長時間露光で素晴らしい写真を撮るための7つのヒント

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シャッターを開いた状態に長時間保つことで、雲が煙の帯のように見えたり、水が不透明になったり、星が夜空を翔る光線になったりします。カメラ機能を上手に使いこなせば、単なる風景写真ももっと迫力のある写真になるのです。

しかし、『ただ何となくその機能を使う』というのは据わりが悪いものです。長時間露光の写真撮影が難しいのは、あなたが見ているものがそのまま写真に写るわけではないというところでしょう。

以下では、まるで異世界のような写真を撮るための7つのヒントについてみていきましょう。

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Photo by Jonatan Pie

1. 減光フィルターを使う

長時間露光での写真撮影に本気で取り組むなら、減光フィルターを使うのはどうでしょう。減光フィルターとは、太陽光が強すぎるときによく見えるようにしてくれるサングラスのようなものです。レンズに入る光を制限し、明るい環境でもシャッタースピードをかなり減速することが可能になります。

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Photo by Robert Emperley

減光フィルターが役に立つのは昼間だけではありません。シャッターをたった数秒でも開いた状態にすると、暗い夜空が明るく写ってしまったりすることがありますが、減光フィルターを使うことで露光しすぎないようにシャッターを切ることが可能となるのです。

減光フィルターを取り付けるには、レンズの前面にあるねじ山に回すようにしてセットすればOKです。レンズの大きさは49~77mmまで様々であることに注意しましょう。レンズの大きさと減光フィルターの大きさが一致していないと、取り付けることはできません。

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Photo by Filip Wessman

2. 露光時間を計算する

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Photo by Chunchia

減光フィルターを使う際に重要になるのは、露光時間をどのように計算するかということです。減光フィルターはND2からND100000まであり、それぞれ入射する光の量を何分の1にできるかということを表しています。ND2なら光量を1/2に、ND4なら1/4にすることができるというわけです。また、それぞれの減光フィルターはFストップ(カメラ口径の設定)を以下のように下げることができます。

  • ND2 = 1 ストップ
  • ND4 = 2 ストップ
  • ND8 = 3 ストップ
  • ND16 = 4 ストップ
  • ND32 = 5 ストップ
  • ND64 = 6 ストップ
  • ND100 = 6 ⅔ ストップ
  • ND128 = 7 ストップ
  • ND256 = 8 ストップ
  • ND400 = 8 ⅔ ストップ
  • ND512 = 9 ストップ
  • ND1024 = 10 ストップ
  • ND2048 = 11 ストップ
  • ND4096 = 12 ストップ
  • ND6310 =12 ⅔ ストップ
  • ND8192 = 13 ストップ
  • ND 10000 = 13 ⅓ ストップ
  • ND100000 = 16 ⅔ ストップ

では、このFストップが露光にどのように影響を与えるのでしょうか。仮にカメラレンズの口径をf/1.8としてND2のフィルター(つまりFストップは1減少する)をレンズに装着したとすると、カメラレンズの口径はf/2.8となります。これがシャッタースピードにも適用されるのです。例えばこのカメラでのシャッター速度がもともと1/15秒である場合、それは1/8秒になります。

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Photo by Zoltan Tasi

露光時間を計算する上では、ND Filter CalculatorやND Filter Timerといったアプリが役立つでしょう。通常設定の他、レンズにフィルターを装着した際に必要な設定を知ることができます。

ちなみに、シャッタースピードを遅くすると手ぶれしやすくなるため、三脚が必要不可欠であることにも注意しましょう。

3. 手動設定を行う

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Photo by Igor Kasalovic

長時間露光の写真を撮影する上では、カメラを快適に使えるように設定することが大切です。その中でも特に重要なマニュアル機能は、30秒以上も露光することができるようになる機能である『バルブ撮影』機能でしょう。

バルブ撮影を行うには、マニュアルモードに切り替え、クリックホイールを『バルブ』の文字が出るまで回し、シャッター速度を調節します(30という数字の後に出てくるのが一般的です)。これを選択すると、シャッターボタンを押している間、いくらでも露光することができるのです。しかし、指でボタンを押さえると本体が揺れてしまうのでオススメできません。ケーブルレリーズを取り付け、カメラに触らずにシャッターを切れるようにしておくのが良いでしょう。

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Photo by Robson Hatsukami Morgan

(特に減光フィルターを装着しているときには)充分な光量が無いとオートフォーカス機能が正常に機能しないため、フォーカスは手動で合わせる必要があります。レンズを無限遠(∞のシンボルで表示されます)に設定し、画面を見てズームインボタン(拡大鏡のシンボルが目印です)を使って一番遠くのオブジェクトを拡大しましょう。それがぼやけて見えるなら、フォーカスリングを捻ってくっきりと見えるように調節しましょう。

4. 立体的な写真のために雲を利用する

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Photo by Matt Lamers

長時間露光の写真が魅力的な主な理由のひとつに、動きそのものを独創的にキャプチャすることができるという点があります。低速のシャッターを活用し、景色の中で動くものをとらえてみましょう。例えば雲なんてどうでしょうか。

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Photo by Cédric Klei

星が出ていない早朝や昼過ぎの時間帯には、幻想的な写真を撮る上で雲を探すのが良いでしょう。太陽が地平線に沈むまで待ち、それによって空に色合いやコントラストが生まれるのを利用するのがおすすめです。減光フィルターの種類によっては、30秒や60秒といった長時間露光の写真を撮ることもできます。

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Photo by Ioan Schlosser

5. 星空をダイナミックに撮影する

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Photo by Francisco Moreno

夜に写真を撮るなら、雲が無く透き通るような夜空の日を選ぶと良いでしょう。また、人工の光のせいで露光が影響を受けないよう、都市部から離れたところで撮影するのがおすすめです。

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Photo by Chris Leggat

最適なロケーションを見つけてカメラをセットしたら、レンズ口径を広め(f/2.8くらいが良いでしょう)に設定し、レンズができるだけ多くの光を集められるようにしましょう。フォーカスを合わせるには、ズームインボタンで星にズームインし、くっきりと見えるようになるまでフォーカスリングを調節しましょう。

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Photo by Manuel Meurisse

通常、星の写真を撮る場合には、露光時間は数秒程度(最大でも15秒程度)で充分です。それよりも長くすると、絶えず動いている星の軌跡をとらえることもできます。

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Photo by Caleb Steele

多くの場合、30分~1時間ほど露光を行うことで、星の軌跡を写真に収めることができます。長く露光時間を取ればそれだけ、長い軌跡を写すことが可能となります。

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Photo by Andrew Preble

もしも上にあるような円を描くような軌跡を撮影したい場合、まず北極星を探す必要があります。Star MapやStar Trackerといったアプリを使うと見つけやすいでしょう。北極星を見つけたらそれに向かってカメラを構え、撮影すればOKです。

6. 光線を撮影する

都会で長時間露光の写真撮影を試すなら、街を行く車のテールライトやヘッドライトを撮影してみるのはどうでしょう。車通りの多い道路の近くにカメラを設置して、5~15秒くらいの設定で写真撮影してみましょう。

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Photo by Paul Smith

ここでも、露光時間が長ければ長いほど光線も長く伸びることとなります。カメラを正しく設置すれば、白と赤の線が伸びる写真を撮ることができます。

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Photo by Diego Vitali

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Photo by Guillaume Jaillet

7. 光で絵を描く

長時間露光の技術を用いると、光で絵を描くこともできます。持ち歩ける光源を空中で動かすことで、その光の線によって何かを描くのです。懐中電灯、LEDライト、おもちゃ、あるいは花火などを使うこともできるでしょう。

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Photo by Cassie Boca

どうしてこのようなことが可能なのでしょうか。

シャッターが開いているとき、カメラセンサーは、そのシーンのあらゆる光を記録します。しかし、シャッターのスピードが遅いため、動いている対象物はぼやけたりそもそも写らなくなったりしてしまうのです。例えば道行く車を撮影しようとすると、ライトは写るものの動いている車体自体は写らないのと同じです。このため、光だけが絵として目立つことになるのです。

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Photo by Tobias Cornille

光で絵を描くというのは一見難しそうですが、実際は簡単です。まず、カメラのセルフタイマー機能をONにして、シャッターの速度を絵を描くのに必要な時間だけ遅くします(通常、30秒くらいで充分でしょう)。もしそれ以上の時間が必要なら、バルブ撮影機能を使い、絵を描いている間誰かにシャッターを押し続けてもらうと良いでしょう。

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Photo by Joe Leahy

セルフタイマー設定を行いシャッターボタンを押したら、すぐに配置につき、カメラが撮影を開始したら絵を描き始めます。自分の姿を写真に残したくない場合は、撮影中動き続け、絵を描き終わったらそのままフレームアウトしてしまいましょう。写真の中に残りたい場合は、その場に留まるだけでOKです。

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Photo by Collin Armstrong

シャッターが開いている限り、数字や記号などを書いたり、何かをなぞったり、言葉を書いたりすることもできます。ただ気をつけるべきことは、カメラは逆行して動きを記録するため、文字を書くときには逆順に書くようにしなければならないということです。これにはちょっと練習が必要ですが、きっとすぐに慣れるでしょう。とにかくトライアンドエラーを繰り返し、楽しんで作品を作ることが大切です。

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Photo by Wil Stewart

長時間露光で写真を撮影することは、確かにテクニカルな技術ではありますが、科学というほどに専門的なことでもありません。何が撮れるか分からない、それがこういった類いの写真の面白さでもあるのです。計算して調整しても、実際に写真を見るまでは何が写ったのか分からない。その驚きと面白さを、ぜひ楽しんでくださいね。