最終更新日 : 2026年6月16日
議事録は、会議で話し合われた内容を整理し、決定事項や合意内容を業務に活かすための重要なビジネス文書です。単なる発言の記録ではなく、「何が決まり、次に何をするのか」を明確にし、関係者の認識をそろえる役割を担います。
あらかじめフォーマットや作成の流れを決めておくことで、誰が作成しても分かりやすく、実務に活用しやすい議事録を作成できます。発言をすべて書き起こすのではなく、決定事項やToDoを中心に要点をまとめることが、質の高い議事録を作成するための重要なポイントです。
本記事では、議事録の作成に慣れていない方に向けて、メモの取り方や要約のコツ、読み手に伝わりやすくまとめるためのポイントを整理し、そのまま使える議事録の例文も紹介します。
また、豊富なテンプレートやAI機能を利用しながら、効率的に議事録を作成・共有できるデザインツール「Canva(キャンバ)」(新しいタブまたはウィンドウで開く)の活用方法についても紹介します。
※本記事で使用している画像は、全てCanva(キャンバ)で作成しています。
議事録とは、会議で話し合われた内容や決定事項を、後から正確に共有・確認するためのビジネス文書です。単なる会話の記録ではなく、会議の成果を業務に活かすための実務ツールとして重要な役割を担っています。
議事録を作成する目的は、大きく分けて以下の3つです。
・情報共有
会議に参加していない人や、後から内容を確認する人に対して、「何が話され、何が決まったのか」を正しく伝える役割がある。議事録を残すことで、認識のズレや伝達漏れを防ぐことができる
・意思決定の記録
「いつ・誰が・何を決めたのか」を明確に残すことで、判断の経緯を後から振り返ることができる。これは、責任の所在を明らかにするうえでも重要
・次の行動につなげるための整理
議事録の最終的な目的は、会議を実施しただけで終わらせないこと。決定事項やToDoを整理することで、会議後に取るべき行動が明確になる
つまり、良い議事録とは単に会議内容を記録したものではなく、会議の結果を次のアクションにつなげられるものです。この視点を持つことで、議事録の書き方は大きく変わります。
議事録の作成を効率化するうえで最も重要なのが、事前にフォーマットを用意しておくことです。フォーマットがあるだけで、記載漏れを防げるうえ、毎回構成を考える手間も省けます。
▼議事録に必ず入れたい基本項目
これらをあらかじめ項目として並べておけば、「何を書けばいいか分からない」という状態を防げます。
また、無料で使えるデザインツール「Canva(キャンバ)」には議事録用のテンプレートが用意されており、レイアウトや見出しが整った状態で使えるため便利です。自社用・クライアント用など、用途別にテンプレートを作っておくとさらに効率が上がります。
会議中に発言をすべて書き取ろうとすると、内容を追うことに意識が向き、重要な話を聞き逃してしまいがちです。そこで有効なのが、録音を補助的に活用しながらメモを取る方法です。
録音を行うことで、会議中は発言を正確に書き写すことよりも、「要点を押さえること」に集中できます。その結果、議事録として重要な情報を効率よく整理しやすくなります。
メモを取る際は、特に以下のポイントを意識すると、後からまとめやすくなります。
なお、録音を行う場合は、事前に参加者へ一言断ることが大切です。あわせて、録音データの取り扱いや保管方法についても、社内ルールを定めておくと安心です。
会議後は、メモや録音内容をそのまま書き写すのではなく、議事録として読みやすく、分かりやすい形に整理することが重要です。
ポイントは、「すべてを書き残すこと」ではなく、要点を取捨選択することにあります。会議中に出た情報の中から、議事録として必要な内容だけを残す意識が欠かせません。
整理する際は、以下の観点を意識すると、内容を簡潔にまとめやすくなります。
「この情報は、読み手が次の行動を判断するうえで本当に必要か」という視点で取捨選択することで、無駄がなく、実務に活かしやすい議事録になります。
議事録は、内容の正確さだけでなく、共有までのスピードも重要な評価ポイントです。どれだけ丁寧に作成していても、共有が遅れると実務で十分に活かされません。
共有が遅れると、以下のようなトラブルが起こりやすくなります。
こうした事態を防ぐためにも、議事録は会議当日から翌営業日までに共有するのが理想です。完璧な仕上がりを目指して時間をかけすぎるよりも、「まず共有する」ことを優先する方が、実務では評価されやすくなります。
議事録は、内容を正確に記録するだけでは十分とはいえません。実務では、読み手が短時間で内容を把握できるかどうかが重要な評価ポイントになります。
ここでは、「わかりやすい議事録」と評価されやすくなる具体的なポイントを解説します。
冒頭に基本情報をまとめる
議事録の冒頭には、会議の全体像をひと目で把握できる基本情報をまとめて記載します。最初に概要を示すことで、読み手は本文を読む前に「どのような会議だったのか」を理解できます。
冒頭に整理しておきたい主な項目は、以下のとおりです。
これらの情報を最初にまとめておくだけで、「どの会議の議事録なのか分からない」「前提や背景が把握できない」といった読み手のストレスを減らせます。特に、後日見返す場合や、会議に参加していない第三者が読む場合に効果的です。
議事録で最も重要なのは、何が決まり、次に何をするのかが明確になっていることです。そのため、「決定事項」と「ToDo」は、他の情報よりも優先して分かるように整理します。
この2点がひと目で把握できるだけで、議事録としての評価は大きく高まります。
おすすめなのは、議題ごとに「決定事項」と「ToDo」をセットで整理する方法です。たとえば、以下のようにまとめると、行動に移しやすくなります。
すべての発言を同じ重要度で記載するのではなく、行動につながる情報を上位に配置することが、分かりやすい議事録を書くためのポイントです。
議事録で発言をそのまま書き起こすと、情報量が多くなりすぎて、「結局、何が重要だったのかわからない」状態になりがちです。そのため、議事録では全文を書き残すのではなく、要点を整理したうえで要約することが重要になります。
まず意識したいのは、会議中の発言を時系列で並べるのではなく、役割ごとに情報を整理することです。具体的には、次のように分類すると全体像が把握しやすくなります。
この整理を行ったうえで、結論に直接関係しない細かなやり取りや、同じ趣旨の発言はまとめて省略します。たとえば、複数人から似た意見が出た場合は、発言者ごとに記載するのではなく、「〇〇について賛成意見が複数出た」と要約すれば十分です。
要約の精度を高めるためには、「この情報は、次の行動や判断に必要か」という基準で取捨選択することが効果的です。
このように、情報を整理した結果として要約を書くことで、読み手にとって理解しやすく、実務で活用しやすい議事録になります。単なる文章の短縮ではなく、意味を残した整理を意識することがポイントです。
議事録は、内容だけでなく全体の構造をそろえることで、視認性が大きく向上します。構造化の基本は、同じ種類の情報は、同じ並び・同じ書き方で統一することです。
構造をそろえるためには、以下のような点を意識すると効果的です。
書き終えた後は、「流し読みでも内容を理解できるか」という視点で全体を確認してみましょう。このチェックを行うことで、構造のズレや読みにくい箇所に気づきやすくなります。
議事録では、主観的な表現や曖昧な言い回しを避け、事実に基づいて記載することが重要です。評価や感想が混ざると、読み手によって受け取り方が変わり、内容の解釈にズレが生じやすくなります。
そのため、議事録には「どう感じたか」ではなく、会議で実際に何が話され、何が決まったのかだけを整理して記載します。
たとえば、以下のような表現は注意が必要です。
このように、事実を具体的に書き表すことで、読み手による解釈のズレを防ぎ、正確で信頼性の高い議事録になります。
議事録作成の負担を減らすためには、ツールやAIを補助的に活用することも有効です。すべてを手作業で行うのではなく、工程の一部を効率化することで、作成時間を短縮できます。
具体的には、以下のような使い方があります。
ただし、AIを活用する場合でも、内容をそのまま使うのではなく、最終的な確認や表現の調整は必ず人が行うことが重要です。事実関係やニュアンスの誤りを防ぐためにも、この工程は省けません。
なお、デザインツール「Canva(キャンバ)」に搭載されているAI機能「Canva AI(新しいタブまたはウィンドウで開く)」を使えば、会議内容をまとめたメモを議事録として整った体裁に仕上げることも可能です。作業時間を短縮しながら、一定の品質を保ちやすくなります。
議事録を書く際にありがちな悩みのひとつが、「会話をそのまま書いたほうが正確なのでは?」という点です。しかし、議事録の基本は会話形式ではなく、要点整理形式でまとめることにあります。
ここでは、なぜ会話形式が基本的に避けられるのか、その理由と例外的なケース、どうしても会話形式を使う場合の注意点を解説します。
会話形式の議事録が避けられる主な理由は、読みづらく、要点が伝わりにくくなるためです。発言をそのまま書き並べても、実務で必要な情報を把握しにくくなってしまいます。
会話を時系列で並べた議事録では、以下のような問題が起こりやすくなります。
そもそも議事録の目的は、「誰が何と言ったか」を再現することではありません。会議の結果として何が決まり、次に何をするのかを明確に伝えることが本来の役割です。
そのため、発言の流れを追う会話形式ではなく、議論の要点・決定事項・ToDoを優先して整理する要点整理形式が、議事録の基本として推奨されています。
原則としては要点整理形式が望ましいものの、目的によっては、例外的に会話形式が適しているケースもあります。
たとえば、以下のような場面では会話形式が有効です。
これらのケースでは、「何が決まったか」だけでなく、どのようなやり取りを経て結論に至ったのかを伝えることに価値があります。そのため、発言の流れを追える会話形式が役立つこともあります。
やむを得ず会話形式で議事録を作成する場合は、そのまま書き並べるのではなく、一定のルールを設けることが重要です。
特に、以下のポイントは必ず押さえておきましょう。
会話形式は、あくまで内容理解を補助するための手段にすぎません。最も重要なのは、読み手が「次に何をすべきか」を迷わず理解できる状態にすることです。
その基準で見たときに、会話形式が不要だと判断できる場合は、要点整理形式に置き換える判断をすることも、わかりやすい議事録を作成するうえで大切です。
ここまで解説してきたポイントを踏まえ、実際に要点整理形式でまとめた議事録の例文を紹介します。要点整理形式の議事録は、「何が決まり、次に何をするのか」が一目で分かるため、社内外問わず実務で使いやすいのが特徴です。
例文はそのまま流用できるよう、できるだけシンプルな形にしています。
社内向けの議事録では、簡潔さとスピード感を重視します。必要以上に丁寧な表現は使わず、要点が分かることを優先します。
既存顧客向けと新規顧客向けの2案が出た。コスト面を考慮し、既存顧客向け施策を優先する方向で意見がまとまった。
▼決定事項とToDo
クライアント向けの議事録では、誤解を生まない表現と丁寧さが重要です。主観的な表現は避け、事実と決定事項を明確に整理します。
現行構成ではサービス内容が伝わりにくいため、ファーストビューに実績紹介を追加する案が提示された。
▼決定事項とToDo
無料で使えるデザインツール「Canva(キャンバ)」は、資料やデザイン制作だけでなく、議事録のようなビジネス文書作成にも相性の良いツールです。フォーマット作成から社内共有までを一元化できるため、議事録作成にかかる手間を大きく削減できます。
あらかじめ議事録用のフォーマットをテンプレート化しておけば、毎回構成を考える必要がなくなり、記載漏れの防止にもつながります。さらに、見出しや余白が整った状態で作成できるため、読み手にとっても内容を把握しやすい議事録になります。
以下では、議事録をCanvaで作成する具体的な方法をご紹介します。
会議中に取ったメモを「Canva AI(文章作成AI)(新しいタブまたはウィンドウで開く)」に入力し、議事録向けの文章構成に整えます。要点整理の下書きとして使うことで、作成時間を短縮できます。
整理した内容をCanvaのテンプレートに流し込んでいきます。Canvaには豊富なテンプレートが用意されているので、「テンプレート一覧(新しいタブまたはウィンドウで開く)」から目的に合ったテンプレートを選び、編集画面を開きましょう。
編集画面では、テンプレート内のテキストやデザインを自由に編集できます。左のメニューにある「素材」から、図形や表などを追加することも可能です。
さらに、Canvaではリンクを共有することで、社内のメンバーと共同編集することも可能です。社内で内容を確認したり、修正を依頼したりする際にも便利です。
完成した議事録はPDF形式でダウンロードできるため、社内の関係者や上司、クライアントへスムーズに共有できます。
このように、Canvaを活用すれば「書く・整える・共有する」までを一気通貫で行えるため、議事録作成の負担を大きく減らせます。
なお、議事録以外のデザインの作成方法や、おしゃれなデザインを作るためのヒント・コツについては、以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
議事録は、会議内容を単に記録するための書類ではなく、会議の結果を次の行動につなげるための実務ツールです。そのため、会話をそのまま書き起こすのではなく、要点を整理し、決定事項やToDoがひと目で分かる形でまとめることが重要になります。
あらかじめフォーマットを用意し、情報整理の視点を持って作成すれば、議事録の品質は安定します。さらに、デザインツール「Canva(キャンバ)」やAIツールを補助的に活用することで、作成時間を短縮しながら、読みやすさも両立できます。
日々の業務で議事録作成に負担を感じている方は、ぜひ今回紹介した考え方や手順を取り入れ、実務に活かしてみてください。
議事録作成に関して、実務でよくある疑問をQ&A形式でまとめました。
議事録に誤記や記載漏れが見つかった場合は、できるだけ早く修正し、再度共有することが基本です。対応が遅れると、認識違いのまま業務が進んでしまうおそれがあります。
修正する際のポイントは以下のとおりです。
社内向けの議事録であれば、最新版に差し替えて共有する対応でも問題ありません。一方、クライアント向けの場合は、「修正版」「追記あり」などの表記を入れて共有すると、認識違いを防ぎやすくなります。
議事録は、後から必要なときにすぐ確認できるよう、社内で保存場所を統一して管理することが重要です。クラウドストレージや共有フォルダで管理すると、検索や共有がしやすくなります。
保管期間については、法的に明確な定めはありませんが、議事録の重要度に応じて管理するのが一般的です。目安としては、以下のように考えるとよいでしょう。
このように、内容の性質や重要度を基準に保存期間を決めることで、無駄なく適切な議事録管理が行えます。