本当は教えたくない!デザイナーが知っているフォントの組み合わせ10個の黄金ルール

25 ways to design an awesome poster

「ルールを破るには、そのルールを熟知している必要がある」ある写真のインストラクターが私に言った言葉です。

アートやデザインとは、そういうものです (同時にもどかしく厳しい)。ルールも、最良の事例も存在するでしょう。しかし、不変であるものはほとんどありません。ルールを捻じ曲げたり破ったりするということには、適切な方向へと導かれる可能性が秘められています。では効率的なフォントの組み合わせを学ぶためには、どうすれば良いでしょう?いくつかのガイドラインによると、デザインに欠かせない基礎を最初に学び、次へ進むための自信を身に着けることが大切であるようです。

01.   補完的なフォントの選択

多くのフォントには、真面目、カジュアル、陽気、エレガントなど、独特なムードと個性があります。フォントを選択する際には、そのフォントがデザインの目的に釣り合う必要があります。例えば、丸く快活な書体は子どもの誕生日パーティの招待状には釣り合うかもしれませんが、ビジネス用のニュースレターには向いていないかもしれません。

 

Minted/Carrie O’Neal

人間の心理として、真逆のものがより良く見えることがあります。「内向的」および「外交的」なフォントは、それらを組み合わせることでバランスが良くなります。このため、個性的で特徴のあるフォント (ディスプレイ フォントと呼ばれることがある) は、よりニュートラルで保守的なフォントと組み合わせることで、バランスの取れたデザインとなります。次の個人のブランディング プロジェクトでは、このバランスがよく表れています。大きな方のフォントには、丸く手書きの要素が見られる個性があります (イラストレーターであり書体デザイナーであるデザイナーの背景がうかがえる)。すべて大文字でシンプルなサンセリフ体フォントが、メインのフォントに影響しない程度に小さなサイズで添えられています。

 

Behance/Ethan Johnston

いくつのフォントを組み合わせるかを決定することが、ゲームのように感じられることもあります。直感に頼ることが多いはずですが、それで大丈夫です。ウェブサイトや雑誌、店の看板や製品のパッケージなど、日常生活でいかにフォントが組み合わせられているかが気になるようになれば、そのバランスが見極められるようになってきます。

 

Dribbble/Kyle Anthony Miller

02. 視覚的な階層の構築

従来の新聞や雑誌の出版形式では、フォントに視覚的な階層を適用する良い例を見ることができます。これらの媒体では、大見出し、中見出し、ボディ コピー、小見出しなど、異なる要素を視覚的に分離しています。サイズ、太さやスペース (行間隔、文字間隔を含む) などの特性は、各ページで最初に読まれるべき記事へと導く手助けや、興味を引く順番付けに役立ちます。

 

Behance/Andrew Colin Beck

階層の構築は、タイトルやボディ コピーのレイアウトだけでなく、他のデザインにおいても有効です。あるプロジェクトのためにフォントを選択する際は、読み手に何を最初に呼んでほしいかを考える事が大事です。あるいは、どの情報が不可欠で最初に注意を引くべきか (企業名、大見出し、特別オファー?)、どの情報があまり重要でないかを決めることも重要です。そしてそれに応じたフォントのスタイル、サイズ、そして配置を作っていきましょう。例外もありますが、一般的に、最も大事な要素には大きく太いフォントが用いられます。

 

Dribbble/Corin Nader

03. コンテキストの考慮

サイズに加え、フォント スタイルも読みやすさに影響します。デザインのコンテキストに合ったフォントの選択をするためには、意図するメッセージの特性を書体の特性と一致させることが第一です。これは、01 で述べたフォントの特性と同様です。

 

Dribbble/Salih Kucukaga

活字書体を表示するか、ニュートラルなフォントを表示するか (あるいはその組み合わせを表示するか)、そのプロジェクトに適した決定をすることが手順の一部として挙げられます。見栄えのするフォントが適している場合や、長文など目立たないフォントが適しているコンテキストもあります。下の例にある雑誌のレイアウトでは、2 つの活字書体と、読みやすいサンセリフ体が適用されたボディ コピーが組み合わせられています。

 

Dribbble/Carolin Gebele

コンテキストは、ジャンルや時代からもアプローチできます。検討しているフォントの歴史を、いつどのようにして、どの目的のために作成されたか、あるいはその文化的背景でいかに使用されていたかを知ることが、デザインに適した選択であるかどうかを見極める材料となる場合もあります。例えば、Abraham Lincoln に関するバイオグラフィーのブックカバーのデザインには、アメリカ南北戦争時に使用された Caslon や Clarendon など、威厳のあるセリフ体フォントが適しているかもしれません。

 

他の例として、特に特定の美学的思想がある場合、フォント スタイルがデザインの全体的なスタイルを固める役割を果たす場合があります。このデザインには明らかにレトロな 1950 年代のテーマがあり、そのコンテキストを反映するために、その当時広告などに使用されていたようなフォントが選択されています。

 

Behance/Keith Lowe

04. セリフ体とサンセリフ体の組み合わせ

急いで 2 つのフォントを選ぶ必要がある場合は、セリフ体とサンセリフ体の組み合わせを試してみましょう。この 2 つのフォントは、特にサイズの比較をする際に相性が良いとされています。

 

Behance/Rob Fuller

タイポグラフィの世界では、セリフ体とサンセリフ体では、どちらが読みやすいかという議論が繰り広げられています。長文の場合は セリフ体がより効果的で、特に印刷されたものを読む場合はより速いスピードで読み進めることができると言われています。一方で、そのシンプルな字体をさまざまな解像度の画面上によりクリアに表示することができるサンセリフ体のフォントは、主にオンラインやモニター上の文字を読むのに適していると言われています。

 

Dribbble/Tom Pickering

05. コントラストの生成

セリフ体とサンセリフ体を組み合わせることが効果的である理由のひとつとして、コントラストの生成が挙げられます。これにより、その構造や、各フォントがいかに補完しあうかなど、複数のコンセプトを考慮することが大切であることがわかります。

コントラストは、スタイル、サイズ、太さ、スペースや色などのさまざまな組み合わせで生成することができます。下の例を見ると、太くどっしりとしたフォントが、細く長めのフォントと組み合わせられています。この 2 つはほぼ正反対のフォントですが、この違いが相性の良さを生み出します。この違いが各フォントの個性を浮き立たせ、それぞれが伝えたい情報を明確にします。日付のサイズ (ピンク) は、ページのタイトル (白) の 2 倍の高さで表示されているため、この 2 つの数字が目立たなくなることはありません。大き目のサイズであることにより、太字の見出しに負けず主張をすることができるのです。

 

Dribbble/Albert Barroso

06. 重複を避ける

フォントを組み合わせる際、コントラストは重要ですが、重複は避けたいものです。違うフォントだからと言って、相性が合うとは言えません。一般的に、似た大きさや小文字の高さが同じ (x-height と呼ばれています) である書体は、たとえ全体的なスタイルが違っていても、相性が合いやすいと考えられています。

 

次のフォントの組み合わせを見てみましょう。セリフ体とサンセリフ体がいかに異なるかということが見て取れる、良い例かもしれません。上部の書体は非常に丸く、文字間が広く取られていますが、下部の書体は高く、狭い文字間となっています。この細身のセリフと統一感のある太字の組み合わせでは、コントラストが生成されるというよりも、衝突してしまう場合が多いでしょう。

 

Dribbble/Jean François Porchez

07. よく似たフォントの組み合わせは NG

05 でご紹介したルールとは逆に、類似し過ぎているフォント (コントラストがあまり生まれない) の組み合わせは視覚的に識別がしにくいため、階層の構築が難しくなります。また、識別しやすい違いがあるフォントの組み合わせは、わざとらしい印象を受ける場合があります。

しかしながら、類似していないフォントの組み合わせでも、相性が合わない場合もあります。類似する太さ、形、あるいは文字の形をもつ異なる書体の組み合わせは、下の例のようにセリフ体とサンセリフ体フォントの組み合わせであっても、特に各フォントのサイズが同じである場合、デザインがわかりにくく不明瞭になる場合があります。

 

Dribbble/FontFont

08. 同じ書体ファミリーのフォントを使用しましょう

組み合わせることを考えて作られた同じファミリーの書体を利用することが、無難であると言えます。目的に応じ、よりたくさんのオプション (異なる太さ、スタイル、ケース) から選択できる種類を見つけましょう。

 

Fontspring/Latinotype

同種類のフォントを組み合わせる場合、フォントのサイズ、太さ (細い、標準、太い) 、およびケース (大文字、小文字、スモール キャピタルなど) を慎重に考慮して、コントラストを生成する必要があります。

 

Fontspring/Fontfabric

イタリック体、エクステンド体、コンデンス体などが用意されたファミリー書体を使用することで、よりクリエイティブなフォントのアレンジが可能になります。

プロジェクトで使用する書体をひとつのファミリーに制限することで、デザインの手順をより円滑化することができます。完璧な組み合わせを見つけるためには時間がかかりますが、既に決まった選択肢がある場合は比較的かんたんに、まとまりのあるビジュアルを作成することが可能になります。

 

09. フォント数を制限する

プロジェクトに使用するフォント数を、2 つあるいは 3 つに絞るべきであるということを聞いたことがあるかもしれません。これは目安としては正しく、エディトリアル デザインでは一般的ですが、すべてに当てはまる厳格なルールということではありません。

 

Dribbble/Fabien Seguin

ビクトリアン調など、ある特定のデザインを反映させる場合により凝ったフォントの組み合わせを必要とするプロジェクトもあります。複数のフォントを使用する選択をする場合はそれぞれがもたらす効果が重複せず、調和している必要があります。

 

Dribbble/CruzineDesign

しかしながら、どのデザインの要素でも言えるように、フォントの使い過ぎは NG です。多くのプロジェクトでは、地味でシンプルなアプローチによる利点が多くあります。選んだフォントを最大限に活用するためには、各フォントに対して、そのデザインに関する個別の役割や目的を与えることが理想的です。多数のフォントを使用しても、それぞれに目的を与えられない場合は、減らしてみることも大事かもしれません。

 

10. 練習するのみ !

最後になりましたが、ルールというよりは提案を。上司の意見に左右されず自分の意志で使用するフォントの選択ができる場合は、組み合わせの練習をしましょう。他のスキルと同様に、成長するためには試行錯誤が不可欠です。多くの創造活動と同様に、完璧なフォントの組み合わせを見つけるということには、正解がないのです。

リスク。直感。試み。たとえルール上は説明がつかないことでも、しっくりくると感じるときがあるものです。フォントの相性がどうしても合わないと思うこともあるでしょう。そんな時はその原因を考え学習することが大切です。このタイポグラフィの基礎をスタート地点と考え、活用しましょう。たとえうまくいかなくても、あなたの創造力を奪う原因となってはいけません。

デザイン作成の切り札