WEBサイトやSNSの普及により、自己紹介をインターネット上で行うケースが増えています。 しかし、実際に対面した時に渡す名刺の影響力は、現代でも非常に大きなものです。
名刺のレイアウトやデザインから伝わる情報は、受け取った相手からの第一印象を大きく左右します。 特に、名刺の文字にどのようなフォントを使うかは非常に重要といえます。
フォントの種類で印象は大きく変わり、フォントのサイズは視認性に強く影響するためです。 名刺作成メーカーやプロのデザイナーが作成した名刺は、デザイン性と文字の見やすさが両立されているのがよくわかります。
自分で名刺を作ろうと思った時に、パソコンに最初から入っているフォントを使う方も多いのではないでしょうか。実は、同じフリーソフトで名刺を作る際にも、フォント選びによって完成度が大きく高まることが期待できるのです。
ここでは、名刺の作成時におすすめのフォントの種類と、適切な文字サイズの設定方法について紹介します。さらにすぐにでデザインできるCanvaで人気の名刺テンプレートトップ10も紹介します。
名刺で使えるフォントにはいくつもの種類があります。 以下は、名刺に利用するのに向いているフォントの種類です。
名刺は手に取った人が読みやすいと感じることが大前提です。 なるべく視認性の高いフォントを選ぶのが大切といえます。
受け取った相手の読みやすさを重視した名刺にしたい場合は、「ゴシック体」がおすすめです。 文字の線の太さが均等なため読みやすく、名刺以外にも雑誌や書籍などのタイトルや見出しとして多く使われています。
横型・縦型の名刺に利用できる汎用性の高さが魅力です。
柔らかく明るい印象を与えるため、一般的な会社やフリーランスとしてのデザイナー、イラストレーター向の名刺のフォントに向いています。
ゴシック体と同様に読みやすいフォントである「明朝体」。 ゴシック体と異なるのは、筆で書いたようなイメージで、縦線のほうが横線よりも太く、上品で優雅な印象を与える点です。名刺の他にも小説や新聞などの文章に多く用いられています。
縦書きにも適しており、縦型の名刺にも非常にマッチします。
弁護士や医療関係、教育関係、堅実な業界の会社などで多く使われています。
明朝体よりも和風のイメージが強い「楷書体」。 中国を起源とし、筆で書いたようなイメージでまとまりのある印象を与えられます。 厳格で伝統的な印象を与えるため、歴史のある会社や和風の店舗の名刺に用いられます。
縦型の名刺で縦書きの文字を使うのに適しています。
明朝体や行書体よりも、筆で書いたようなイメージが強い「Nagayama Kai」。 名刺に使う場合は非常に強いインパクトを与えます。視認性はそこまで高めではないため、会社名や名前を中心に使用するのがよいでしょう。
和のイメージを強く与えるため、伝統的な仕事をしたり、歴史ある店舗を運営している場合に向いているといえます。
縦型名刺の縦書きの文字としても趣のあるデザインに仕上がります。
映画の字幕のようなイメージの「しねきゃぷしょん」。 字幕調でレトロな雰囲気が溢れています。英文にも対応しているのがポイント。
映像系のクリエイターや映画好きな方向けのフォントです。
文字によっては視認性が低い場合があるため、文字間隔などに気をつけながら利用するとよいでしょう。
会社のロゴのように線が太く、力強いのが特徴の「コーポレート・ロゴ」。 会社や店舗の名前にインパクトを持たせるのに効果的なフォントです。 ゴシック体をベースに作られています。
カタカナにすると文字がやや縦長になるのが特徴的です。 ポップな印象を与えるため、堅実的なイメージはやや薄れてしまうでしょう。 会社名やサービス名を会社ロゴ風にしたい場合に向いています。
GoogleとAdobeが共同開発したフォントである「Noto Sans」は、さまざまな種類があるのが特徴です。 Google側では「Noto Sans」、Adobe側では「源の角ゴシック」と呼ばれ、名称が異なります。 日本語や英語に対応しているのがポイントです。
文字の太さで受ける印象が異なり、細い線の場合はシンプル、太い線の場合はややポップになるなど、イメージに合わせた使い方が可能です。
見やすい文字したい方に向いているフォントといえます。
線の強弱が強いのが特徴の「Bodoni FLF」は、非常にメリハリのあるフォントです。 イタリアで生まれたフォントで、モダンな印象で広告デザインなどに利用されています。
上品な英語のフォントを使いたい方に向いています。
優雅なイメージの英文作成に向いている「Cormorant Garamond Medium」は、フランス発祥のGaramondをベースにしたフォントです。
読みやすく、広告の見出しや文字として多く使われています。 英語で表記する際に、伝統的なイメージを出したい場合に向いています。
名刺に使えるフォントの種類を把握したら、次はフォントのサイズについても確認しましょう。 名刺を構成する要素ごとに、適切なフォントサイズが存在します。
必要以上に目立たせたいからとフォントを大きくしすぎたり、反対におしゃれにしようと文字を小さくしすぎたりすると、全体のバランスが崩れるばかりか読みづらい名刺になってしまうでしょう。
以下の4つのポイントを押さえて、誰からも読みやすいフォントサイズの名刺作成が可能です。
名刺を構成する要素を把握し、適切なフォントサイズを把握しましょう。 一般的な名刺は会社名や名前、各種連絡先などの情報で構成されています。
各要素のフォントサイズは以下を目安にしましょう。
名前は最も目立つように、会社名よりも大きく表示します。 フリーランスの方は自身の名前を印象付ける意味でも、16〜17ptほどのサイズにしましょう。 肩書きは会社名や名前よりもやや小さめに設定します。
電話番号やメールアドレスなどの連絡手段は大切なので、読みやすいよう住所よりも大きめのフォントサイズにするとよいでしょう。
フォントサイズを小さくすれば洗練されたイメージになり、名刺の余白部分を多めに取れるため、メリハリの効いたデザインになります。
しかし、フォントサイズが小さすぎると読みにくさの原因になってしまうため、あまり推奨されません。
住所などフォントを小さくできる要素の場合でも、最低6ptの大きさは確保しておきましょう。 名刺は幅広い年齢の方が目にするため、読みやすい一定のフォントサイズを確保する必要があります。
名刺のデザイン完成後に実際に印刷してみると、文字の太さが変わってしまうケースは多くあります。 特に、太めのフォントの場合は読みづらくなることが起こりやすくなっています。
反対に、小さなフォントの場合は文字が潰れてしまうケースがあるため、先述の通り最低限6ptは確保するようにしましょう。
作成したパソコンのモニターで見た場合は問題なくても、印刷時の出来栄えを考慮してデザインする必要があるのです。コツとしては、大きめのフォントは太めに、小さめのフォントは細くすることで、印刷時のトラブルを防ぎやすくなります。
名刺に使用するフォントは1〜2種類に絞ることが大切です。 あまりに多くのフォントを使いすぎると統一感が薄れ、伝えたいことがわかりにくい名刺になってしまいます。
和風のテイストや上品なデザインなど、名刺の方向性に合わせて適切なフォントで統一しましょう。
使用するフォントは肩書きと名前、住所と各種連絡先など、関連する要素同士で統一することで認識しやすくなり、非常に読みやすい名刺になります。
名刺の作成をお考えなら、無料で利用できるアプリ、Canvaの利用がおすすめです。 日本語のフォントが90種類以上あり、外国語のフォントを含めれば数百以上の多彩なフォントを利用できます。
2章で紹介したフォントは、楷書体を除いてCanvaで利用できます。
名刺以外にもチラシのデザインやInstagramの投稿など多用途に使えるので、使いこなせるようになると便利なアプリです。
Canvaにはゴシック体や明朝体など、名刺作りに欠かせない日本語フォントが豊富に揃っています。 まずはゴシック体のフォント一覧を紹介します。
同じゴシック体でもフォントの種類によって与えるイメージは大きく異なります。
JKゴシック、せのびゴシック系、やさしさゴシック系は柔らかい印象です。 さわらびゴシックは引き締まったクールな印象を与えます。
名刺のデザインやテイストに合わせて、ゴシック体フォントを使い分けるとよいでしょう。
続いて、明朝体のフォント一覧を紹介します。
上品な印象を与える明朝体は、使用するフォントによってイメージが変わります。
PAex明朝、刻明朝、梅明朝、花園明朝は優雅な印象です。
あおぞら明朝Regular、こころ明朝体、はれのそら明朝は優しい印象を与えます。 あおぞら明朝Heavy、装甲明朝は線が太く、少し力強い印象となっています。
堅実な印象の仕事をされている方は、職種の持つイメージに合わせてフォントを選ぶとよいでしょう。
Canvaには最初から使い勝手のよいフォントが多く用意されていますが、オリジナルのフォントや別途購入したフォントを使用することが可能です。 フォントの選択部分の下部にある、「フォントをアップロード」を選択します。
フォントのアップロードには有料プランであるCanva Proへ加入する必要がありますが、所有するフォントや意図した目的への利用権利のあるフォントをアップロードできます。
普段から使い慣れているフォントを利用できるので、クリエイターの方は他の制作物と文字のイメージを共有できます。
ここで、Canvaで日本のユーザーたちがもっともデザインしている名刺のテンプレートトップ10をここで紹介します。さまざまな名刺デザインがあるので、お気に入りのものがございましたら、すぐにテンプレートをクリックしてあなただけのオリジナル名刺がデザインできます。
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名刺においてフォントが与えるイメージ非常に強いものだということがわかりました。
一般的にはゴシック体や明朝体を使うケースが多くありますが、独自色の強いフォントを使うことで仕事内容や個性をアピールできるようになります。
フォントのサイズは見やすさにつながる重要なポイントです。 会社名や名前の部分はフォントサイズが大きく目立つため、フォントの使い方は工夫したいところです。
自分で名刺を作成する場合はフォントの持つ意味合いを理解して、狙い通りの印象を与えられるよう、工夫してみるとよいでしょう。
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