事実や根拠に基づいて情報価値を示すことで、記事として取り上げられる可能性が高まります。
プレスリリースは、企業活動を社会に広く伝え、信頼や話題性を獲得するための重要な広報手段です。メディアを通じて発信されることで、自社だけでは届かない層にも情報を届けられ、信頼性や認知度の向上につながります。
主な目的とメリットは次のとおりです。
プレスリリースは「タイトル→リード(要約)→本文→会社概要→問い合わせ先」という逆三角形の構成が基本です。重要な情報を冒頭に置き、読み進めるほど詳細になる設計にすると、記者や読者が短時間で要点を把握できます。
ここでは、基本的な構成に沿って書き方のポイントを解説します。
近年はオンライン配信が主流となり、文字情報だけでなくデザインやビジュアル要素の重要性も高まっています。
デザインツール「Canva(キャンバ)」を使えば、テンプレートを活用して誰でも簡単にプレスリリースをデザイン可能です。文書の体裁を整えながら、アイキャッチ画像やレイアウトを工夫することで、より効果的な発信につなげられます。
プレスリリースの中で最も重要な要素の1つが、タイトルとリード文です。
冒頭の部分で読み手の興味をつかむことができれば、記事化の可能性も大きく高まります。
本文は一般的に1,000〜1,500字程度が理想とされ、ニュース性や信頼性を重視した構成が求められます。基本的な流れは以下の通りです。
また、主観的な表現は避け、数字や具体例で裏付けしましょう。リンクは目的別に整理し、製品ページやランディングページ、資料ダウンロード、取材用素材などへの導線を明確に配置すると効果的です。
実際に本文を書く際のポイントは以下の通りです。
単なる機能紹介や社内告知では記事化されにくいため、以下のようなニュース価値を高める要素を組み込むようにしましょう。
「なぜ今、世の中にとって意味があるのか」を明確に伝えることが重要です。
プレスリリースは、限られた時間で多くの情報に目を通す記者や読者を相手にするため、読みやすさと簡潔さが何よりも重要です。以下のポイントを意識して文章を作成しましょう。
写真や図版、グラフなどの図表を盛り込むことで内容が理解しやすくなり、記事化の際にもそのまま活用してもらえる可能性が高まります。以下のような画像や資料を挿入すると効果的です。
画像は解像度や著作権に配慮し、補足資料としてPDFやリンクを添付すると信頼性が高まります。なお、無料デザインツール「Canva」のテンプレートを活用すれば、アイキャッチ画像や図版、グラフ、表組などを短時間で作成できるため、プレスリリースの質を一段と引き上げることができます。
プレスリリースの最後には、企業の基本情報と問い合わせ先を必ず記載します。
これらを記載することで、メディアが追加取材をしやすくなり、信頼性も高まります。
プレスリリースを届けたい相手に確実に届けるためには、どの方法で配信するのかを戦略的に選ぶことが重要です。代表的な手法としては以下の3つがあり、それぞれの特徴を理解した上で組み合わせて活用すると効果が高まります。
プレスリリース配信サービスとは、プレスリリースをメディア(新聞社・テレビ局・Webサイトなど)に効率的かつ広範囲に伝えるためのWebサービスです。配信サービスを使えば、数多くのメディアに一斉配信でき、掲載の可能性を高められます。
◾️配信サービスの代表例
広報の専任担当がいない企業にとっては効率的に情報を届けられる手段であり、費用はかかるものの手間と時間を大幅に削減できます。特に、新商品や新サービスの発表など、迅速に多くのメディアへ届けたい場面では大きな効果を発揮します。
自社の公式Webサイトにプレスリリースを掲載することも欠かせません。検索エンジンに表示されやすくなり、SEOの観点からも有効です。
さらに、SNSでシェアすればメディア以外の顧客や潜在層にも直接アプローチでき、情報拡散の幅を広げられます。
なお、デザインツール「Canva」を活用すれば、SNS用の投稿画像やストーリーを手軽に作成でき、視覚的に訴求力を高めることができます。
狙ったメディアや記者に確実に情報を届けたい場合は、メディアリストを活用して直接メールで送付する方法が有効です。メディアリストとは、過去に記事化してくれた記者や関連性の高いメディアの連絡先をまとめたものです。
プレスリリースを直接送付する際のポイントは以下の通りです。
プレスリリースはただ配信すればよいというものではなく、戦略的に工夫することで効果を最大化できます。メディアや読者にとって「記事化する価値がある」と思わせる内容や配信方法を意識することが重要です。
ここでは、より効果的に活用するための具体的なポイントと、注意すべき点を整理します。
プレスリリースは注目されやすいタイミングを選んで配信することが大切です。
また、大型イベントや業界カンファレンスと重なる日は話題が奪われやすいため、前後にずらす判断も効果的です。自社の重要発表が複数ある場合は、日を分けて発表し、1つのトピックで深く報じてもらえる構成にすることが望ましいです。
誰に情報を届けたいのかを明確にすることで、プレスリリースの切り口や内容の深さを最適化できます。消費者に届けたいのか、業界関係者に知ってほしいのか、投資家に注目してほしいのかによって、言葉選びや具体例の示し方が変わります。
◾️切り口の調整
◾️内容の深さ
ターゲットに合わせて、見出しや用語、数値の粒度、事例の選び方を調整
さらに、配信先も地域メディア、業界特化メディア、投資家向け媒体などにセグメントし、タイトルや冒頭の一段落を微調整することで採用率を高められます。
プレスリリースは広告ではなく、ニュース性のある事実を発信するものです。宣伝色が強すぎると記者に敬遠され、記事化の可能性を下げてしまいます。
できるだけ中立的な表現を心がけることで、信頼性が高まります。
小さな誤字や記載漏れでも、情報の正確性や企業の信頼性を損なう恐れがあります。公開前には、法務・表記・数値・素材・リンクの5観点でチェックリストを作成し、少なくとも二重チェックを行う体制を整えましょう。
| 観点 | チェック内容 |
|---|---|
| 法務 | 著作権や商標などの権利関係に問題がないか。引用データや他社名の出典を明記しているか。 |
| 表記 | 社名、製品名、役職名などの固有名詞に誤りがないか。半角/全角、カタカナなどの表記は統一されているか。 |
| 数値 | 売上高や市場規模などの数値に誤りがないか。単位や桁数(億・万・千)の表記は統一されているか。 |
| 素材 | 画像やグラフの解像度、著作権、キャプションは問題ないか。提供可能な写真や取材素材が整っているか。 |
| リンク | サイトや資料ダウンロード先のリンク切れがないか。リンク先の内容が最新かつプレスリリースと整合しているか。 |
細部にまで注意を払うことが、メディアや読者からの信頼を獲得する第一歩です。
ここでは、実際のプレスリリースの事例として、Canva Japan株式会社がPR TIMESに配信したプレスリリースを用いながら、どのような工夫が効果につながったのかを見ていきましょう。
独自の情報やデータをプレスリリースとして発信することは、特定分野での権威性を高める有効な手段です。
Canvaの事例では、「ビジュアルコミュニケーション」をテーマに、自社調査をもとにZ世代と他世代の違いを数値で分析。さらに神経科学の手法を取り入れることで、専門性の裏付けを加えています。
このように客観的な調査結果を示すことで、「Canva=ビジュアルコミュニケーションのリーダー」という印象を与えることができます。
▶︎プレスリリース:Canva、ふりがな機能の提供を開始(新しいタブまたはウィンドウで開く)
新機能のリリースは、ユーザーに直接的なメリットを訴求できるテーマの一つです。Canvaの「ふりがな機能」は教育現場や読み書き支援といった具体的なユースケースを意識し、ユーザーからの要望に応える形で開発されました。
背景ストーリーを伝えることで、「誰に、どんな価値があるのか」を明確に示すことができ、共感を得やすい内容になっています。
さらに人気イラスト「かいじゅうステップ」の導入時も、話題性を作るためにプレスリリースを活用。教育現場や子ども向け利用を想起させ、新しいユーザー層へのリーチ拡大を実現しました。ブランドの親しみやすさを強化する点でも効果的な事例です。
大規模イベントや新機能発表は、ニュース性を高めやすい題材です。Canvaが毎年開催する「Canva Create」の時期には、プレスリリースを用いてわかりやすく発表内容を発信しています。
2022年には“6つの新機能”を発表し、数字を打ち出すことで注目を集めました。イベント形式を採用することでメディア露出を拡大し、話題を継続的に広げることができます。
◾️まとめ
プレスリリースを今後配信するときは、他社の事例を参考にしながら、以下を意識して作成するのがポイントです。
こうした工夫を取り入れることで、プレスリリースは単なる情報発信にとどまらず、メディア露出、ユーザー拡大、ブランド認知の向上へとつなげることができます。
プレスリリースは文章が中心ではありますが、視覚的な要素を取り入れることで情報の伝わりやすさや訴求力が格段に高まります。特にオンライン配信が主流になっている現在では、アイキャッチ画像や図表の有無が、読まれるかどうかに大きな差を生みます。
そこで役立つのが、無料で使えるデザインツール「Canva(キャンバ)」です。デザインの専門知識がなくても、豊富なテンプレートと直感的な操作で、プロのような仕上がりを短時間で作成できます。
具体的には、以下のようなビジュアルをCanvaで作成できます。
このように、Canvaを取り入れることで、文章だけでは伝えきれない情報を効果的に補完し、メディアや読者にとって「理解しやすく、使いやすい」プレスリリースを作ることが可能になります。
一例として、アイキャッチ画像をCanvaで作成する方法をご紹介します。
Canvaには豊富なテンプレートが用意されているので、まずは「テンプレート一覧」から目的に合ったテンプレートを選び、編集画面を開きましょう。
テンプレート内のテキストや画像は自由に編集でき、図形・グラフィック・写真などの素材も豊富に揃っているため、目的に応じたカスタマイズが簡単に行えます。
また、Canvaではリンクを共有することで他のメンバーと共同編集も可能です。
なお、これら以外のデザインの作成方法や、おしゃれなデザインを作るためのヒント・コツについては、以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
プレスリリースは、単なる情報発表ではなく、ニュース性を持たせて「価値ある情報」として届けることで、メディア掲載や話題の拡大につながります。
その効果は、配信方法やタイミング、書き方の工夫によって大きく変わります。さらに近年は、Canva(キャンバ)のようなデザインツールを活用し、アイキャッチ画像や図表を組み合わせることで、視覚的にわかりやすく記事化されやすいプレスリリースを効率的に作成できるようになりました。
今後プレスリリースを発信する際には、本記事で紹介した目的や書き方、配信方法、注意点を意識して活用してみてください。戦略的に取り組むことで、自社の魅力をより多くの人に伝え、信頼性と認知度を高められるでしょう。
プレスリリースを初めて発信する際や、なかなか効果が得られないと感じている場合には、多くの疑問や不安が生まれます。ここでは代表的な質問を取り上げ、その解決のヒントを紹介します。実務にすぐに活かせる内容をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
「プレスリリースは意味がない」と感じてしまう人もいますが、それは誤解です。効果が出ないと感じるのは、次のような原因による場合がほとんどです。
本記事で紹介したように、ニュース性を意識した内容づくりと配信のポイントを押さえた運用によって成果は高められます。さらに、公開後は掲載状況やアクセス流入、指名検索の変化を計測し、次回の配信に必ず学びを反映させることが重要です。
海外市場への進出を目指す場合や、海外メディアに取り上げられたい場合には、英語でのプレスリリースが有効です。翻訳会社や配信サービスを利用すれば効率的に準備できます。
一方で、国内のみを対象としている場合は日本語だけで十分です。事業の展開エリアやターゲット層を踏まえて判断するのがよいでしょう。